最近、多様性について触れられる記事が増えていると感じる。SDGsでも5番目の目標に「ジェンダーの平等を実現しよう」がある。こうした目標が設定されるということは、差別が根強く残っていることの表れでもあろう。
中学生の頃だったと思うが、幼いながらも差別問題を色々調べていたことがあった。その影響があってのことかはわからないが、多様性やインクルージョン関連の記事があると目を通すことが多い。Forbesのこの記事も気になった。
真に多様性のある社会とは
「LGBTだけでなく、高齢者や外国人などを含む多様性は、『全員』に関わる話ですよね。誰しも当事者になる可能性があります。だって、歳を取れば高齢者になるし、海外に行けば外国人になる。」(出所:Forbes)
当たり前のこと、それが現実でも、LGBT、高齢者、外国人、その単語ひとつひとつに焦点があたると、何故かそこから差別や多様性を否定しかねない言動なりが生まれる。
JALがLGBTチャーター便を飛ばしたこと、その経緯をForbesは紹介している。
「企業の不安は、正直、活動に対して反対されるお客さまもいるということなんです。」
こんにちは Tokyo! It’s wonderful to be back in Japan! 🇯🇵 #shotoniPhone by Koichi Mitsui pic.twitter.com/Kt5VlyA2VI
— Tim Cook (@tim_cook) 2019年12月8日
アップルのCEOはカミングアウトしたティムクック氏
アップルのティムクックCEOが来日した。そのクック氏は、2014年に、自身がゲイであることをカミングアウトした。
「若いころから、さまざまな差別を目にし、実際に体験もしてきました。そうした差別はどれも、多数派とは異なる人々をおそれる気持ちに根ざすものでした」とクック氏は語っていた。(出所:HUFFPOST)
2011年にジョブズが次のCEOにクック氏を指名したとき、ジョブズがこのことを知っていたかどうかはわからない。そのクック氏がCEOになってから、アップルは世界一の企業に成長した。
手記によれば、クック氏は同性愛者であるおかげで、鋭い社会的視点が得られたという。
同性愛者であるがゆえに、マイノリティであることの意味をより深く理解し、別のマイノリティに属する人々が、日々どのような困難にぶつかっているかを知ることができた。
そのおかげで、人の気持ちを思いやれるようになり、人生がより豊かなものになっている。ときにつらく、居心地の悪い思いをすることもあったが、あるがままに自らの道を歩み、逆境や偏見を克服する自信も得られた。
サイのように厚くて丈夫な表皮も身についたが、AppleのCEOを務めるうえでは、それはとても役に立つ。 (出所:HUFFPOST)
クック氏がCEOになってからのアップルが開催するイベントは多様性が意識されているという。今年9月に開催されたイベントの登壇もそうであったようだ。あらゆる人種が登壇し、男女比にも配慮しているようだった。
What a treat to reunite with Masako san and Hikari san, some of our imaginative developers who prove that no matter your age, coding opens up new opportunities to follow your dreams! Wonderful to see you at Apple Omotesando! pic.twitter.com/YAr4M6jSXw
— Tim Cook (@tim_cook) 2019年12月8日
クック氏がこうして人々と交流する姿は、ごく自然に見え、素敵だ。
コルベア:最近ゲイだってカミングアウトしましたよね。なぜ僕がこんな質問をしているかというと、アラバマという土地柄、性的指向の影響でつらい想いをしたんじゃないかと思うんですよね。その経験から、世界中で同じような苦しみを持って生きてる人たちを救おうと思ったのでは?
クック:はいそのとおりです。実は、私は毎日、出勤してデスクに飾ってあるロバート・ケネディの写真とキング牧師の写真を観て、自分に尋ねるんです。
「人生でもっとも永続的で、しかも緊急の問いかけは、他人のために、今あなたは何をしているか?である」というキング牧師の言葉を。そして、クリアになったんです。
学校で差別されたり、いじめられてる子、なかには自分の親からも見捨てられたリしている子たちも少なくありません。そういう人たちに対して何かしなければと思いました。
私自身を分析したときに、自分の価値以上に誰かに何かできる影響力があることに気づきました。私は皆に真実を伝えたかったんです。その義務を感じたんです。 (出所:GIZMODO)
アップル 多様性に配慮した絵文字を発表
アップルは7月に新しい絵文字を発表した。
カップルや恋人を表すのによく使われる手をつないだ2人の絵文字は肌の色が違う同性同士を選べるようにして多様性に配慮した。(出所:SankeiBiz)
クック氏からの直接に指示があるのか、それとも多様性という文化が真に根差しているのかわからない。でも、こうしたことが出来るということは少なくとも多様性に対して偏見がないということではなかろうか。
世界一の企業は、こうしたことにも誰よりも積極的に取り組んでいる。
「参考文書」