平成が始まったその年の11月9日 ベルリンの壁が崩壊した。それから30年が経った。そして、今日11月10日は徳仁天皇の即位を祝う祝賀パレード「祝賀御列の儀」が行われる。
今振り返れば、1989年はひとつの時代の区切りだったように思う。ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終焉に向かった。日本では、昭和天皇が崩御し、平成に変わった。その年の暮れには日経平均株価は史上最高値を記録した。ティム・バーナーズ・リーがWorldWideWebを考案したのもちょうどその頃だった。
それから30年、経済のグローバル化が一気に進み、インターネットが登場、ITという新たな産業が萌芽し、トーマス・フリードマンが言うように世界はフラット化するかに見えた。誰もが平等に機会を得てフラット化するようにみえたが、取り残される人や国もあった。フリードマンは、「中間層」の崩壊の危機を訴えていたが、それ以上に大きな問題が起きている。
フラット化する世界 経済の大転換と人間の未来〔普及版〕(合本)
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世界は良くなっているとファクトフルネスは指摘する。たしかに経済は拡大し、多くの問題が解消に向かうように見えるが、一方で、「不平等」、「不寛容」など課題も顕在化した。「効率化」と「利便性」の飽くなき追求は、地球環境の犠牲の上に成り立ち、「気候危機」が新たな問題となった。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
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インターネットはこの30年で急速に普及した。幼少期からインターネットに慣れ親しむデジタルネイティブのミレニアム世代やZ世代が成長し、時代の主役になり、世界はまた変化を始めているように見える。グレタ・トゥンベリさんらによる気候ストライキ、香港の若者たちによるデモなど、そうした世代が世界の窮状を訴えている。
この30年間、日本はガラパゴス化して世界から取り残されてしまったかのように見える。少子高齢化やそれにまつわる様々な課題が浮き彫りになってきた。いくつもの大きな災害を経験し、今までに見たことのないような被害を目の当たりにした。
時代は、平成から令和へ。次の30年間は、今ある「不平等」や「不寛容」という課題を乗り越えていく30年であって欲しいし、「気候危機」の解決が新たな経済の仕組みに変わることになればと思う。
ミレニアム世代やZ世代が、これからの時代のリーダーになる。老いた常識から新たな価値観へ。紡ぐべき伝統と取捨選択される慣習。そろそろリーダーがバトンタッチする時期なのかもしれない。そんな節目な年になればいい。
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