お料理を作ると、誰かを笑顔にできたり、その食卓を囲むことで団欒の時間が生まれたりする。食は、体を維持するだけでなく、そんな幸福な時間を私たちに与えてくれる。
その一方で、フードロスの問題があったり、飢餓という問題もある。そう思うと、もっと食を大切にしなければならないし、食べ残しは以ての外のことと思う。
「ご飯粒ひとつにも神様が宿る」
という言葉がある。
粗末にしない、食べ物をたいせつにいただくという感謝の気持ちにもつながっていく。
子供の頃、そんなことを母親から教えてもらいながら、大人になると、なかなか実践できなくなったりもしている。
私たちと接点のある店舗で発生する売れ残りが、フードロスになってしまうことは残念なことに思う。
「閉店まで品揃えを用意しておかないといけない」
という商習慣がフードロスを生む下地になのかもしれない。
AIを活用、正確な需給予測ができ、少しでも売れ残りが抑止できればと思うが、こうしたこともなかなか進まない。
欠品は販売ロスと決めつけず、終了間際の欠品はあって当たり前になれば、フードロスの削減に役立つかもしれない。そういうことが普通になれば、消費者も不平をいうことはなくなるだろう。
それでも、売れ残りはなくならないかもしれない。
フードシェアリングサービスで、こうした売れ残りを少しでも減り、売れ残りを買い喜んでくれる人がいるなら、「三方よし」なしくみになる。
フードシェアリングサービス「TABETE」を展開するコークッキングが、1月末に東京駅のエキナカ店舗で余ってしまった食品と就業後の駅で働く従業員約8,400名をマッチングする「レスキューデリ」の実証実験を行った。
この実証実験をITmediaビジネスオンラインが追跡レポートした。
取材日は2月7日、販売開始時刻の前から、売り場の従業員休憩室に集まっていたという。
パンを購入した女性に話を聞くと、普段は駅施設で働いており、社内の掲示でレスキューデリを知ったという。この日が2回目の利用。「今日は少なくて残念。いいものが安く食べられるのがうれしい。延長してやってほしい」と話していた (出所:ITmediaビジネスオンライン)
その日は売れ残りが少なかったこともあり、あっという間に完売。完売した後に来て、残念そうに引き返す人もいたそうだ。
「お店によっては、廃棄コストが月5万円減ったという声もある」
「営業終了直後に「TABETE」のスタッフが店舗を回って売れ残った商品を回収。その場で重さを量り、1キロ当たり300円で買い取り、従業員休憩室で販売する。パンやおにぎりなどは3個で300円、6個で500円。弁当は1個500円」とITmediaビジネスオンラインは「レスキューデリ」のしくみを紹介する。
フードシェアリングサービス < TABETE >とは
TABETE(タベテ) | 近くの飲食店でフードロスをお得にレスキュー
TABETE は廃棄の危機にある食事を手軽にレスキューできるWebプラットフォームです。 まだおいしく食べられるけれど、閉店時間や賞味期限などの理由からお店が捨てざるを得ない状況から、TABETEユーザーが食事を救い出すことができます。 (出所:TABETE Webページ)
日本には「お裾分け」との文化があった。
他人から貰った品物や利益の一部などを、さらに友人や知人などに分け与えること。 「すそ」とは着物の裾を指し、地面に近い末端の部分というところから転じて「つまらないもの」という意味がある。(出所:Weblio辞書)
父は趣味だった家庭菜園できる野菜を近隣の人たちにお裾分けしていた。母は、今でも、果物やお菓子の贈り物が届くと必ずお裾分けをする。
素敵な日本古来からの文化。そうした文化を守っていくことでも、捨てられる食品が少し減っていくような気がする。
お裾分けの文化が企業に根付くといいのかもしれない。
おいしくいただけるものをお裾分けする。「おいしく食べ、それでフードロスが減っていく」というのはいいことと思う。
「参考文書」