Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

こだわりを売る。プロダクト・ファーストが新しいらしい

 

 先人たちが築いてきた大量生産・大量消費のおかげで、私たちは豊かさを享受した。その一方で、この消費・経済活動は、いくつもの社会課題を生み出してしまった。その実例が気候変動、温暖化、ごみ問題など様々な環境問題だ。今までの経済のしくみを根底から覆すことができれば、この問題を根本的に解決できるのかもしれない。それは不可能なことだし、拙速な行為は逆に私たちの暮らしに悪影響を与えるかもしれない。

 地球環境にやさしい小さな行動を、日々の暮らし、仕事のなかで一つひとつ積み重ね、仲間を増やしていくことが問題の解決を早めることなのだろう。例えば、よりエシカルに作られた商品を使ってみるとか。急がば回れ‼ ですね。

 

 

 販売、マーケティングにおける進化は止まらない。 D2Cというトレンドが起きている。今注目なのが、プロダクト・ファーストという考え。こだわりの商品だからこそ、ストーリー性があり、消費者に訴えかけることができる。

 何らかの課題を解決したいというこだわりが、ストーリーになり、商品の独自性につながる。その実例を雑誌Forbesが紹介している。エシカル消費につながりそう2件をピックアップする。

 日本でもここ1年ほどで大きな注目を集めるようになったD2C(Direct to Consumer)というビジネスモデル。もともとはアメリカで2000年台後半に生まれた概念で、生産工程から販売までを一気通貫で行うことによって良質な商品を適正価格で届けるという仕組みに、ECやデータ活用などのテクノロジーを掛け合わせた、ブランド運営の新しい手法のひとつだ。(出所:Forbes) 

forbesjapan.com

 10YC(テンワイシー)“10年着続けたいと思える服”

 大量生産・大量消費を支えてきたサプライチェーンに疑問をもち、「10年着続けたいと思える服」を提案するのが10YC。ユニークなのが、原価を開示、生産工場も開示していること。10YCのECサイトで確認することができる。

大量生産・大量消費の大手アパレルの生産工程を見て「何のために洋服を作っているのか」と疑問を感じた下田が“10年着続けたいと思える服”をコンセプトに始めたブランドだ。メイン商材のカットソーは6000円から。

 これまでのサプライチェーンでは、大手アパレルからの大量発注こそ大きな売り上げにつながるため、洋服の生産工場からは歓迎される。一方で、D2Cブランドのような規模の小さいブランドに対して親身になってくれる工場は多くない。それでも下田は挑み続けた。(出所:Forbes)

10yc.jp

高い技術を持ちながらも価格が高いことから受注が減り、厳しい環境にある生産者の現状を目の当たりにしたテンワイシーは、セールを前提とした価格設定や高い値引率での叩き売りなど「"本当の価格"を分からなくした現在のアパレル業界が大きな原因」と考え、新ブランドを立ち上げた。この現状を打開するため、「売る」ことだけを考えるのではなく、消費者が本来楽しむべき「着る」こと、生産者が本来楽しむべき「作る」ことの2つに特化した製品作りに取り組んでいるという。

www.fashionsnap.com

 販売価格は、工場との直接取引により省いた中間コストを商品に投資し、従来のアパレルブランドの原価率25%前後に対してテンワイシーでは50%程度まで引き上げる。ECサイトでは各商品の販売価格に加えて生地や裁断・縫製、付属、製品染めといった各商品にかかったコストや、同じ製品コストで販売をした場合の従来の価格を記載。また、生産に携わった工場も公開しているほか、サイト上には各工場の特集ぺージを掲載し、作り手の想いや商品のストーリーを発信している。  (出所:Fashion Press) 

 

 

ミニマル チョコレート

 Minimalの意味は必要最小限。そんなことにこだわって作られたのがビーントゥーバーチョコレート。素材の味を最大限に生かしているという。

 ミニマル(Minimal)は、日本のビーントゥーバー(Bean to Bar)チョコレートブランド。世界中のカカオ農園に社員が直接足を運び、クオリティの高いカカオ豆を選別・仕入れ、自社工房でカカオ豆から板チョコレートができるまでの全工程(選別・焙煎・摩砕・調合・成形)を管理し、製造するビーントゥーバー チョコレートの専門店。カカオ豆の個性を活かし、カカオ豆本来の味わいや香りの表現に徹底的にこだわっている。

 ブランド名の「Minimal」の由来は、最小限の素材だけでつくる「引き算」の製法から来ている。素材の味を最大限に活かした美味しいチョコレートを追求し、チョコレートの最小限であるカカオにこだわるという思いを込めて、「最小限」を意味する英語「Minimal」をブランド名とした。 (出所:Fashion Press)

www.fashion-press.net

Minimal Flight M-06(ミニマル)チョコレート 6枚セット
 

mini-mal.tokyo

ストーリーを伝えられるのも“デジタル”あってこそ

 今こうしてこのことが書けるのもネットがあるから。ネットで買い物するときに、「環境って、大切だよね」って気づいてもらえることができれば、そんなお店が増えていけば、環境意識の変化が生まれ、育まれていくのではないだろうか。

SNSの普及によって、商品の背景にある『なぜ』を伝えられるようになりました。だからこそ、プロダクトの背景にはストーリーやイシュー(課題)は欠かせません。また、伝えるという観点ではイシューがプロダクトや創業者と合致しているかどうかも重要。創業者自身が一番の消費者であって、創業者とプロダクト、顧客が1本につながっているブランドは強いです」

「機能面だけならアマゾンやECモールで買う方が絶対に便利です。独自性を持つD2Cブランドだからこそ、ここでしかない価値を作ることが必要。無味無臭の購買ではなく、ECサイトでも温度感のある対応ができるかどうか。消費者がブランドのサイトに求めているのは“温度感”だと思います」。(出所:Forbes)

forbesjapan.com

 

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