スタバのコーヒーはちょっと苦手という人がいるかもしれない。
私は、もうすっかりスタバに魅了されてしまい10年以上の時間が経つ。
海外から帰任して大﨑勤務になった。毎朝1杯のコーヒーをどこで買おうかと思ったとき、何気げなくスタバを選んだ。特に理由はなかった。勤務していたシンガポールで、何度かスタバにいったことがあったから、そのくらいの理由だった。
お店の雰囲気と笑顔がいいなと思って、毎朝行くことが習慣になった。ある時、バリスタに、「ケニア、美味しいですよね。私、ケニア大好きなんです。」と声をかけられて、お店のファンになったのかもしれない。コーヒー豆の種類や味の違いに興味を持ち始めたのもそれがきっかけにだったかもしれない。
勤務地が変わっても毎朝スタバにいく習慣は変えなかった。お店が大﨑から町田になった。だけど、不思議に、またバリスタとすぐに言葉を交わすようになっていた。町田のお店からほんとうに色々なことを教えてもらったし思い出もたくさんある。
「環境にやさしいから、マイタンブラーに替えたら」
「スタバのCEOの本がいいから読んでみたら」とか、
たくさんのサジェスチョンやコーヒー豆のこと、スタバの環境活動のことも教えてもらった。
スターバックス再生物語から学んだこと
バリスタに勧められて読んだ『スターバックス再生物語』はほんとうに心に突き刺さった。町田のお店で経験していたことがそのまま書かれているように思え、完全にスタバのファンになってしまった。
カップ一杯のコーヒーを楽しむだけで、 人々とつながり、コミュニティを築くことができる力に魅了された
- 作者: ハワード・シュルツ,ジョアンヌ・ゴードン,月沢李歌子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/04/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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シェアード・プラネット
コミュニティ、環境保全、倫理的調達という持続可能性、緑、オーガニック、再利用、再目的化、地域、コミュニティ。そして、もちろん、コーヒー。これらがスターバックスの新店舗デザインの合言葉になった。
未来を見ると、そして、とくに皆さんを見ると、皆さんが公正な対価を確実に手にできるようにしなければならないと、これまで以上に大きな責任を感じます。最後に、わたしたちは皆さんの頼れるパートナーであり、皆さんとご家族を支援するためにできるだけのことをすると約束します。
こんな言葉が本には散りばめられている。これらの言葉が私にフェアトレードや環境の大切を教えてくれた。そして、今の自分がある。
スタバのサスティナビリティ
プラ製ストローの全廃
世界的なストロー廃止の動きにあわせ、スタバもプラ製ストローの全廃に動いたことは記憶に新しい。脱プラから見えれば、まだ完璧な解決ではないとの指摘もあるようだが、最初の1歩を踏み出したことに意義がある。そうした批判家たちにもスタバが適切に対処している事例をBBCは報道した。
紙カップのリサイクル、コンポスト化へ向けて
スタバは、紙カップについても新たな取り組みを始めている。それも、競合かもしれないマクドナルドと連携しての動きだ。環境意識が高い都市が選ばれての試験運用、この中に日本の都市が含まれないことを残念に思う。
スターバックスは、来年にかけてニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、バンクーバー、ロンドンで再利用およびコンポスト(堆肥化)可能なコーヒーカップを試験導入することを発表した。容器にプラスチックの代わりとなる繊維や紙を使用し、それぞれの地域の環境に合わせて提供する予定だ。
サーキュラーエコノミーへの投資ファンドであるClosed Loop Partnersとスターバックス、マクドナルドらが主導する業界横断型イニシアチブのNext Gen Consortiumは、飲食業界におけるシングルユースのパッケージ削減に取り組んでいる。新たなカップには、Next Gen Consortiumが主催するオープンイノベーションコンテスト「NextGen Cup Challenge」から生まれた技術を活用する。(出所:IDEAS FOR GOOD)
スタバのWebページ
”Social Impact”というページがある。サスティナビリティやダイバーシティについてのページだ。スタバに惹かれるのは、こうしたポジティブな言葉と、それを行動で示しているところかもしれない。そして、もうひとつ、このページが日本独自の活動になっていることも。スターバックスは地域の大切さも説いているのだから。
Social Impact
私たちは信じています。スターバックスは日本に、そして世界に、前向きな変化を起こすことができるということを。お客様、パートナー、私たちに関わるすべての人たちと一緒に、サポーターとして、イノベーターとして、リーダーとして、社会により良い影響をもたらし続けます。ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから。
スターバックスUSのページも良くできているので紹介!
スターバックスとネスレの提携
このニュースを聞いたときにたいへん驚いた。オフィスターゲットでは、競合関係にもある両社なので、まさか提携するとは想像していなかった。互いに弱いところを強化できるという目論見があるのであろう。
スターバックスUS発行のプレスリリースを見ると、コーヒー豆の調達におけるシナジーを狙ったことが書かれていた。
スターバックスのコーヒー豆調達には、高いサステナビリティ調達基準が課されており、同社が購入するほぼ全ての豆は、環境や生産者の人権に配慮されているため、ネスレがスターバックス管理の豆を入手できる意義は大きい。
スターバックス・ブランドのコーヒー豆は、99%以上が高い環境・社会基準で調達されている。フェアトレードのコーヒー豆の世界最大の購入者は、スターバックス。 (出所:サスティナブルジャパン)
競合する同業のビッグプレーヤー同士が手を組む意図の一つとして、コーヒーをサステナブルな農業製品にすることが挙げられる。両社は、世界中の顧客に「最高のコーヒー」をもたらすための革新と市場戦略について緊密に協力していく。この「最高のコーヒー」の基準が、消費者の価値観と共に変わりつつある。よりエシカルでサステナブルなことが、良いコーヒーの条件の一つに数えられるようになったのだ。
コーヒーをエシカルでサステナブルにすることで、地球環境や生産者はもちろん、品質の良いコーヒーを飲める消費者もより幸せになる。今回の提携は、そのような効果があると読み取ることも出来ないだろうか。(出所:IDEAS FOR GOOD)
デジタルネットワーク
スタバは、サードプレイスとなる店舗で成功し、第4の場となるバーチャルな世界でお客様とのつながりをより確かなものにした。今まで紹介したサスティナブルな活動もすべてWebページやSNSでみることができる。スターバックス再生物語にこんな文章がある。
お客様のための専用チャネルとなるデジタルネットワークをつくれば、インターネットのバーチャルな世界と店舗の物理的世界と店舗がある地域社会とをさらにつなぐことができる。
イノベーションとは商品を見直すことではなく、関係について考え直すことだ。スターバックスのお客様と店舗でつながりをつくるのと、ネット上でつながりをつくるのは互いに相容れないものではない。店舗とバーチャルの世界を共存させる方法を探るのは、点と点を結びつけることである。
ひとつの大きなきっかけに
スターバックスとのつきあいがもう10年以上になる。シンガポールから帰任したとき、スターバックスを選んで、ほんとうによかったと思う。
朝、一杯のコーヒーをマイタンブラーで飲むことで、ゼロウェイストにつながり、フェアトレードのコーヒーでエシカルな消費になり、スターバックスアプリやカードで支払うことで東北支援にも参加できる。バリスタたちからの誘いがあったから、こういうことに参加することができるようになった。そして、Webページやアプリもそれを助けてくれている。たった一杯のコーヒーが素晴らしい顧客体験へ誘ってくれる。
こういうことが他のお店や会社でも少しずつ増えればと思い、このブログを書いている。
論語にこんな言葉がある。
『先ず行なう。その言やしかる後にこれに従う。』
まず、実行。その説明は実行のあとだとの意味だ。Dimanodにこんな記事があった。
そのような啓蒙効果により、少なくとも世界中の飲食チェーンでプラスチック容器の利用は縮小していくだろう。それがプラスチックごみによる海洋汚染を止める、1つの大きなきっかけになることこそが、重要なのである。そして読者もお気づきの通り、これはあくまできっかけに過ぎない。海洋を汚染しているプラスチックごみのうち、ストローなどはごく一部である。
スターバックスでいちばん感動したことを上げると、町田のお店で見た風景。
バリスタたちが仕事が始まる前、終わったあとに、お店でひとりのお客になって勉強する姿をみたとき。
「何勉強しているの?」
「コーヒー豆のこととか、色いろ新しい情報がいっぱいあるんで。」
バリスタが心底楽しんで仕事していることに感動した。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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