米Timeが緒方貞子さんを1995年の「今年の人」に選び直した。
「小さな巨人」の愛称で知られる緒方さんは、手ごわい交渉人としての評判を得ていたという。UNHCRを率いる最初の女性である彼女は、3回再選された。国内避難民を含めるためにUNHCRの任務を大胆に変えた。彼女は在任期間の「激動の10年」と呼ばれる1990年代を通じて、アフガニスタンからバルカン半島、ルワンダに至るまでの危機を乗り越え、世界で最も脆弱な人々の保護に貢献したとTimeは説明する。
ある会食の席上で、「英雄とは」で、話がもりあがったことがある。
歴史上の人物で、英雄は誰かとなった。参加者のひとりが、「東郷平八郎」といった。日本海海戦を勝利に導いた連合艦隊司令長官だった人である。今も各地に東郷神社としてその名を残す。
理由を聞くと、「天寿をまっとうしたから」という。敵を作らずということであろうか。その論理に思わず納得してしまった。
尖った意見は人の心を魅了もするが、尖れば尖るほど反対論者が現れ、時として分断を招く。
中庸の徳が大切ということであろうか。
昨年、Time誌はグレタトゥンベリを「今年の人」に選んだ。少しばかり過激な言葉が話題にも上がった。
アクティビストが新たな時代の牽引役なのかもしれない。変化は往々にして、ゆっくりと進む。急激な変化は抵抗を生むことが多い。
貧困問題と環境問題をアートの力で変えようとアーティスト・長坂真護さんがドキュメンタリー映画『Still A Black Star』の製作費をクラウドファンディングCAMPFIREで募っている。
監督はエミー賞受賞歴のあるカーン・コンウィザー氏。想いに共感し、破格の金額で製作を引き受けた氏は、2019年8月に長坂さんとアグボグブロシーを訪問。53日にもわたる長期の撮影をハリウッド映画チームと過ごした長坂さんが、新しい文化施設の提供に挑んだ様子が映画化される。(出所:TABOLABO)
「資本主義における主要KPIを『経済性』から『社会インパクト』に変えてゆきたい。『社会性』は『経済性』すらも含有する最重要指標になるのでは」と語ったのは、長坂氏の知人でユーグレナの永田さん。
私たちは今、どんな想いに突き動かされて人生を歩んでいるだろうか?
そして、自分が携わる事業は、地球上の誰かや何かの犠牲の上で成り立っているものではないだろうか?
(出所:Industry Co-Creation)
地球温暖化を思えば、ヴィーガンやミニマル、そうした自身の生活信条を守りながら、社会と対話していくのがいいのかもしれない。
アップル スティーブジョブズは革命児だった。そのジョブズは病魔に襲われ、クック氏にバトンを渡した。クック氏はジョブズほどカリスマ性はないが、自身の信念にもとづいて世界を変えようとアップルのビジネスを通してやんわりと主張する。
自己表現する人に注目が集まりがちだ。人にはそれぞれ役割がある。自己表現が得意でなくても、できること、やれることはある。そんなことの積み重ねがあって、時代がすこしづつ変化を始める。
自然は時として天変地異を起こすが、決して飛躍はしない。
人間も自然という環境の一員である。
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