Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

業界を壊すアマゾンをキュレーションしてみる

 7/26の日経に、「アマゾン踊り場、純利益4%増 柱のクラウド競争激化」との記事があった。日経新聞もなんでこんなタイトルのつけ方をするのかと感じて、アマゾン関連の最新情報をキュレーションしてみました。

 

 こうしてまとめてみると、アマゾンに死角はあるのか..... 

 

主力のネット通販事業は、米国で翌日配送の地域を広げたため費用が先行して膨らんでいる。米小売り最大手ウォルマートとの競争も激しく、全体を押し下げた。

全体の売上高は20%増の634億400万ドルだった。うち半分を占める直営のネット通販事業は、14%増の310億5300万ドルで、事前の市場予想(10%)を上回った。米国で会員制サービス「プライム」の利用者に、無料で翌日配送する地域を拡大した効果だ。

 ただ、翌日配送のために、従業員に加えて在庫も増やしたため4~6月だけで8億ドルを超す追加費用が発生した。クラウドサービスを除いたネット通販などの北米事業の営業利益をみると、15%減の15億6400万ドル。全体の営業利益も、30億8400万ドルと3%の増加にとどまった。

配送サービスを巡っては、ウォルマートも店舗とインターネットを組み合わせた当日受け取りに力を入れている。翌日配送について「海外でも順次拡大する」と述べ、7~9月期以降も関連費用が増えるとの見通しを示した。

クラウドサービス「AWS」部門の売上高は37%増の83億8100万ドル。営業利益は29%増の21億2100万ドルで、営業利益全体の7割近くを稼いだ。人工知能(AI)を使ったデータ解析などの需要が伸びた。

クラウドサービスは利幅が大きく、米マイクロソフトなどIT(情報技術)大手との顧客の奪い合いが激しい。増収増益のペースが維持できるかどうかが焦点となる。

アマゾンは7~9月期の売上高が660億~700億ドルになるとの予想を示した。前年同期からの伸び率は17~24%で、1年前の伸び率である29%は下回る見通しだ。 出典:7/26 日経新聞 

www.nikkei.com

  

 

広告関連

同じ日7.26の日経新聞、グーグル広告の敵はアマゾン。

同じ日に決算を発表したアマゾンは約30億ドルの広告事業を4~6月期に計上。額はまだ小さいものの伸び率は前年同期比で37%とグーグルを大きく上回った。アマゾンは検索広告の開発部門を本社があるシアトルではなくシリコンバレーに置くなど、人材の獲得でもグーグルを侵食している。(出典:7/26 日経新聞 

www.nikkei.com

 

消費者行動の変化が、アマゾン広告の伸びに

 アマゾンに出品した経験がありますが、アマゾン広告は出品者側の立場から見ても、低料金で使い勝手よかったとの印象があります。

 広告支出の流れにこうした変化が起きている背景には、消費者行動の変化がある。グーグルはオンライン検索全般で長らく支配的な地位を占めている。だが54%の消費者は買いたい商品についてアマゾンで直接検索しており、この割合は2015年の46%から急上昇している。調査会社ジャンプショットが1億台のデバイスから情報を収集して分析した。 (出典:4/5 WSJ

 

jp.wsj.com

 

アマゾンプライベートブランド

 アマゾンのPB商品をご存じでしょうか。

Amazonの分析と情報を専門とするTJIリサーチ(TJI Research)によると、Amazon限定ブランドの数は2018年に爆発的に増え、いまでは434の限定ブランドが取り扱われている。2017年末時点の2倍以上に増えており、Amazonが販売しているプライベートブランド(TJIリサーチによると138個)と比べても2倍を超えている。 (出典:4/15 DIGIDAY)

digiday.jp

 

スキンケア商品も。

アマゾンはもはやいうまでもなく、「ネット通販」という分野を超えた世界一の小売業であり、すべてのカテゴリーでユーザーの購買行動を把握・分析できる圧倒的強みをもつ。たとえるなら、学術書とエイジングケア美容液、洗濯ばさみを同時に買うことができるチャネルはアマゾン以外にはない。アマゾンにとってのPBブランドとは、年齢、性別、国や地域の異なるユーザーが各カテゴリーで求めるものの「標準」を探る、一種のローカライズの試みなのではないだろうか。 (出典:7/24 BeautyTech.jp)

beautytech.jp

 

ラストワンマイル

 ECにとって、ラストワンマイルは大きな課題。

商品配達ネットワークを世界中に構築してきたAmazonですが、荷物をユーザーに直接届ける最後の行程であるラストワンマイルをいかに自動化するかは大きな問題です。ドローンでの配達なども研究するAmazonですが、現実的な解決策としてクーラーボックス大の6輪配達ロボット「Scout」で、ラストワンマイル問題解消に乗り出すことになったようです。

(出典:1/24 Gigazine

gigazine.net

 

 アマゾンにはこんな動きもある。

アマゾンが、この分野で起業する従業員に対して立ち上げ資金を提供すると申し出た。ただし条件があり、まずはアマゾンでの仕事を辞めなければならないという。

(出典:5/17 WIRED)

wired.jp

 古い記事だが、こんなことも、

Amazon Keyは、家にいないときでも、配達員が玄関ドアを解錠して家の中に荷物を届けるサービスです。利用には、対応するスマートキーとクラウドカメラが必要。これらがセットになった「Amazon Key Home Kit」は250ドル(約2万5000円)で、一旦購入してしまえば、あとは追加料金なしで利用できます。 (出典:2017.10.26 engadget) 

japanese.engadget.com

 

クラウドサービス

 アマゾンの収益源であるクラウドサービス、競合の動きに変化も、

Amazonは市場のほぼ33%をコントロールし、Microsoftはほぼ16%。アナリストによって数字に若干の違いはあるが、AWSのマーケットシェアはMicrosoftのほぼ倍である。しかし現時点では、2位以下の中でシェアが2桁の企業はMicrosoftだけだ。

両社の成長率の低下は、単純に大数の法則かもしれない。つまり、この2社のように大きくなりすぎると、成長市場においてもかつてのような高い成長率を長期的に維持することが困難になる。 (出典:7/26 Techcrunch)

jp.techcrunch.com

 

 AWSに対抗する動きも、

クラウドを使いたいが、「Amazon Web ServicesAWS)」は使いたくない――。米アマゾン・ドット・コムAmazon.com)と競合する流通業界で、米マイクロソフトMicrosoft)と戦略提携する例が増えている。様々な業界で高まるアマゾンの脅威が、クラウド分野で競合の追い風となっている。 (出典:1/23 日経XTECH)

tech.nikkeibp.co.jp

 

アマゾン業績

 創業以来成長を続けるアマゾン、どこまで成長していくのだろうか

www.garbagenews.net

 

ジェフベゾス氏のインタビュー

少し古い記事ですが、この内容からすると、今までのアマゾンの行動に符合しているように思えます。

www.zentail.com

 

アマゾン脅威論

アマゾンはどの業界に属する企業なのでしょうか。

一般的に見えれば、世界最大のECサイトかもしれないが、製造メーカでもあり、物流業でもあるかもしれない。

ある記事では、時代の遺物コングロマリットが、シリコンバレー風にドレスアップした、それがアマゾンだと。

 

これら企業がサービスやモノ、イノベーション(技術革新)を新しい刺激的な方法で提供してくれることはわれわれにとって好ましいことかもしれないが、一方でわれわれはいずれ自問自答しなくてはならなくなるだろう。国そして文明社会として、どれほど多くの力をごく一部の企業の手に集中させることをよしとするのかと。

既に34万人強の従業員を抱えるアマゾンが、米国最大の雇用主となった未来を想像してみてほしい。われわれ全員が基本的にはアマゾンの店で買い物をし、自宅に帰ればアマゾンのストリーミングコンテンツを視聴している様子を想像してみてほしい。アマゾン・ニュース・ネットワークが配信する最新の​ニュースでは新たに結成された北米連合の大統領​となった​ジェフ・ベゾス氏が​笑顔で登場している――。もちろん、これは冗談だが、完全に冗談だとは言い切れない。 (出典:2017.6/19 WSJ 

jp.wsj.com

newspicks.com

 

 

 

 

 Amazon.comが登場したとき、その名前に興味を感じことを思い出します。

 

ベゾスは、社名を変更するにあたって、辞書を引いて言葉を探した。ベゾスが「アマゾン」という単語を選び出したのは、それが「エキゾチックで変わった」場所であり、自身のインターネット事業のイメージに合致していたためだった。加えて、アルファベット順に並べられた場合に一番上に現れる、「A」から始まる名称が好ましいという事情もあった。さらに、アマゾン川は世界最大の河川であり、ベゾスの計画もまた、自らのオンラインストアを世界最大の商店にすることだった。 (出典:Wikipedia) 

 

  もう20年以上前のドットコムバブルのさなかに誕生したAmazon.comが、今では世界最大級のECサイトに成長し、そればかりでなく、新たな分野に果敢に挑戦を続けています。

 創業からしばらくの間、赤字を続けていた企業が、ここまでに成長すると誰がその時に想像できたでしょうか。

かなり以前にアマゾンのビジネスモデルを調査したときに、見つけたのが、この「Virtuous Cycle」でした。いたってシンプルなモデルです。

 

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 出典:Zentail

 

 合理性に基づく徹底的な効率性の追求による低コストの実現がアマゾンの本質ということでしょうか。あくまで顧客の利便性を追求し、最高の顧客体験を提供する。アマゾンの目はそこだけに向けられていて、競合など存在しないと言わんばかりとも思えます。アマゾンのコングロマリット化は必然であって、それを目的化せず、あくまで結果であるかのようにも思えます。

 

 ルイス・ガースナーは、著作「巨象も踊る」のなかで、ドットコムバブルがはじける前にこんなことを言っていました。

 「たしかに面白い企業があり、一、二社はいずれ黒字化するだろう。だが、嵐の前の蛍だと思っている。一斉に騒ぎ出し、光を放っている。嵐が起きるのは、本物の地殻変動が起きるのは、既存の多数の企業が世界的なコンピューター・ネットワークと通信インフラの力を利用するようになり、自己変革するときだ。 これこそ真の革命と言える」と。

 アマゾンもドットコムバブルの時に誕生したIT企業、そして、今も。

  

 アマゾンの牙城を崩せるものがあるとすれば、ガースナーが言う通り、多数の企業がIT技術を身に纏い、真に顧客体験の向上に取り組んだときなのかもしれない。

  

巨象も踊る

巨象も踊る

 

 

 

折を見て、アマゾン関連の情報をアップしていきたいと思います。ユーザーの立場やアマゾンに出品していた経験からの情報をアップできればと思います。

 

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 最後までお読みいただきありがとうございます。