Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

若き指導者たち SONYに復活の兆し?

 

SONYが光を失ってから、どのくらいの時間が経過したのだろうか。

 

昨日の日経ビジネスの記事を読む限り、復活への兆しが見えてきたように見える。

 

business.nikkei.com

 

SONYの歴史を少し振り返ってみたいと思います。

 

 

光を失ったSONY

井深さん、盛田さんが存命のころのSONYは確かに光り輝いていた。

 

手がけたトランジスタラジオ、トリニトロンウォークマンなど新規事業が時代の波に乗り、花開き、SONYを一気に成長させた。

 

カリスマ経営者と稀有な開発者たち。彼らの努力でそれまでの世界になかったモノが生み出された。

 

花開く新規事業がある一方で、陳腐化、レガシー事業となる商品たちもある。

 

盛者必衰、成長企業はさけて通れない

 

世代交代、カリスマたちもどこで次の世代にバトンタッチしなければならない。

 

宴に酔った社員たち。たがの緩み

こうして没落はうまれるのかもしれない。

 

イノベーションを興した企業が、永遠にイノベーションを興し続けた事例はない。

 

発明とイノベーション

 SONYは、真空管トランジスタに置き換え、ラジオを小型化した。そして、音楽をいつでもどこでも聞けるようにした。SONYトランジスタを発明したわけではないが、実用化して、事業として成功させたイノベーションが生まれる瞬間だ。

そして、事業を成長させる人材を育てていく。

 

次なる挑戦者たち

イノベーションは次なる挑戦者を生む。挑戦者たちが関連技術を開発し、類似商品を出すことで、市場が活性化して大きく育った。

そんな新規事業もいつかは陳腐化しレガシーとなる。

新しいテクノロジーは、レガシーを改良して、自然発生的に生まれ続ける。

過去のイノベーターたちが、新たなイノベーターを生み、どこかで辛酸を舐める。

 

青二才、若造が中興の祖

SONYと同じように、過去、エジソンのGE、トーマスワトソンのIBMも辛酸を舐めてきた。急成長し、成熟した事業をいくつも抱え巨大化した100年企業が直面する経営危機。

IBMルイス・ガースナー、GEのジャック・ウエルチとジェフリー・イメルト。カリスマが残したDNAを復活させた中興の祖の登場。

IBMはソリューション企業に変わったが、ワトソンが育てたメインフレームは今でもIBMの屋台骨を支える事業だ。エジソンが生み出した数多くの家電は姿を消したけど、発電関連が現在のGEの中核をなしている。

 

一足飛びに変化は起きない。

事業者の責務と改革の同時進行の難しさがそこにある。SONYにはまだ中興の祖と呼べる経営者が誕生していない。

 

DELLやスタバもカリスマ経営者が身を引いたときから、危機が始まり、カリスマが戻らざるを得なくなった。

 

復活の兆しか?

SONYはここまで中核であったエレクトロニクス事業の再建、レガシー事業の処置で迷走していましたが、先代CEO平井さんのもとでようやく目処がたちはじめたように見えます。次のステップは創業者のDNAを復活させ、新陳代謝を興すこと。

 

SONYの設立趣意書には、「日本再建、文化向上に対する技術面、生産面よりの活発なる活動」、「国民生活に応用価値を有する優秀なるものの迅速なる製品、商品化」と書かれています。

 

外部への本格開放から9カ月。SSAPから新事業は生まれつつある。イベントと同日の7月3日、京セラとライオンと共同で、歯にブラシが当たると音楽が流れる子供の仕上げ磨き用歯ブラシ「Possi(ポッシ)」を発表した。ハブラシのヘッド部分に京セラの小型圧電セラミック素子を搭載。ブラシを歯に当てるとヘッド部分から歯に振動が伝わり音が出る仕組みを盛り込んだ。子供が嫌いな歯磨きの時間を楽しいものに変える商品だ。

「自分の子供の歯磨き嫌いを何とかしたい」という京セラの事業アイデアにライオンが賛同。ソニーが事業全体の構想をコーディネートすることで、開発開始から9カ月間で商品開発にメドを付けた。まずはインターネット上で資金を募る「クラウドファンディング」で資金を集めて商品化の是非を問う考えだ。

 SSAPには、外部開放によってこれまで約300件の応募があり、大企業やスタートアップ、大学など17の案件の支援を実施している。採択基準は「商品やサービスのアイデアの革新性。イノベーションが起こり得るかどうかを見ている」と小田島氏は話す。本格開放して9カ月だが、「手ごたえはある」と小田島氏は言う。(出所:日経ビジネス

 

 創業者がその時代を読み、未来を予想して生み出したイノベーション。中興の祖もまた同じようにして時代を読み、未来を予想した。

 

創業当時からの開発者が去り、若きSONYの指導者が、レガシーの呪縛から解き放たれ、創業者のDNAを復活させることができるか。

 

日経ビジネスの記事には、そんな彼らの情熱がみてとれるように感じました。

 

 

この先、先例であるIBMやGE復活についても紹介できればと思います。

 

 

出井さんでSONYが変わってしまったと囁かれますが、今にしてみれば、それも必要なことであったのかもしれません。出井さんは、当時、改革に成功し始めていたGE(ジャック・ウエルチの時代)を模倣しているのではと揶揄されていました。

 

GE復活に道筋をつけたのはジャック・ウエルチ。その彼が後継に指名したのがイメルト。私にはこの2人がGE 中興の祖と思えます。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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