Up Cycle Circular’s diary

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アパレル【ゼロ・ウェイスト】を進める企業は何が違うのか

 

 アパレル【ゼロ・ウェイスト認証】というのがある。運営するのは、徳島県上勝町にある「ゼロ・ウェイストアカデミー」というNPO法人だ。そのゼロ・ウェイストアカデミーは、洋服のサブスクサービス「メチャカリ」を運営するストライプインターナショナルを、パタゴニアに続いてゼロ・ウェイスト認証とした。

 

ゼロ・ウェイスト認証制度とは、出てきた廃棄物をどう処理するかではなく、そもそもごみを生み出さないようにしようとする「ゼロ・ウェイスト(ごみや無駄をなくす)」活動に取り組む事業所を認証する制度。


 ストライプによれば、「ごみ箱ゼロチャレンジ」を実施し、全従業員8,446人でごみの徹底分別と可視化、減らすための取り組みなどを通した人材育成や資源化に関する取り組みが評価されたという。それ以外にも、工場の残糸や残布や廃棄予定の服の生地を活用したリサイクルの観点も評価された。

 

stripe-intl.com

 

「社会問題を服の力で解決したい」という想い

 昨年5月、ストライプはショッピングバッグを有料化したという。その中で、3%のお客様が拒否反応を示したそうだ。そうしたお客様に、ストライプは大胆な対応をとったようだ。

 

自己中心的で地球環境を考えないお客様は、我々のステークホルダーから外れてもらっていい

 

 石川社長は、事業で社会課題を解決することがすごく大事だという。

企業の目的は「ソリューション」だといい、創業時から、ビジネスで地域や社会の問題解決にどう貢献できるのかを考え、”いいことをしよう”「Do good」という概念を大事にしてきたという。

Do Goodとは、「ビジネスグッド」「ソーシャルグッド」「ローカルグッド」ということらしい。

 

 その時、理解いただけなかったお客様にも、事業を通して理解いただくようその姿勢を示していくということであろうか。実際、ショッピングバッグ代20円は、岡山大学海洋汚水研究所と組んで、瀬戸内海の海洋汚水研究を行なうプロジェクトの資金に活用するという。

 

 

 

 国際規格ISOが企業文化を育む?

 ストライプは、2008年3月、国際認証規格ISO9001を取得している。この他にもISO26000を採用している。

 

ISOとは

 一貫した製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させるための品質マネジメントシステムがISO9001で、製品やサービスの品質を継続的に改善することが求められる。 

 ISO26000は認証規格ではないが、 企業や組織が「社会的に責任ある方法」で運営できる方法に関する基準を示す。

 

 ストライプのCSRレポートにはこんな記載がある。

 社会情勢や事業領域などを考慮し、ISO26000が掲げる 7 つの中核主題に沿って重点的に取り組むテーマとして定めたのが、サプライチェーンにおける「人権」「雇用、人材育成・教育を含む労働慣行」「環境対応」の 3 つです。事業活動全体で、社会や環境に与える影響を把握し、生産現場からお客様に商品が届くまで、人権、労働環境、環境問題との関わり・影響を踏まえた CSR 活動を行っていくことを目指しています。

 

 ISOは、会社トップはもとより従業員からバリューチェーンすべてが関わる組織の「仕組み」に関わる。

 パーパスに向け行動しようとするとき、継続的なISO活動が、そうした行いを企業文化に昇華させていくのだろうか。

 ストライプが大切にする「Do Good」は 「ビジネスグッド」「ソーシャルグッド」「ローカルグッド」ということ。

 エシカルSDGsにも通じることが理解できる。

 

大量生産・廃棄を繰り返すアパレル業界

 石川社長は、アパレルはサステナビリティエシカルとは真逆の業種だという。業界での問題は過剰在庫、百貨店で販売しているようなアパレルブランドは平均値で約50%を廃棄しているという。

 ストライプでは、エシカルという概念を、オーガニックコットンを使うとか、脱プラスチックでとらえず、在庫の削減や服の廃棄率の低減などを含める。

 そのために、AIで売上を予測することを始めたという。AIで仕入が適正になれば、結果在庫は削減できる。昨年上期ではAIの予測通り利益も2倍になったという。それに加えて、仕入が適正化したことで、製造現場の負担を減らせることができたともいう。そればかりでなく、副次効果として、物流コストや、輸送にかかる二酸化炭素の量も減らせる。こうした努力で、ストライプは廃棄率を毎年0.2%程度と業界が驚く数字で達成している。

 

 

「メチャカリ」 サブスク型のファッションレンタルサービス

 石川社長は、メルカリを始めた理由をこう説明している。

大学3年生が教育実習の時期に入るとアルバイトができなくなります。そういう子たちも視野に入れて、「メチャカリ」というサブスクリプション型のファッションレンタルサービスを立ち上げました。

月額5800円で服借り放題のサービスです。大学4年生から社会人になるとき、結婚するときなどのライフステージが変わるときにその場に合った服も必要になります。そういうときに、メチャカリが生きてきます。

 


ファッションサブスクリプション - メチャカリ

 

 

 顧客の要求に応えて、製品やサービスを継続的に改善する。そうして顧客体験が向上していく。ストライプが掲げた「Do good」の精神が、「ロイヤルカスタマー」を育てる。

 

「Do good」は近江商人の「三方よし」にもつながる、と石川社長は言っていた。

 

 

【2020.3.9 追記】

社員、ブランドのファンを大切にしたいと思えば、取るべき行動がはずである。

 

senken.co.jp

 

 【2020.3.7 追記】

代表取締役社長辞任と取締役異動に関するお知らせ(ストライプ プレスリリース)

 

www.wwdjapan.com

www.asahi.com

【2020.3.6 追記】

www.stripe-intl.com

www.fashionsnap.com

www.asahi.com

【2020.3.5 追記】

朝日新聞の報道に対するストライプからのプレスリリース

本日(3月5日)、弊社代表取締役社長 石川康晴に関する一部報道がございました。
2018年12月13日に開催された弊社臨時査問会では、石川によるセクハラの事実は認められず、
処分はありませんでした。
今後とも、弊社として、コンプライアンスの徹底に努めてまいります。

www.stripe-intl.com

 

www.wwdjapan.com

 

朝日新聞の以下報道を追記。

ライプインターナショナル(岡山市)の石川康晴社長(49)が複数の女性社員やスタッフへのセクハラ行為をしたとして、2018年12月に同社で臨時査問会が開かれ、厳重注意を受けていたことが分かった。

関係者への取材によると、査問会後、石川氏は食事に誘ったりホテルに行ったりした事実について認め、陳謝したという。石川氏への処分はなく、厳重注意となったという。査問会の出席者の1人は朝日新聞の取材に、石川氏への厳重注意について「その通り」と語った。

 朝日新聞の取材に、ストライプ社は「石川(社長)のセクハラに関する処分はありませんでした。(査問会の)審議の内容については開示致しかねます。弊社としてはセクハラ防止を含め、コンプライアンス確保に真摯(しんし)に取り組んでおります」(広報部)などと回答した。

(出所:朝日新聞デジタル

 

www.asahi.com

 

「関連ページ」

zwa.jp

 

 

「参考文書」

stripe-intl.com

www.fashionsnap.com

www.alterna.co.jp

alternas.jp