Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

生分解性以外にも石灰石、プラスチック新素材開発が地球環境を救う⁉

 

 コーヒーチェーンのブルーボトルコーヒーが「ブルーボトル エコカップ」の発売を始めた。 

 土の中で分解可能で、バンブーファイバー(竹の繊維)、コーンスターチアミノ酸由来の樹脂などからできているという。このカップは、「Ecoee Cup」とのコラボによって実現している。  

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 ブルーボトルコーヒーはこの他にも、店内で使用するアイス用カップ、ストローにも植物由来で微生物による分解が可能なバイオプラスチックを採用している。 

セブンカフェ用のストローにカネカの生分解性プラスチックPHBHが採用され、生分解性を有するプラスチックの採用が拡大しはじめているようだ。

 

 

 

 国内化学大手の三菱ケミカルは、タイPTT MCC社と次世代のカップ作りでコラボする。このカップが、米スターバックス他にて設立された「NextGen Consortium」で表彰された。

PTT MCC社の紙コップに生分解性プラスチック「BioPBS™」をラミネートし、その再生可能性や生分解性が評価されたのが表彰の理由だと三菱ケミカルは発表している。

 

三菱ケミカルの生分解性プラスチック「BioPBS™」を用いた紙コップが「NextGen Cup」に選定(三菱ケミカル)

 

www.nextgenconsortium.com

 

 三菱ケミカル生分解性プラスチックは、ストローとして京急グループ施設やワシントンホテルで採用され、コーヒーカプセルの材料にも採用されているという。 

 使用済みのコーヒーカプセルには水分を含んだコーヒーがらが含まれており、プラスチック容器としてのリサイクルが困難です。しかし、生分解性のあるBioPBS™複合材を容器として用いれば、使用後にカプセルごと回収し、コンポスト処理 によって環境負荷を最小にして処理することが可能となります。(出所:三菱ケミカル

 この他にもコムデギャルソンのショッピングバックなどに採用される。

 

植物由来の生分解性樹脂「BioPBS™」(三菱ケミカル)

 

 三菱ケミカル生分解性プラスチックの生産能力は年間2万トン、カネカの10倍程度の生産能力を有する。 

 

 

 

 生分解性プラスチックの普及が進む一方で、石灰石を原料とするプラスチックも登場している。

紳士服のはるやまが、㈱TBMが開発した「Bio LIMEX Bag」を買い物袋に採用した。この他に、石井食品がおせち料理用のトレーに「LIMEX」を採用している。

 EUがストローやコップなど10品目の使い捨てプラスチック製品の使用が禁止する2021年を目指して、LIMEX製パッケージ(軟包材)を開発し、石井食品の主力製品である「おべんとクン ミートボール」をはじめとしたおべんとクンシリーズや「チキンハンバーグ」などのパッケージをLIMEX製へ切り替えることを目指します。(出所:PR Times

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prtimes.jp


TBMが開発する「LIMEX」に注目が集まり、多数の企業が投資する。

LIMEXの原料となる石灰石は、世界各地に豊富に埋蔵され、日本でも100%自給できる。 石油由来プラスチックの代替のひとつとして注目されることもわかる。

TBMは、Bioworks株式会社をグループ会社化し、生分解性LIMEXの開発を急ぐとも発表した。 

www.recruit.co.jp

 

 EUは域内で使い捨てのプラスチック包装を無くし、すべてを再利用、または素材としてリサイクルすることを目標とした。

 

日本でも、植物などを原料にした環境に優しいバイオ素材の利用を、2030年までに13年度の7万トンから約200万トンに拡大する目標が設定されたという。

 

 こうした背景もあり、化学メーカのみならず、ベンチャー企業などが新素材開発に凌ぎを削っているようだ。新素材が地球環境の悪化に歯止めをかけることに期待したい。

 

生分解性プラスチックスの利用拡大とともに、コンポスト処理が定着していくとよいのかもしれない。自然に還る、戻るということが理想的かなと思う。

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「関連文書」

dsupplying.hatenablog.comwww.nikkei.com 

 

 

「参考文書」

www.nikkei.com

prtimes.jp 

prtimes.jp

prtimes.jp