久々に腰を抜かすほどの驚きだった。
ソニーが自社開発した天然新素材「トリポーラス」をライセンス供与するという。
驚き満載のソニーの新商品だ。EV発表にもたまげたがそれ以上かもしれない。
水や空気を磨く新素材Triporous™(トリポーラス™)【ソニー公式】
- あのソニーがアパレルに進出⁉
- トリポーラスとは
- サーキュラーエコノミー ソニーの新たな「サステナビリティ」
- 世界遺産 平等院でトリポーラスの効果検証を開始
- 水中のウィルスを99%以上除去 広がる用途
- SONYらしさ
あのソニーがアパレルに進出⁉
『繊維商社のスタイレムは、ソニーが独自開発した素材「トリポーラ(TRIPOROUS)」を使用したウエア提案をスタートさせる。』
と、WWD Japanが伝えた。
トリポーラスとは
ソニーのWebページによれば、「トリポーラス」とは、米の籾殻から生まれた天然由来の多孔質カーボン素材で、独特の微細構造により、水や空気の浄化など幅広い応用が期待されるという。
驚きの内容とは
この「トリポーラス」は既に、ロートの男性用クレンジングウォッシュ製品でも利用され始めている。
トリポーラスとは、籾殻を使った天然素材。
籾殻を炭化し、その細胞間に多く蓄積するシリカをエッジングで取り除き、賦活処理(水蒸気による高温処理)を行うことで、3つの異なる大きさの孔かなる多孔質構造を作り出すという。
トリポーラスのベースとなる技術は、リチウムイオン電池の電極開発にまで遡る。ソニーは既にリチウムイオン電池から撤退してしまったが、その時の技術を活かした。
Triporous™(トリポーラス)には、2nmのマイクロ孔、2〜50nmのメソ孔、1μmのマクロ孔が複合して多く存在します。一方、従来の活性炭は、マイクロ孔を主体とした細孔が多く存在しています。そのため、トリポーラスは従来の活性炭で吸着しづらかった大きな有機分子やウイルスなどの大きな物質も容易に吸着。さらに、活性炭に比べ、優れた吸着スピードや高い薬剤担持量などの特性も有しています。(出所:ソニーWebページ)
サーキュラーエコノミー ソニーの新たな「サステナビリティ」
ソニーは、その「サスティナビリティ」を強調する。
籾殻は日本だけで年間約200万トン、世界中では年間約1億トン以上も排出され、この余剰バイオマスを活用することで、環境に配慮した循環型社会への実現に貢献するという。
廃棄されている籾殻を利用することで循環型社会を形成
1トンの籾殻から約100kgのトリポーラスが製造可能です。世界中で大量に廃棄されている籾殻をリサイクルすることにより、循環型社会やサーキュラーエコノミーを実現。 (出所:ソニーWebページ)

世界遺産 平等院でトリポーラスの効果検証を開始
ソニーは、進和テック株式会社と協働し、世界遺産の宇治平等院の文化財倉庫でのトリポーラスの空気浄化性能の検証を開始したと発表した。
米ソニーピクチャーズの美術館においては、トリポーラスが文化財の劣化の原因となる酸性ガスやアルデヒドガスを除去効果が確認できたという。
水中のウィルスを99%以上除去 広がる用途
ソニーは、トリポーラスの用途開発の実験を続けているようだ。
用途に合わせて形状や粒度を調製できるという素材の特徴活かし、水、空気などの環境浄化、ヘルスケア、そして、アパレルにも。
ソニーは大阪ガスケミカル、東京大学の古米弘明教授らとトリポーラスで水中のウイルス(MS2、直径27ナノメートル)を取り除く実験をした。するとウイルスの99%以上が除去され、トリポーラスが吸着したことを確認した。浄水用途のヤシ殻由来の活性炭はほとんど吸着できなかった。(出所:ニュースイッチ)
「途上国の無電化地域で水の浄化に使える」
とソニー知的財産センターの田畑誠一郎氏が語ったとニュースイッチが伝える。
(画像出所:ソニー「トリポーラス」Webページ)
水の浄化設備にトリポーラスが利用できるようになると、UVや薬品が不要になり、電気を必要としない簡易な浄化設備として運転できるようになるという。
安全な水を求める地域に、この簡易浄化装置を届けることはできないのだろうか。
それをBOPビジネスとして展開してもいいのかもしれない。そうすれば、SDGsが求める世界の実現につながっていく。
SONYらしさ
吉田CEOは、平井前CEOの「Mission/Vision/Values」を「Purpose & Values」に昇華させ、「存在意義」を明らかにした。
「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」
ソニーには、かつて「ソニースピリット」というものがあったが、いつしか閉鎖的になり、輝きも失った。そのソニーが「自由闊達さ」と「オープンさ」、そして、そのスピリットを取り戻したのかもしれない。
「ソニー・スピリット」
- どこもやらないことをやる
- 他人より1歩先んずる
- 最高の技術を開発する
- アイデアを磨く
- 世界を相手にする
トリポーラスがSONY復活の狼煙に思えてしまった。いや、日本企業ということかもしれない。
「関連文書」
「参考文書」
デ・オウ薬用クレンジングウォッシュシリーズ」がリニューアル!
世界初!吸着炭『トリポーラス™』(吸着剤:薬用炭)配合
