Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

アンケート結果から見える2020年の生活、2030年の未来

   

 気になる調査レポートがいくつかあった。

博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査」結果発表

博報堂生活総合研究所、生活者にきいた“2020年 生活気分”を発表

・ 第 11 回科学技術予測調査S&T Foresight 2019総合報告書 

 

 気候変動を大多数が意識するようになり、SDGsの認知も進んできた。SDGsが目標とする2030年はどんな世界になっているのだとうかと想像してしまう。

 

 調査レポートの概略を見てると.....

 

 

生活者のサステナブル購買行動調査 博報堂

「ミニマル(最小限)」「ロングライフ(長期的)」「サーキュラー(循環)」 3つのサステナブル基準で選ぶ生活者 

購買実態】 「必要最小限」の量を買って「長く使う」行動が定着
「不用品を人にあげる・売る」モノの循環行動が、女性20・30代を中心に浸透

• 「長く使えるものを買う」生活者は9割以上。「まだ使えるのは修理して使う」「必要最小限の量だけを買う」「資源
をムダづかいしないように気を付けて買う」も7割以上と高い実施率。
• 女性20・30 代では「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり売ったりする」が7 割以上に。

【購買意向】 「環境・社会に配慮した商品・企業」が、これからの購買の判断基準に
• 今後の購買意向では「環境・社会に悪影響を与える商品・企業」に対する不買や「環境・社会に配慮した商品」に対する購入意向が約7~8 割にのぼる。

【食品・飲料の購買実態】 食べ物をムダにしない “もったいない”意識を持った生活者が大多数

【認証ラベルに対する意識】 認証ラベルの認知・理解度はまだ低く、理解促進に課題あり

(出所:博報堂

www.hakuhodo.co.jp

 

やっぱり、そうなんだと納得して、一方で、来年2020年の生活気分とはというと、

 

生活者にきいた“2020年 生活気分”を発表  博報堂生活総合研究所

 ●2020年の景気・家計予想、 「悪くなる」が過去最高
主な理由は「消費増税の影響」「国際情勢の不安定化」など

変化に備え、「食べる」を減らし「貯める」を増やしたい
今年お金をかけた:上位に「ふだんの食事」「外食」 来年お金をかけたい:上位に「貯金」「老後の準備」

2020年に始めたいこと/やめたいこと

 来年思い切ってやめたいことでは、「無駄遣い・衝動買い」「無理しての人付き合い」「食べ過ぎ・飲み過ぎ」がトップ3に。この3つをはじめ、上位項目のほとんどで女性のスコアが高い結果となりました (出所:博報堂

 

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www.hakuhodo.co.jp

 

 やめたいことのトップに無駄使いがあがり、

 

2040年の未来像

文部科学省の科学技術・学術政策研究所が「社会の未来像」と「科学技術の未来像」をまとめた。

『将来を展望する期間は 2050 年までの約 30 年間とし、約 20 年後の 2040 年をターゲットイヤーとした。この展望期間において、超スマート社会(Society 5.0)の取組が進んだ状況を想定した』としている。

「社会の未来像」

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第 11 回科学技術予測調査 S&T Foresight 2019 総合報告書

(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 科学技術予測センター )

 

「科学技術の未来像」

『『8つの異分野融合の研究領域』が、「イノベーションや国際競争力につながる重要な領域だと伝える』と日本経済新聞が伝える。

 8つの分野とは「循環型社会に向けた資源利用や廃棄物処理の技術」、「自然災害に関する先進的な観測・予測技術」などが含まれる。

ロボットやAIといった先進技術は、生活や働き方を大きく変える可能性を秘める。次世代のロボットとAIによって外科医の熟練に頼らない手術(実用化予測は32年)、都市部で人を運べる空飛ぶ車(同33年)、発話できない人や動物と会話できる装置(同34年)など、SFに出てくるような未来技術も登場する。(出所:日本経済新聞

 

 

www.nikkei.com

 

大量消費社会から循環型社会へ向かい、

 

グローバル気候マーチ FridayForFuture

 11月29日にFridayForFutureのデモが世界各地で行われた。

 スウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリさんがたった一人で始めた活動が世界に広がった。

 フライデーズ・フォー・フューチャーによると、ドイツでは首都ベルリンなど500以上の都市でデモが行われ、合わせて約63万人が参加した。主催者によると29日のデモは、9月に相次いで行われた「気候ストライキ」より規模は小さかったものの、世界全体で約400万人が参加した。(出所:AFPBB NEWS

www.afpbb.com

 

 日本各地で開催され、#小泉大臣聞こえますか を合言葉に広がりをみせた。

 

www.huffingtonpost.jp

 

気候変動に立ち向かいつつ、持続可能な社会を求めていくのかなと、

 

若者たちが立ち上がった香港

逃亡犯条例をきっかけに若者たちがデモを起こした。過激化していることに憂慮はするが、長期化、沈静化する気配がない。どこまで広がりをみせるかはわからないが、支援の輪が広がっていることをNewsweekが伝える。 

www.newsweekjapan.jp

 

古く陳腐化したものが価値を失い、

 

100年に一度の変革期

 トヨタが言い出したことかもしれないが、クルマばかりでなく、世界を俯瞰すれば、まさに、100年に一度の変革期を迎えているように思える。日本の著名な経営者たちも異口同音に日本の危機を訴える。

style.nikkei.com

 

 既得権益にしがみつく人もいるかもしれないが、それ自体も消滅していく、

 

2030年の未来

 2030年の未来はどうなっているのだろうか。想像してみよう。国連が掲げたSDGsの目標は達成されているのだろうか。 

 今、世界を変えるようと立ち上がった若者たちもやがて歳をとり、社会の中心になっていくだろう。上の世代ができることは、若者たちの背中を押してあげることだ。急ぎ過ぎるときは、やんわり少しだけブレーキを踏んであげ、事故を未然に防いであげる。壁になることは避けなければならない。

 世界は幾度となくパラダイムシフトを起こしてきた。大きな変化と小さな変化を繰り返しながら、イノベーションが萌芽、社会が変わってきた。イノベーションの主役はいつの時代も既得権益を牛耳る者でなく若者たちだ。

 今、パダイムシフトが始まっている。

 世界が変わり始めている。

 

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レゴの使命はCSR 「地球と、未来を作る子どもたちを一番に考える」

 

 レゴ グループ CEO ニールス・ビー・クリスチャンセン氏が来日、Forbesがクリスチャンセン氏にインタビュー、その内容を伝えている。

レゴは、1932年創業の家族経営の企業です。そして、クライアントはもちろん、レゴブロックで遊ぶ子どもたちです。どの家族にもそれぞれのルールが存在するかと思いますが、レゴファミリーが創業以来87年間大切にしてきたのは「地球と、未来を作る子どもたちを一番に考える」ということ。CSR(=社会貢献)こそが僕たちの使命です。それを現在まで守り、実行してきただけのこと。(出所:Forbes) 

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forbesjapan.com

 

 そのレゴは、昨年、植物由来のプラスチックから作った植物ブロックの販売を始めた。植物由来のプラスチックの特性から、それ以外にはまだ使われていないという。

 日本でも、植物由来のプラスチックを使った「アイデア 21318 ツリーハウス」が、11/1から販売されている。

レゴのファンによって作られたこのクールで創造的なおもちゃには、植物素材を使用したプラスチックから作られている、木の葉やさまざまな植物のパーツが180ピース以上含まれています。(出所:レゴホームページNEWS)

clickbrick.info

 

 英語版の方にはもう少し書かれている。

During 2018, the LEGO Group began making botanical elements, including trees, leaves and bushes, from plant-based polyethylene using sustainably sourced sugarcane. Children and parents will not notice any difference in the quality, durability or appearance of the new elements, because plant-based polyethylene has the same properties as conventional polyethylene. These elements represent the first milestone in the LEGO Group’s ambitious commitment to making products using sustainable materials by 2030.

2018年、レゴグループは、持続可能な調達のサトウキビを使用して、植物ベースのポリエチレンから木、葉、茂みなどの植物要素の製造を開始しました。植物ベースのポリエチレンは従来のポリエチレンと同じ特性を持っているため、子供と親は、新しい要素の品質、耐久性、または外観の違いに気付かないでしょう。これらの要素は、2030年までに持続可能な材料を使用して製品を製造するというLEGO Groupの野心的な取り組みにおける最初のマイルストーンです。(出所:レゴホームページ) 

www.lego.com

 

レゴは木製フィギアも販売している。レゴの始まりと深く関わりのあるこの商品。レゴの始まりは木製のおもちゃであったとか。

レゴ社の歴史を振り返ると、家具職人のオーレ・キアク・クリステンセンによって1932年に創業され、初めてのレゴ社のおもちゃは木製でした。常に高品質の製品を維持しようと技術を磨き続けましたが、第二次世界大戦後に木材の供給が減ったため、オーレはプラスチックのおもちゃを作り始め、そこからレゴ ブロックの歴史が始まります。

今回発売する「レゴ 木製ミニフィギュア」は、高品質な木製玩具メーカーからスタートした想いを継承するとても特別な商品であり、FSC認証のオーク材とレゴ ブランドを象徴するミニフィギュアのプラスチック製の黄色の手を組み合わせて1つ1つ手作りで作られています。(出所:PR Times) 

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prtimes.jp

 

 先日、来日されたローマ教皇は、

『私たちは、若者から地球を搾取するための所有物ではなく、次の世代に手渡すべき貴重な遺産として見るよう求められている

と述べられたそうだ。

 

 「地球と、未来を作る子どもたちを一番に考える」

 クリスチャンセンCEOの言葉が重なって聞こえるような気がした。

 

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「関連文書」

www.gizmodo.jp

prtimes.jp

this.kiji.is

 

復活の米トイザらス 新たな消費のカタチで再スタート

 

 博報堂買い物研究所の市場調査結果が目に留まった。

『情報が氾濫する時代、生活者がどのようなチャネルを好んで利用し、どのような買物体験を求めているのかについて、25種のチャネルを対象に調査、結果を分析した』という。(出所:PR Times

 

「情報氾濫時代に利用したいチャネル」 

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  この調査結果を博報堂買い物研究所は以下のように分析する。

ECを中心とした「楽しめる」チャネルでは、その場にアクセスしたり、行くだけで得られる楽しさ、驚き、発見とともに商品・サービスと出会い「買いたい!」という気持ちを高ぶらせることができる。リアル店舗を中心とした「選べる」チャネルでは、編集された分かりやすいチャネルづくりによって、欲しいモノを直感的に「選べる」という確信を得ることができる。
生活者はそれぞれの買物体験を通じて、適切な情報を得つつも情報過剰のストレスを乗り越え、自分にとっての「ここちよい買物」を実現しているのではないだろうか。
情報過剰時代、買物における情報ストレスを軽減し、生活者のここちよい意思決定を後押しする仕掛けはますます求められるようになるだろう。(出所:PR Times

prtimes.jp

 

  『2017年に経営破綻した玩具大手トイザらスが米小売り大手ターゲットとの提携により、インターネット通販を再開した』とForbesが伝える。

  が、実際にインターネット通販を行なうのは、ターゲットで、トイザらスサプライチェーンを管理しないという。

 

自ら玩具のオンライン販売を行っているわけではない。サプライチェーンも自ら管理していない。新設した同社のサイトは主に、親と子供たちのための情報源ということになる。

興味深いのは、同社が新たにオープンする店舗だ。そのうち2か所は11月中に、ニュージャージー州テキサス州で開業する予定となっている。店舗は以前より小規模になり、大量の在庫は置かない。代わりにプレイエリアを設け、インタラクティブ・ディスプレイを設置する。言い換えれば、消費者の「体験」に力を入れるということだ。(出所:Forbes) 

 

forbesjapan.com

 

 新しい流通のかたちとして、D2Cが世界のトレンドになるのかと思われていた。日本経済新聞もその流れを報じていた。国内でも、アパレル業界を始め多くの業界がこの流れに乗ろうとしているように思えた。博報堂買い物研究所の調査結果にも符合しそうだ。

 

www.nikkei.com

 

 

オンライン販売のための流通チェーンを整備していないこと、店舗に置く在庫を制限する方針であることは、トイザらスのビジネスモデルが全体として「体験」に焦点を当てたものになっていることを示す。(出所:Forbes)

 

 今回の米トイザらスの動きは驚きだ。Forbesは『実際には消費者がどれだけ体験型モデルに引かれているのかを判断するための、素晴らしいケーススタディーの機会を提供してくれるものになるだろう』と指摘する。

 

 国内では、百貨店の地盤沈下が進んでいるが、この試みが何かのヒントになることはないのだろうか。

 

 国内のトイザらスは、米トイザらスの破綻の影響を受けずに営業を続けている。2019年も東京都、千葉県、熊本県静岡県に続き、奈良県へ出店、新規店舗の拡大路線が続けている。

 

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「関連文書」

www.businessinsider.jp

prtimes.jp

 

 

化粧品容器が紙製に⁉ ロレアルが進める紙製容器プロジェクト

 

 デンマークのビールメーカーカールスバーグが紙製のボトルを発表したと伝えるニュースがあった。ガラス瓶のリサイクルシステムで流通しているビールボトルを紙に変える必要があるのかと感じていた。紙資源の無駄使いにならないのかと。

 

ideasforgood.jp 

 

グリーンファイバーボトルの開発を進めてきた包装会社とボトル製造会社は、パボコ®という合弁会社を立ち上げた。今回の発表では、パボコ®が紙製ボトル・コミュニティをローンチしたこと、さらに、カールスバーグとともに飲料大手コカ・コーラ酒類大手アブソルート、化粧品大手ロレアルがコミュニティのメンバーとなることが発表された。 (出所:IDEAS FOR GOOD) 

 

 それより、記事にあったパブコが立ち上げた「紙製ボトル・コミュニティ」と、それに参加したコカ・コーラとロレアルの方に興味を感じていた。どちらもペットボトルやプラスチック容器を大量に消費するメーカだからだ。

 

www.paboco.com

  

 

 

ロレアル 化粧品容器を紙製に

 そのパブコが立ち上げた「紙製ボトル・コミュニティ」に参加するロレアルが、このプロジェクトで作られる紙製ボトルを2021年に市場導入できるよう進めているという。

 

f:id:dsupplying:20191128042755j:plain写真出所:ロレアルホームページ NEWS 

 

Driving The Circular Economy

 Our objective with this partnership is ambitious. We aim to create bio-sourced and recyclable packaging. The new bottle is held up to the same demanding standards as the bottle its replacing in terms of quality and customer experience. A first bottle is projected to be on the consumer market in 2021 for the brands La Roche-Posay and Kiehl’s. (出所:ロレアルホームページ News)

 

www.loreal.com

 

 紙製ボトルのローンチより前に、ロレアルは紙製チューブをリリースする。このプロジェクトは、アルベアとのコラボによって実現される。2020年4月までにテストを終了させ、早期の発売を目指している。

 

f:id:dsupplying:20191128043711j:plain写真出所:ロレアルホームページ NEWS

  

L’Oréal is proud to announce the development of the very first paper-based cosmetic tube. The fruit of our collaboration with Albéa, a world leader of cosmetic packaging, its debut on the market is scheduled for 2020. (出所:ロレアルホームページNEWS)

 

www.loreal.com

 

 

 

歯磨き粉などのチューブがゼロウェイストへの障壁に

 サンフランシスコ市は「2030年までにゼロ・ウェイスト型都市となることを目指している」と アウトドアのパタゴニアはブログで紹介する。

都市におけるゼロウェイストの障壁になるのが歯磨き粉などの日用品と指摘する。

 

なじみのある日常品、たとえば歯磨き粉をみてみましょう。〈スタティスタ〉によると、2018年、ある企業はアメリカ国内だけで8,070万本のチューブ入り歯磨き粉を販売しました。

しかし、1本のチューブにはプラスチック、板紙、アルミニウム、その他の金属など、少なくとも3種類の異なる原料が使われて分別が非常に困難なため、自治体の基本的なリサイクルシステムではリサイクルできません。 (出所:パタゴニアブログ)

 

www.patagonia.jp

 

 ロレアルの紙チューブがそのまま、こうした問題の解決に結びつくかはまだ未知数であるが、リサイクルできずに埋立地に行くチューブの削減につながればいいのかもしれなない。

 自然に還る紙とはいえ、資源としては有限でもある。プラスチック代替のひとつではあるが、こうした取り組み以外の活動が必要であることは言うまでもない。

 ロレアルは、2025年には、すべてのプラスチック包装が詰め替え可能、リサイクル可能、または堆肥化可能になるとしている。

 

dsupplying.hatenablog.com

  

テラサイクルと使用済化粧品容器を回収

 国内ではテラサイクルと共同で使用済化粧品容器を回収している。

キールズを通じて使用済み化粧品容器の回収を行っており、今後、新たなブランドで導入し、規模を拡大していきます」とホームページで発表している。

 キールズの他、「メイベリン ニューヨーク」で導入しているという。

 

ロレアルのこうした取り組みは、サスティナビリティ持続可能な社会を目指すいま、参考になる事例のように思える。

 

 

「関連文書」

www.wwdjapan.com

もうすぐ⁉ 飛行機がミドリムシ燃料で飛ぶ日がやって来る😁

  

 ブリティッシュ・エアウェイズが、シェルと協業し、ごみからジェット燃料を作るとForbesが伝える。 

 

従来の化石燃料1トンをバイオ燃料で置き換えるたびに温室効果ガスを70%削減できるだけでなく、英国における廃棄物を焼却や埋め立てよりも炭素排出量が低い方法で処理できるようになる。(出所: Forbes)

  

forbesjapan.com

 

気になることが2つある。

 

・石油メジャーのシェルが絡んでいること。シェルが石油依存から脱却しようと躍起になっているのか。

 ・日本にもミドリムシからジェット燃料を作るとの話があったが、その後どうなったのか   

 

 「航空機が出すCO2排出量を、2020年を基準にして、21年以降は超えてはならない

 国際民間航空機関(ICAO)が定めた規制がある。

 

 

 

 着々と進むユーグレナ社のバイオ燃料

 来年2020年にはANAユーグレナバイオ燃料を使った商業飛行を始めるのではと日本経済新聞が報じていた。日本経済新聞によれば、ユーグレナは25年までに実証プラントの2千倍にあたる生産能力を持つ商業プラントを建設。石油由来の燃料と同程度のコストまで下げる計画も明らかにしているという。

藻類由来燃料を研究する企業は他にもあるが、食品なども手掛けるユーグレナは藻の培養技術に強みがある。精製部分では米石油大手のシェブロンから技術供与を受けた。

ANAホールディングス(HD)は20年までにユーグレナバイオ燃料を使った商業飛行を検討する。(出所:日本経済新聞

 

www.nikkei.com

 

 Forbesは建設された実証プラントの詳細を伝える。 

原料サプライヤー、燃料ユーザーに加え、燃料製造事業者へとその輪を広げながら、バイオ燃料の「産業化」を目指す「GREEN OIL JAPAN」宣言も行った

と報じていた。

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 Forbesによれば、製造能力日産5バレル、年産125キロリットルの実証プラントで製造する国産バイオジェット燃料での日本初の有償フライトを20年までに実現するという。

 

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そして、25年までに実証プラントの2000倍(年産25万キロリットル)にあたる生産能力をもつ商業プラントを建設し、石油由来の燃料と同程度のコストにまで下げる計画を発表した。 (出所:Forbes)

 

forbesjapan.com

 

航空業界に圧し掛かる排出規制が航空燃料のバイオ化を進める

 日本経済新聞は、ICAOの規制で、「20年実績を超える場合には、新たに排出枠を購入しなければならない」と指摘、世界の航空業界の動向を伝える。

 

国内ではまだ試験飛行の実績しかないが、海外ではバイオ燃料を使った商業飛行が始まっている。米ユナイテッド航空は16年、米国の航空会社で初めてバイオ燃料を定期便に利用した。ノルウェーオスロ空港では、廃食油などを原料としたバイオ燃料を給油している。

世界ではバイオ燃料を用いた商業飛行はすでに15万便運航した

需要拡大に石油依存からの脱却をもくろむ米石油最大手も触手を伸ばすエクソンモービルは藻類由来のバイオ燃料の生産に乗り出した。 (出所:日本経済新聞

 

 ミドリムシの食品や化粧品利用の方に目を奪われていたが、ユーグレナはジェット燃料の立上げ準備を着々と進めているようだ。

 この分野でもすでに海外に後れを取っているという厳しいが現実があるようだ。

 

 

 

  サステナブルブランドジャパンのインタビューに答えた出雲社長の言葉が印象的だ。

 

そもそも当社は、大儲けをするためにつくった会社ではありません。

貧困層35億人と富裕層10人の資産が等しいような世の中は持続不可能です

SDGs(持続可能な開発目標)がメガトレンドとなったのも、受け入れる素地のある世代が社会の中核になりつつあるからでしょう。このトレンドと足並みをそろえて、仲間と一歩一歩、進んでいきたいのです。(出所:サステナブルブランドジャパン)

  

ユーグレナのバイオジェット燃料で飛行機が飛び立つ日が待ち遠しい。

 

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 「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

【追記】欧州系石油メジャーの動向

 その後、BPは「脱石油」方向に舵をきることになった。また、シェルもBP同様、脱石油路線になる事業計画を発表するようになる。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

  

 

「参考文書」

prtimes.jp

日々の暮らしとSDGs

 

 今年初めに父が脳梗塞で倒れ、実家に戻ることに決めた。実家に戻ってしばらくして、父は他界した。残った膨大な遺品処理に追われる毎日が続いた。年老いた母の世話も加わり、今までの生活が一変した。

 今まで当たり前と思っていたことだが、自分が生まれ育った家ではあたり前でなかった。そこに齟齬が生じる。母を思えば、自分の生活信条を少し崩しかない。

 言葉に囚われていた訳ではないけど、ミニマルとか、ゼロウェイストに近い生活を続けていた。そんなことはごく普通のことと思っていたけど、そうしたことが普通なことでないことを実家に戻って初めて理解した。

 イライラすることもあるけど、受け入れて、また、少しずつ元の生活信条に戻ればと思っている。多少、世の中の動きに遅れるけど、焦ってもしかたがない。せめて心構えは崩さぬようにとブログを書く。

 多少気持ちが凹むときもある。そんな時には自分に「ゆっくり確実に」と声をかける。

 

🤔😃🤔

 

たまたま見つけた記事「落合陽一さんの新刊から読み解く2030年の未来」に共感した。

あくまでも中心となるのは、近い将来世界に影響を与えると考えられるテクノロジーの動向です。

「2030年の未来はどうなっているか?」というテーマについて考える上で、これからの世界に重要なカギとなりそうなものとして登場するのがSDGsなのです。(出所:ジョイキャリア) 

career.joi.media

  

 まだ落合さんの本を読んでいないが、経済活動、テクノロジー、サービス開発はSDGsの方向に収斂されていくのかなと思った。国連はSDGsをゴールとして定めるけど、未来のしあわせの形や生活は、そうしたゴールの先にあるのかなと思ってりもしている。

 

2030年の世界地図帳  あたらしい経済とSDGs、未来への展望

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

 

 

 世界各地で気候変動によると思われる災害が頻発し、格差や不寛容さ、閉塞感が強まるばかりである。グレタトゥンベリさんら若者がFFFの活動を起こし、声を上げるのも理解できる。未来は、高齢者よりも長く生きる若者たちのためにあるのだから。

 

 まだ一部だけかもしれないが、若者たちが、エコ、ミニマルやゼロウェイストを生活信条に暮らしているとのつぶやきや記事を見る機会が増えたように思う。

 

最近毎日のように着ているジャケットは、さっきお話ししたアイルランドで親しくなったデザイナーのブランド「Álla Studios」のもので、オーダーメイドで作ってもらったんです。ぱっと見はレザーなんだけど、実は特殊加工をしたリネンでできている。動物を殺傷しない、ケミカルな素材を極力使わないというコンセプトに基づいて、丁寧につくられている。彼女の思想や、ものづくりの哲学に深く触れると、そうした一着を、長く長く着ることが素晴らしい、と思えるようになりました。ファストフッションで10着服を買うよりも、圧倒的に満足度が高くて。(出所:Earth Mall)

 

event.rakuten.co.jp

 

ヨーロッパは特に環境への意識が高いらしく、スーパーや薬局でレジ袋なんてないのが普通。最初は不便だな、と思っていたのですが、ホームステイ先のホストマザーも、現地で親友になったファッションデザイナーの女の子も、日ごろからエシカルサステナブルについて自分ごととして考えていたんです。

それに、ペットボトルを使い捨てしなくてもいいように、街のあらゆる場所でマイボトルに水が入れられるのが、普通に便利なんですよね。街全体の取り組みがとっても心地よかった。

最近はモノを買うことが圧倒的に減ったのですが、それも「我慢」じゃなくて、私のスタイルだと捉えるようになり、ずっと気分が良くなりました。 (出所:Earth Mall)

 

 そうした日々の暮らしをみると、そこに未来の幸せの形がありそうとの気持ちになる。

 

まずは消費を減らす。必要ないものは買わない。次は修理。まだ使えるものは直して使う。または再利用したり、共同使用することもできます。そしてついにこれらの選択肢がなくなったとき、リサイクルするのです

この信念に基づいて、ゼロ・ウェイストの生活を送る人や都市もあります。サンフランシスコは堆肥化生ゴミ回収の義務づけや、古着をおもちゃや断熱材やカーペットに再生するゼロ・ウェイストの繊維製品イニシアチブなどのプログラムを利用して、2030年までにゼロ・ウェイスト型都市となることを目指しています。しかしゼロ・ウェイストの生活は想像以上に難しく、しかもその原因は意外な理由です。(出所:パタゴニアブログ) 

 

www.patagonia.jp

 

 今朝も早起きしてまだ夜が明けぬうちに、気になっていたパタゴニアのブログを読んでそんなことを感じた。

 

 今までの経済のしくみが成り立たなくなるとの予感がするんです。

 

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ダムだけではない! 水力発電は再エネで一番エネルギー効率がいい

 

 学生時代に電源開発(J-power)という会社で日雇い技術者としてアルバイトしていた。発電関係、水力発電やダムに興味を持つようになった。「地図に残る仕事」という言葉に強く魅力を感じた。大学進学時に土木系の学部に行くことも真剣に考えたが、メカトロ系を選択した。それでも、大学時代もダム関係のアルバイトは続けていた。 

 ダムのことを考えると、環境問題が頭をよぎる。かつての八ッ場ダム、長崎の石木ダムと環境問題や様々の問題がダムのまわりで巻き起こる。台風19号の時は、緊急放流の問題が発生した。 

this.kiji.is

「ダム女子」が現われて、ダムの有用性をアピールして欲しいなんて期待したりもした。 

 

 

 

複雑な思い、巨大なアーチ式の黒部ダム

 黒部ダム、堤高186m、日本最大級のアーチ式コンクリートダム。そのスケールに圧倒される。黒部ダムの歴史を振り返ると、よくもあんな場所に巨大建造物を作ったかと驚愕する。 

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 もし黒部ダムがなければ、黒部川、上の廊下、下の廊下はどんな景観だったのだろうか。ダムができることで、水平歩道が作られた。それはそれでよかったと思うけど。黒部ダムのことを思うと複雑な気持ちになる。

  人工物がないときの自然、できた後の自然と便利さ、誰もが雄大な景色を楽しむことができるようになった。

 

ロックフィルダムに魅せられて

 アルバイト先でロックフィルの高瀬ダムの写真を見せてもらい、その美しさにうっとりしてしまった。それがダムに興味を持つきっかけかもしれない。こんなダムがあるんだと。

 具体的な内容はわからなかったけど、高瀬ダム関連の仕事と聞いて喜んでやった記憶がある。高瀬ダムは、黒部ダムに次ぎ日本第二位の高さ・176メートルを誇る巨大なロックフィルダム(出所:Wikipedia

 ちょうどその頃、新田次郎の「孤高の人」を読み、あの加藤文太郎が亡くなったのも高瀬川のほとりと知っていたことの影響かもしれない。一度行ってみたいと思うが、願いを叶えられずにいる。 

f:id:dsupplying:20191124103657j:plain写真出所:Wikipedia 高瀬ダム Photographed by Qurren (talk), with IXY Digital 10 compact digital camera. - https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4983109による

 

 ダムにはそれぞれ利用目的がある。利水、治水、発電など。高瀬ダムは発電目的で作られたそうだ。高瀬ダムができることで出現したダム湖には通称はなく、高瀬ダム調整湖と呼ばれる。この湖は、ダム湖百選に選ばれているそうだ。  

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 ダム関連のアルバイトをしたおかげで、色いろなダムの名前を覚えた。かなりマイナーなものも数多くあると思う。旅先で自分が関わったダムに出会えると嬉しくもなり、感動したりする。

 

長崎の石木ダム問題、問われれば「反対」かな。

 アウトドアメーカのパタゴニアが建設反対と表明しているのが長崎の石木ダム。最近はダムへの風当たりが強い。環境負荷、環境破壊という負の側面ばかりに目が向く。ダムのことが好きだったといっても、こうした問題を避けては通れない。

 意見を求められれば、悩むけど、やはり「反対」という声を上げると思う。環境負荷や生態系のことを思うと反対に傾斜する。  

www.nishinippon.co.jp

 

 

気候変動 化石燃料から自然エネルギー

 地球温暖化の影響と思られる気候変動が世界各地で頻発するようになった。世界の多くの人々がこの状況に危機感を持ち、脱化石燃料が叫ばれ、世界各地で再生可能エネルギーへの転換が加速している。アップル、グーグル、アマゾンなどグローバル企業も、太陽光発電設備の設置を進める。実際に、アップルは自社で使う電力をすべて再生可能エネルギーで賄うようになった。 

f:id:dsupplying:20191010085730j:plainアップルがシンガポールに設置を進める太陽光発電

 

 再生可能エネルギーとは、太陽光発電の他にも風力、地熱、バイオエネルギー、海洋と水力の6種類ある。化石燃料を燃やす火力発電に比べると、ダムの水力発電は環境にやさしいともいえるのだが....  

miraimedia.asahi.com

 

問題視される石炭火力発電

 9月の国連で、グテーレス国連事務総長は、「地球温暖化を1.5℃未満に食い止めるためには、2020年以降の石炭火力発電所の新設を禁止すべき」と訴えた。実際、石炭火力発電からのCO2排出量は他の発電方式より多い。世界が反対するのが良くわかる。

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各種電源別のライフサイクルCO₂排出量(出典:原子力・エネルギー図面集)


  アルバイトをして頃、石炭火力の仕事もあったことを思い出す。竹原石炭火力発電所から排出される石炭灰の一種フライアッシュの処理方法を研究していた。セメントに利用する方法も模索されたようだけど、CO2ばかりでなく、不要物も排出されるのが石炭火力発電。 

竹原火力発電所 | 火力発電所開放イベント開催予定 | J-POWER(電源開発株式会社)

 

 エネルギー変換効率に優れるのが水力発電

 水力発電は、水の位置エネルギーをすべてエネルギーに変換することができる。エネルギーの損失が水車の機械損失と発電機の損失だけという優れた発電方式。水力発電はダムのような大規模な施設を伴うというマイナスイメージがある。 

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(資料出所:関西電力ホームページ)

looop.club  


小規模水力発電で電気の地産地消

リゾートホテル「星のや軽井沢」には小規模な水力発電が3か所あり、施設内の電力の15%を賄っているという。大規模なダムを作らなくても、水力発電を利用できる好例だ。  

www.pref.nagano.lg.jp

  電気を大規模に発電して、大規模な送電網を築くことで、みなが電気を利用することができるようになった。

 台風15号の猛威で千葉で大規模停電が発生した。大規模送電が故に大きな被害となったように思う。送電網が途絶えてしまえば、電気を使うことができない。

 地域で利用できる分散型電源の必要性が高まっているのかもしれない。「星のや軽井沢」のように水力発電を利用したり、太陽光発電を利用するのもいいのかもしれない。

 

水力発電に注目も集まるが課題も多い

 国策もあるが、多数の企業が小水力発電の開発を始めている。発電できる場所が従来のダムのよう山間部だけでなく、都市まで広がりを見せ始めている。上水道を利用した水力発電も登場している。

  水の豊かな日本には多くの河川、小川が存在する。そうした場所で発電できる仕組みの開発が進むが、一方、水利用の権利の問題もあり、普及の壁にもなっている。 

www.sbbit.jp

  大規模なダムから、小さな水力発電へ。そんな動きが静かに始まっているようだ。

 

 「参考文書」

www.fepc.or.jp

www.kepco.co.jp