Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

サスティナビリティで結束する世界のファッションブランド、孤高のユニクロ

 

 危機的な状況になると人は結束を強くするのだろうか。

 昨年6月~7月にかけて、欧州を熱波が襲った。その年8月、フランスで開催されたG7サミットで、マクロン仏大統領の呼びかけでまとめられた「Fashion Pact(ファッション協定)」が紹介されたという。

 この「ファッション協定」には、多くの世界的ブランドやサプライヤー、小売業者が参加する。

 この協定に参加したプラダ会長のカルロ・マッツィ氏は、

「今後、これらの目標に向けて他の重要なファッション企業と協力し合えることは、誰も単独では成しえない持続可能な開発への明確な希望となるでしょう」と宣言した。

 

「Fashion Pact」の目標は、地球を守るための3つの重要分野の活動に重点を置くScience-Based Targets(SBT)イニシアチブに準拠しているという。

地球温暖化防止:現在から2100年までの間の地球温暖化を1.5°C未満に維持するため、2050年までに温室効果ガスのゼロエミッションを達成するアクションプランを作成して実施します。

生物多様性の回復:Science-Based Targetsを使用した目標を達成することにより、自然のエコシステムを回復し生物種を保護します。

海洋の保護:使い捨てプラスチックの使用を徐々に削減するなどの実現可能な活動により、世界の海洋に対するファッション産業のネガティブな影響を低減します。 (出所:プラダ

 

 

 

 マクロン大統領の要請で「ファッション協定」をまとめた、グッチなどを擁するケリングは、今年1月、「サステナビリティ活動に関する最初の進捗報告」をプレスリリースで公表した。 

• グループ全体の環境への影響は、2015年から2018年の間に環境損益計算(EP&L)の原単位で14%削減され、2025年までに40%削減するという目標の実現に向けて好調に推移

• グループの直接的な事業活動において、2015年から2018年の間に温室効果ガス(GHG)排出量を原単位で77%削減

• グループ全体の再生可能エネルギーの使用率は67%、少なくとも7か国で100%

ジュエリーや時計には、100%エシカルゴールドを調達

主要原材料のトレーサビリティは88%

 

ケリングのサステナビリティ戦略に、グッチなどのラグジュアリーブランドも従うという。この戦略は「透明性」と「科学」がベースになっているのであろうか。「職人技」と「科学」が融合することがユニークなことなのかもしれない。

 

「私たちは、法の責任範囲外の活動も含め、ケリングの事業活動が及ぼした影響について、透明性のある報告をすることに長年取り組んできました。サプライチェーン全体に対する高い目標を立て、サステナビリティに向けた進捗を記録することで、確実に気候変動対策と社会面の便益を進展させていることを確認することは欠かすことのできない取り組みです」

 と、 ケリングCEOのフランソワ=アンリ・ピノー氏はいう。

   

2017年 ケリングとLVMHが、「ファッションモデルのためのウェルビーイングに関する憲章」を共同策定。モデルのウェルビーイング、社会におけるイメージ、マイノリティに関する規則という3つの分野に注力するとした。

2019年5月 業界の慣行を改善し、ラグジュアリーとファッションのための動物福祉スタンダードを策定した

2019年までに20を超えるプログラムが開設、次世代の職人をサポートすることでラグジュアリーのノウハウとクラフツマンシップを守り続けるという。

 

「私たちは常に先を見越し、豊かで再生可能でかつ公平な未来を構築するため、私たちの業務に関わる人々をサポートし、生物多様性を含む地球の限界(プラネタリーバウンダリー)に適合した科学に基づいた目標を設定していきます。私たちは進捗や直面している課題について透明性のある定期的な報告を継続します」

 

www.kering.com

 

 

 今年2020年1月、ユニクロ、GUを有するファーストリテイリングが「ファッション業界気候行動憲章」に署名したと発表、「気候変動への対応」状況をホームページ上でアップデートした。

 

 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が推進する「ファッション業界気候行動憲章(Fashion Industry Charter for Climate Action)」に署名しました。同憲章は、地球の平均気温の上昇を産業革命前との比較で2℃よりもはるかに低く抑えるというパリ協定の目標を支持し、2030年までにサプライチェーンも含めた温室効果ガス排出量の合計30%を削減することなど、ファッション業界全体で連携して推進すべき取り組みを定めたものです。 (出所:ファーストリテイリング

 

www.fastretailing.com

 

ファーストリテイリングの新田幸弘疾呼役員は、「世界で深刻化する気候変動への対応は、全ての企業にとって最大にして喫緊の課題です。パリ協定に準拠したファッション業界気候行動憲章への署名により、世界中の企業やステークホルダーとの連携を加速し、持続可能な世界の実現に向けた業界横断の取り組みに参画していきます」とホームページ上でコメントする。

 

 ファーストリテイリングは、世界の動きから1年遅れで、UNFCCCの「ファッション業界気候行動憲章」に署名した。

 世界では、この他にも、ファッション、テキスタイルを対象とした国際イニシアティブがいくつも立ち上がり、気候変動や海洋の保護などに動き出している。

日本を代表するファッションメーカであるファーストリテイリングが、国内業界をリード、持続可能な世界の実現に向け、業界横断の取り組みを進めることはできないのだろうか。シェア争い、利益競争ばかりでなく、持続可能な業界を目指し協力し合う仕組みを必要になっているのではなかろうか。

 

 

 

「関連文書」

www.wwdjapan.com

dsupplying.hatenablog.com

 

 

「参考文書」

www.unic.or.jp

www.wwdjapan.com

www.wwdjapan.com

 

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