Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

米スタバ 新たなサステナビリティ・コミットメントを発表

 

 米スターバックスが、新たなサステナビリティについてのコミットメント「Starbucks new sustainability commitment」を発表した。スターバックスの創立50周年となる2021年3月までに正式に目標を発表する予定だという。今回はそれに向けた5つの環境戦略と公式目標のベースとなる非公式な目標が発表された。公式ではないが、「CO2排出や廃棄物を50%削減する」と明記した。

 

2030年までに達成するとした非公式目標

1.ダイレクトオペレーションとサプライチェーンでの二酸化炭素排出量を50%削減

2.ダイレクトオペレーションとコーヒー生産に使用される水を節約、その水量の50%を水リスクの高い地域と流域に供給できるようにする。 

3.サーキュラー・エコノミーへの移行により、店舗や製造時に発生し、埋め立ち地に捨てられる廃棄物を50%削減する。エレンマッカーサー財団の「ニュープラスチックスエコノミーグローバルコミットメント」に参加、容器を循環利用する野心的な目標を設定する。

 

 

5つの環境戦略

1. 植物ベースのオプションを増やし、より環境に優しいメニューに移行する。

2. 使い捨てから再利用可能なパッケージに移行する。

3. 自らのサプライチェーンで、革新的で再生的な農業慣行、再植林、森林保全、水補給に投資する。

4. 店舗とコミュニティで、よりベターな廃棄​​物管理、リユース、リサイクル、食品廃棄物の削減に投資する。

5. 私たちは、より環境に優しい店舗、運営、製造、配送を革新するための開発を行なう。

 

A message from Starbucks ceo Kevin Johnson: Starbucks new sustainability commitment January 21, 2020 - Starbucks Stories
A LETTER TO OUR STARBUCKS PARTNERS, CUSTOMERS AND ALL STAKEHOLDERS:

 

 

「ニュープラスチックスエコノミー・グローバルコミットメント」とは

 英エレンマッカーサー財団と国連環境計画(UNEP)が協力して、「ニュープラスチックエコノミー・グローバルコミットメント」を、2018年10月にスタートさせた。企業、政府、NGO、大学、業界団体、投資家、およびその他の組織が参加、署名する。利害関係者がビジョンと目標を共有する。

 

A VISION OF A CIRCULAR ECONOMY FOR PLASTIC

 「プラスチックをごみにしない」をビジョンに掲げ、そのために、6つの重要なポイントを示す。

 

問題があり不要なプラスチック包装を、再設計、イノベーション、新しい物流モデルで排除することを優先事項とする

リユースモデルを推奨し、使い捨て容器を減らす
・すべてのプラスチック包装は、100%リユース可能、リサイクル可能、または堆肥化可能とする。

・すべてのプラスチック包装は、実際に再利用、リサイクル、または堆肥化されます

・プラスチックの使用は、限りある資源の消費との関係性を絶つ

・すべてのプラスチック包装には有害な化学物質が含まれておらず、関係するすべての人々の健康、安全、権利が尊重される。

 

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www.ellenmacarthurfoundation.org

  

 米CNBCによれば、2018年、スターバックスは1600万トンの温室効果ガスを排出し、10億立方メートルの水を使用し、868キロトンの廃棄物を排出したという。

 スターバックスは「2015年までに4分の1が再利用可能なカップを25%導入する目標を2008年に設定したが、その目標を達成できなかったという。 

 

www.cnbc.com

 

 なぜ、スターバックスはこのタイミングで、このコミットメントを発表したのだろうか。

 

 毎年恒例でスイスで開催される「ダボス会議」、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会が21日に始まった。地球温暖化問題がこれまでになくメインテーマにあがり、WEFによる年次リスク調査では、気候危機がサイバー攻撃やテロなどの項目を押しのけて最大のリスクに浮上したとブルームバーグが伝える。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 CNBCは、「ダボス会議」でグレタ・トゥンベリさんがスピーチした日に、スターバックスが発表したと報じた。

 

 

 

 これまで、スターバックスは、サステナビリティに積極的に取り組んできた。倫理的なコーヒー豆の調達やLEED認証の店舗に焦点を当て、「グリーンリテール」で環境面でのリーダーシップを強調していた。最近では、環境負荷の低減といい、ストローなどの使い捨てアイテムの削減を始めていた。しかし、2010年以降、スターバックスは、CDPに情報を開示しているにもかかわらず、温室効果ガス総排出量削減の明確な目標をまだ設定していなかったという。

(CDP:気候変動関連情報を企業から収集、機関投資家向けに開示している)

 

www.starbucks.co.jp

 

 世界的に「気候変動」に注目が集まり、ESG投資が加速する。機関投資家は「CDP」のレポートを参考にするという。こうした背景もあってのことだろうか。

 

 

 

 

 

 「関連文書」

www.newplasticseconomy.org

 

「参考文書」

Starbucks Commits to a Resource-Positive Future

 

Starbucks Eliminates Plastic Straws in Japan Beginning January 2020

 

STARBUCKS GLOBAL SOCIAL IMPACT REPORT 2018

 

スターバックスグローバルソーシャルインパクトパフォーマンス 2016

 

www.supplychaindive.com