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東京都が「気候危機行動宣言」 「ゼロエミッション東京戦略」を公表

 

  12月27日、東京都の小池知事が記者会見にて、「気候危機行動宣言」を表明した。

 危機感を訴えるのでなく、次にどうするかという方策につなげるためには「行動」が必要であることより、「気候危機行動宣言」、Declaration of Tokyo's Climate Crisis Mobilizationとしたと説明した。

気候変動の問題に立ち向かうために、危機感を表明して訴えるというだけではありません。そこに「行動」がないと、ただ危機を認識するだけではだめ、危機を宣言するだけでは、次どうするかという方策につながっていかないということで、東京は「気候非常事態」、Climate Emergencyとの表現を超えて、気候危機に立ち向かう行動をより強く表明するために、「気候危機行動宣言」、Declaration of Tokyo's Climate Crisis Mobilizationと、ちょっと長くなりますけれども、気候危機を強く認識して具体的な対策を講じるとともに、全ての都民に共感と行動を呼びかけていくというものであります (出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

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(資料出所:東京都ホームページ

 

 

27日の記者会見で、小池知事が説明した「ゼロエミッション東京戦略」の策定についての主な内容は以下となる。

気候危機への認識

 今年発生した激甚災害を事例にし、「気候変動、危機」というのは私たちの身近な問題であるとしたうえで、「パラダイムシフト」の時期を迎えていると説明した。

今年も、やはり災害が激しかったですし、あの豪雨、一体どうなるかと多くの方が心配されました。また、各地での停電なども、今も様々な爪痕を残しているということで、甚大な被害など、気候変動、危機というのは私たちの身近な問題であって、また世界全体が歴史的な転換点、いわゆる「パラダイムシフト」の時期を迎えていると、このように肌感覚でもわかるわけであります。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

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(資料出所:東京都ホームページ

 

戦略のコンセプト 化石燃料から脱炭素エネルギーへ

 この戦略では、「資源利用に伴う都外のCO2削減への貢献」、「省エネ・再エネの拡大施策」など、6つの分野と14の施策を体系化し、2050年をゴールとして、そのためのロードマップを示しものであると説明、今後10年間の取組が極めて重要と指摘し、10年後の2030年に向けまして17の主要目標を設定して、それを上回るような具体的な取組となると説明した。

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(資料出所:東京都ホームページ

 

ゼロエミッション 再生可能エネルギーの基幹電源化

 まだ具体的なものが見えないが、「ゼロエミッション東京の表現には、化石燃料から脱炭素エネルギーへの転換は不可欠でありまして、戦略では再生可能エネルギーの基幹電源化に加えて、再エネ由来のCO2フリー水素を本格活用する」と説明した。

ゼロエミッション東京の表現には、化石燃料から脱炭素エネルギーへの転換は不可欠でありまして、戦略では再生可能エネルギーの基幹電源化に加えて、再エネ由来のCO2フリー水素を本格活用する、それによって脱炭素社会実現の柱にしていくというものであります。水素は大量、そして長期間のエネルギー貯蔵ができます。再エネ電力の大量導入時の調整力であったり、熱エネルギーの脱炭素化に向けて重要な鍵となると考えております。2050年に向けて様々な分野でのCO2フリー水素の活用を目指していこうというものであります。

(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

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(資料出所:東京都ホームページ

 

ゼロエミッション東京の実現に向けて

ゼロエミッション東京」の重点的な対策を必要とする分野として、「気候変動適応方針」、「プラスチック削減プログラム」、「ZEV(ゼロエミッション・ビークル)普及プログラム」の策定をセットで行うとした。 

 

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(資料出所:東京都ホームページ

 

 会見の最後小池知事は以下の言葉で締めくくった。

多様な主体と力を合わせて、これは一大プロジェクトでありますけれども、これは世界的な競争でもあります。都民の生命と財産を守るという一番基本のところ、そして企業や投資家からも選ばれ続ける、魅力あふれる都市東京を構築していきたいと考えております。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

 

 

 また、記者との質疑応答では以下のような発言もあった。

若手職員がまとめる、「こういう東京があったらいいよね」

まず、都としてのイニシアチブでありますけれども、私も国政において、幾つか、大臣職なども務めたわけであります。それらを全部まとめて明確な大きなビジョンを示すというときは、まさしく国を挙げてやらなければならないのは言うまでもありません。今回は、都を挙げてまとめたものでございまして、若手職員の皆さんが意見交換もしながら、こういう東京があったらいいよねというようなことでみんな、環境も含めてまとめてもらいました。
また、今、夢、希望、ぜひそのようなことが必要だと思うし、私もいつも言うのですけれども、お正月の書き初め大会で一番書かれるの希望という言葉だとも聞いております。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

 

東京であるからこその「気候危機行動宣言」

ゼロエミッションなどは、各都市が、今、世界のニューヨークや、パリなど、大都市がこぞって危機宣言を行っています。日本でも長崎の壱岐、鎌倉なども危機宣言をされておられるわけであります。東京はむしろその宣言の後のことをどうするかということで、行動という一番重要な部分に的を当てた政策、今回の宣言にまとめさせていただいたということであります。
これからも環境については、大消費地であることを考えると、大きく東京が姿勢を明確に打ち出すというのは必要なことだと、その責任も感じながら、ぜひ実現していけるように、皆様にもご協力をお願いしたいと思っております。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

 

 

 会見の冒頭では、「気候危機行動宣言」に先立ち、 「『未来の東京』戦略ビジョン」の策定についての説明があった。説明に先立ち、小池知事が話した主な内容は以下。

 歴史的な転換点

 たしかドローンで品物を飛ばしたり、イーロン・マスクあたりは土管で物を運ぼうとしていますので、うそという社会ではもうなくなっていることがたくさん書いてあって、荒唐無稽とも思えるようなアイデアでも、人の英知や情熱や努力を注ぎ込めば、実現できるということを、ある意味歴史が証明している1つではないかと思います。大胆な未来の展望こそが未来を切り開いていくということかと思います。そこで、この令和元年、どういう状況に私たちはあるかというと、まさしく歴史的な転換点に直面していると思います。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

 

 DX デジタルトランスフォーメーションでスマート東京の実現

そういうことを認識した上で、こうした時代を切り開いて荒波を乗り越えるために、4つの基本戦略を掲げています。まず、バックキャストの視点で将来を展望するということ。それから、民間企業などの多様な主体と協働、ともに働いて政策を推進していこうということ。デジタルトランスフォーメーション、DXと呼んでいますが、それでスマート東京を実現すること。時代や状況の変化に弾力的にアジャイルしていくこと。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

 

所感

  東京都が「ゼロエミッション東京戦略」を公表した。施策など仔細ことは確認できていないが、「気候危機行動宣言」したことは歓迎されることではないであろうか。多くの自治体が東京を先例として、勇気をもって「気候変動」に対応していく、そんな日本になって欲しい。

これまでの行政というのはフォーキャストといいまして、これまではこうだったから今度はこうしましょうというような、過去からの積み上げで前例踏襲主義、これは行政とすれば確実でもあるけれども、今の世の中にどうですか。逆に、逆算する方が必要ではないですかということが、まずバックキャストであります。
それから、アジャイルという言葉は、よくこれもIT関係でも使われる言葉ではあるのですけれども、常に改善している状態とか、より良いものに常に改善を重ねていくということで、昔から三全総とか、四全総とか国土計画などがあって、そういう中で、もう世の中のことは大きく変わっているのに、そのまま決めたからといってやっているような、それではだめで、必要なときに必要に応じて、より良い行政のために変えるべきものは変えていくという、そういう姿勢のことを言います。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ)

 
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「参考文書」

www.metro.tokyo.jp