Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

宣言内容はどうなるか 国会で「気候非常事態宣言」決議へ

 

 国会で、「気候非常事態宣言」を決議する方向で準備を進めているようだ。TBSは今国会で決議される見通しと伝える。

 『温暖化の原因として日本が世界から批判されている石炭火力の削減など、具体的な目標については決議に盛り込まれない見通し』とも報道する。

  地球規模の課題に国際協調して解決していこうとの姿勢が出ればと良いと思うが、なかなかそうできない事情でもあるのだろうか。

 

news.tbs.co.jp

 

 国際的に批判される石炭関連について少しばかり興味がわき、調べてみようと思った。

なぜ、そこまでに石炭にこだわるのであろうか?

消費者を敵に回してしまえば、どう足掻こうがいずれ衰退せざるを得ないのに。

 

 馴染みのあったJ-Powerと日本製鉄について調べてみた。J-Powerは石炭石炭火力発電を運営し、日本製鉄は石炭を大量に使う鉄鋼を営む。

 

 批判に対して対抗しようしているのではと、調べてみて感じる。

 

「今までこれだけ省エネにチャレンジしCO2を削減してきた。これからもCO2を削減していく、だから石炭を認めてくれ」

との文脈がみえてくる。政府答弁と同じと言えるかもしれない。

 

 だが、この2社とも、脱石炭を見据えて新技術の開発を進めている。J-Powerは石炭を原料に水素を製造し発電する実証を始めようとしている。これに加えてCO2の回収も計画する。

 日本製鉄も石炭フリーで鉄製造の新技術を開発する。こちらもCO2回収技術を長期計画にもりこみ事業化を目論むようだ。ただ、こうした主張は、環境計画の中に埋没し、中期事業計画には記載がない。いずれ石炭火力発電がなくなり、石炭なしで鉄が作れるようになる。まだ時期の「確定」が難しいのかもしれないが。

 

 

 プラスチックス業界もまた批判を受けやすい。

 先頃三菱ケミカルが長期ビジョンを発表した。やはり興味がわく。

 発表資料を確認することができた。

 今まで営業収益の7割以上を占めていた既存事業を10年後には3割まで縮小すると公表した。プラスチックス関連の製造を縮小しようということなのであろうか。

 まさか絵にかいた餅ではあるまい。可能性があるからこその公表であろう。

 

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(資料出所:三菱ケミカル Webページ

 

 

  石炭関連業界は、なぜこうしたことができないのだろうか。

 

 塩谷舞さんのTwitterの投稿が目にとまった。

 

組織ともなれば、「叶えたい世界」よりも「倒すべき敵」を置いたほうが、ずっとわかりやすい

 

 

 対立軸を作り、自己を正当化しているだけでは。そんなことを感じてしまう。

 

 「日本の電力を守る」「日本の鉄鋼を守る」のような極端な正義感が対立を生み、分断化を招いていないであろうか。

 

 企業自ら石炭をなくすという「叶えたい世界」を描き、そこに努力を続ける研究者や技術者がいる。そうしたことを潰してしまうような言動が少しばかり悲しくもなる。

 

 もう少し国際社会や関係者と対話して欲しいものだ。お互いに接点を見つけることは不可能なことなのだろうか。

 意見対立を中和させる特効薬が必要になっていると思えてならない。理解、共感しあうことが出来れば、互いに成長できることができるはずなのに。

 

 国会の「気候非常事態宣言」はどのような内容で決議されることになるのだろうか。

 

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