Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【SGDs】社会課題の解決は企業の力を

 

 すっかりとSDGsがメガトレンドになり、日本経済新聞までもが、『「SDGsは慈善事業」の大誤解 1千兆円市場広がる』との記事を出すようになった。

 

 記事タイトルに少しばかり違和感を感じる。また、利益至上主義を煽るようなことにならないだろうか。

 

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 冷戦終焉後、一気に進んだグローバリズムが、気候変動などの多くの社会課題を生み出してしまった。それら課題を国連がSDGsとして再定義してくれたと言っていいのかもしれない。

 

 

なぜ「社会課題」は生まれるのだろうか。

大量生産・大量消費、使い捨てを助長し、効率性を追求する行き過ぎた経済活動が、社会にひずみを生み出してきた。

低価格は、弱者から搾取することや、水や化石燃料を無尽蔵に使うことで成り立ったきた。その代償が今ある社会課題と言われるものではなかろうか。

 

「社会課題」を解決するのは企業活動

社会課題は、経済活動によって生み出されてきたのではなかろうか。もしそうであれば、それを解決できるのも、また経済活動でしかない。少しばかりソーシャルビジネスよりな対応が求められるのかもしれない。

 

ソーシャルビジネスとは

2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士はソーシャルビジネスを提唱し、「ソーシャルビジネスの7原則」を示した。


ソーシャル・ビジネスの目的は、

利益の最大化ではなく、

人々や社会を脅かす貧困、教育、健康、技術、環境といった問題を解決し、財務的、経済的な持続可能性を実現する。

 

 

 

国際貢献」だけがSDGsなのか

日本経済新聞は、アフリカの無電力地域でソーシャルビジネスを展開するWASSHAを事例にSDGsのビジネス性を説明する。

 

WASSHAの快進撃が象徴するのは、アフリカにおける再生可能エネルギーの普及や貧困の解消が、採算度外視の慈善事業ではなく有望なビジネスになったという事実だ。(出所:日本経済新聞

 

www.nikkei.com

 

さらに、日本経済新聞は、『19年11月にはダイキン工業がWASSHAの販売店網を活用して、ダイキンのエアコンを小規模店舗や一般家庭にサブスクリプション方式(定額制)で提供する事業を検証すると発表した。翌12月にはヤマハ発動機がWASSHAの店舗網への製品配送にヤマハ発動機二輪車を活用すると発表した』と指摘する。

 

WASSHAはアフリカの無電力地域に電力を届けた。アフリカに暮らす6億人がまだ電力を利用することができない。

さらにもっと多くの人に、電力を届けるためには資金が必要なのかもしれない。そこに手を貸すことは高貴なことかもしれないが。

 

社会貢献なのか、それとも社内問題なのか

 国内にも社会課題が多くある。アフリカほど酷い状況ではなかもしれないが、格差や差別問題は存在するし、過酷な労働もあった。

そうした問題は政策で解決されるべき問題なのであろうか。

政策や補助事業に頼るばかりでは問題解決はしない。

 

 

 

 積み上がる内部留保、自社株買い、それではいつまでたっても株主第一主義のままだ。今はステークホルダー資本主義に移行し、「三方よし」を知る日本企業に強みがあるとの指摘もある。

 

急速に進む今日の世界において、経済成長を促す為に重要なのは革新力です。

世界経済フォーラムの世界競争力レポート2019では、日本は141か国中6位に位置していますが、日本には果たすべき明確な課題がまだ多く残っています。(出所:世界経済フォーラム

 

「日本は、労働力の多様性を高め、技能格差を解消し、女性の参画を増やすよう尽力しなければなりません。そのためには、革新を促進し、ビジネスのダイナミズムを推進しつつも、高いリスク回避志向や柔軟性のない企業風土という課題の解決に真摯に取り組まなければなりません」と世界経済フォーラムは指摘する。

 

多様性や格差の解消、ジェンダー平等は、SDGsでも重要な目標に掲げられている。

 

jp.weforum.org

 

企業もまた人なり

 昨年はじめ、「ファクトフルネス」という本が人気を博した。この本では、「10の本能」が社会を歪めてしまう要因になっていると指摘していた。

ネガティブな情報、レアなケースに注目し過ぎて事実誤認をしてきたのではないであろうか。

  

jbpress.ismedia.jp

  

経済学者は、経済の合理性の論理をもって、社会現象を解明しようとする。経済活動する上でのロスは正しいと指摘する。一方、経済活動する企業家たちはロスをMin化し、効率化するために努力を続ける。 

  

『FACTFULNESS』で紹介される10の本能

1.分断本能 「世界は分断されている」という思い込み

2.ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み

3.直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み

4.恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み

5.過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み

6.パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み

7.宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

8.単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み

9.犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み

10.焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

 

diamond.jp

 

 日本資本主義の父 渋沢栄一が説く「論語と算盤」

渋沢栄一は、論語(道徳・モラル)と算盤(経済)は両立すると説く。

 

渋沢が説く「利潤と道徳の調和」とは、道徳をもとにした富が国や社会の持続性をもたらすとする。

道徳とは元来、普遍的なものであろう。本質的は変化しなくとも、その解釈は時代時代で変容するのかもしれない。

さて、現代の道徳・モラルとは何であろうか。

論語の中心的な教えに「仁」がある。慈しみの心、忠恕、利他の心、他者を理解する寛容さであろうか。「義」ばかりで、「仁」がなければ、何か、ぎすぎすとし温かみのない社会になってしまう。


スピードが問われる時代だからこそ、立ち止まってみる勇気も必要ではなかろうか。

人類の叡智について考えてみる。他者との協力、パートナーシップが今まで社会の課題を解決し、世界を進歩させてきた。

 

dsupplying.hatenadiary.jp

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

 

ideasforgood.jp

 

「参考文献」

www.ubs.com

grameen.jp