Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

悲しかったこと、うれしかったこと。

 

 米複合企業GE(ゼネラル・エレクトリック)の元CEOジャック・ウェルチが亡くなられた。ご冥福をお祈りします。

 

彼の名を知ったのはもう20年前のこと、さすがに記憶もあいまいになってきている。彼の著作を読んだのが先か、ある人の影響で本を買ったのかさえ、記憶に残っていない。

 20世紀最高の経営者と言われた人であったが、何故か身近な存在だった。彼がGEのCEOになる前に開発した「変性PPO ノリル」というプラスチックスを自社製品で使い、その調達で、色いろな出来事があったかもしれない。

 

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勤めていた電機会社では、一時、この「ノリル」を採用していたが、安定的に調達できないことを理由に使わなくなった。その後、GEから、再度の使用を求められるようになった。

この時、この素材を取り扱う商社のひとりの若者と出逢った。

就職氷河期世代であったのだろうか、北京にある大学を卒業後、シンガポール現地採用されていた。彼の熱意もあって、再び「ノリル」を使うことにした。その商社での取扱量が次第に増え、事業が終わる頃までには重量ベースでは一番多く扱う商社になった。

担当していた彼は、シンガポール現地採用から本社採用になり、その後、フィリピンにも駐在するようになった。

彼の情熱は報われたと思った。協力し合い、影響し合うことで、何かが成就するのかもしれない。

「感謝している」とよく彼からはそう言われ、嬉しく思ったものだった。

 

 

 

 少しばかりGEのうんちく。白熱灯を実用化したエジソンを開祖とするGE。エジソンが蓄音機や映写機を発明したことで、米国で映画産業が花開き、GEは一大家電メーカとして成長していく。やがて日本メーカの攻勢でGEの家電は凋落することになるが、ウエルチ氏のもとこの家電事業が整理され、コングロマリットの色彩を強めていく。リーマンショックで大きな影響を受け、ウエルチ氏の世界最高の経営者という称号にひびも入った時期があった。GEのプラスチックス事業は中東の石油系企業SABICに譲渡された。

医療機器、航空機のジェットエンジン、発電機などを主力して、現在も事業を展開するGE。グーグルのEU圏での再生可能エネルギー調達に協力する一方で、世界で問題視されている三菱商事が進めるベトナムの石炭火力発電所の設計・調達・建設を受注したのもGE。 

 
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ジャックがCEOを退任してから発刊された「わが経営」という本を読んだ。何度も再読した本のひとつだ。この本から、PFドラッカーの経営論理につながる手法なんかも学びもしたが、それよりも、「誠実さ」や「率直さ」という話に惹かれた。

ビジネスの根幹はあくまで「顧客への奉仕」であり「社会貢献」ということを学んだ。それがあってビジネスが成り立ち、これなくしてのビジネスはあり得ない。

こうしたことが企業文化として定着すると、卓越した企業として持続、成長できるということを知った。

 

 

 

読書が好きなほうなのかもしれない。人との出会いで読む本が変わてく。そのおかで、一貫性はあまりなく色々なジャンルの本を読んだ。読書談議で盛り上がり、様々に意見交換できるたりすることも楽しいものだ。

 中堅社員のときに、受けた研修で題材になった専門書が、今にして思えば、その後に大きく影響したのかもしれない。教えらたひとつに専門家になるのではなく、ゼネラリストになれと説かれた。ただのゼネラリストではなく、幅広く深い知見と1つの専門領域。知識の裾野を広げ深めろと教わった。その影響もあるかと思うが、気になる本に出会うと、そのジャンルを自分で納得できるまで読み漁り、ノートしたり、再読したりする。

今はあまりノートに書くことがなくなったが、こうしてブログに書くことがノートの代わりになっているのだろう。今まで読んできたことをもう少し体系的にまとめたいとの気持ちがある。専門家が書く文章はどこでも読むことはできるけど、少しばかり違ったアプローチでの文章があってもよいのではと思ったり。こうして書くことで、見知らなぬ誰かの何かの気づきになればと思ったりもしていた。

 

昨日、ある人のブログを読んで、そんなことを考えたりしていた。

そういえば、元GEのメンバーや商社の人とも音信不通になっている。お世話になったお返しができていない。そんなことも思い出せてくれた。

 

   

ethicalminimalist.hatenablog.com

 
 「影響を受け合う」という言葉が素敵だなと思った。

 何か共感できるものがあったり、新たな学びのきっかけになったり。

 

最近では思考停止なんて言葉をよく耳にする。

影響を受け合えば、何か新たな考えが萌芽したり、気づきもあったりする。

ありがたいことです。

 

 

「関連文書」

www.nikkei.com

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