Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

自分のSDGsの原点なのかも アメリカで続く抗議デモで考えること

 

 米国ミネアポリスで発生した白人警察官が黒人をうつ伏せにさせ、ひざで首を押さえつけられる動画をみて衝撃を受けた。

 どうしてこんなことができてしまうのだろうかと。とても悲しかった。

 

 宇多田ヒカルさんのTwitterが目にとまった。「アメリカの黒人の歴史・現状を全く知らない人も、ある程度知っている人も、もっと知ろうとする機会になるといいな」という言葉に促されるように、ついつい調べてしまう。

 明確な記憶はないが、過去にも何度も人種差別に調べたことがある。表面をかじる程度ではあるが。そんな記憶を辿ってみる。

 

 

 首都ワシントンで大規模な抗議デモが続くという。これまでで最大規模となる数万人が参加しているという。

 ワシントン市長がホワイトハウス前の通りを「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)広場」に改名したとロイターが伝えた。

その通りには黄色の塗料で車道いっぱいにそのスローガンが描かれたという。通りを埋め尽くすほどに人々が集まったという。

 

「デモの参加者は差別への抗議を示して地面に片ひざをつくポーズをとったり、「正義がなければ平和はない」などと書かれたプラカードを掲げたりしながらホワイトハウスに向かって抗議の声をあげていました」とNHKは伝える。

 

jp.reuters.com

 

 

 

 キング牧師のことを思い出した。自分が生まれる前の話だ。1963年8月に「ワシントン大行進」があったという。人種差別や人種隔離の撤廃を求め20万人以上が参加、キング牧師があの有名な「私には夢がある」という「I have a  dream」の演説を行う。

 その演説の内容の和訳を読んで感動した記憶が残っている。

 

Martin Luther King, Jr. 「I Have a Dream」( American Rhetoric)

 

絶望の谷間でもがくことをやめよう

友よ、今日私は皆さんに言っておきたい。われわれは今日も明日も困難に直面するが、それでも私には夢がある。それは、アメリカの夢に深く根ざした夢である。

私には夢がある。

それは、いつの日か、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは、自明の真実であると考える」というこの国の信条を、真の意味で実現させるという夢である。

今日、私には夢がある。

私には夢がある。それは、いつの日か、あらゆる谷が高められ、あらゆる丘と山は低められ、でこぼこした所は平らにならされ、曲がった道がまっすぐにされ、そして神の栄光が啓示され、生きとし生けるものがその栄光を共に見ることになるという夢である。

これがわれわれの希望である。

この信念を抱いて、私は南部へ戻って行く。この信念があれば、われわれは、絶望の山から希望の石を切り出すことができ るだろう。この信念があれば、われわれは、この国の騒然たる不協和音を、兄弟愛の美しい交響曲に変えることができるだろう

この信念があれば、われわれ は、いつの日か自由になると信じて、共に働き、共に祈り、共に闘い、共に牢獄に入り、共に自由のために立ち上がることができるだろう。 (出所:American Center Japan)

 

americancenterjapan.com

 

 いつだったかテレビで、メキシコオリンピックでの200m走の表彰式の画像が映った。

「ブラックパワー・サリュート

という、拳を高く掲げ黒人差別に抗議する示威行為だった。そういことがあることを初めて知った。

 このときの金メダリストの言葉で、人種差別の根深さを知った。「ルーツ」というテレビドラマが放映されていた頃かもしれない。

 そのあとも、NFLNBAでもそうした示唆行動を見かけるようになった。

アメリカ国歌が演奏され、星条旗掲揚されている間中、スミス(200m走金メダリスト)とカーロス(200m走銅メダリスト)は、目線を下に外し、頭を垂れ、高々と握り拳を突き上げた。

会場の観客からはブーイングが巻き起こり、この時の様子は世界中のニュースで取り上げられた。 (出所:ブラックパワー・サリュート - Wikipedia

 

ja.wikipedia.org

 

 金メダリスト スミスの言葉は衝撃的だった。

もし私が勝利しただけなら、私はアメリカ黒人ではなく、ひとりのアメリカ人であるのです。

しかし、もし仮に私が何か悪いことをすれば、たちまち皆は私をニグロであると言い放つでしょう。

私たちは黒人であり、黒人であることに誇りを持っている。アメリカ黒人は(将来)私たちが今夜したことが何だったのかを理解することになるでしょう。」

 (出所:ブラックパワー・サリュート - Wikipedia

 

www.afpbb.com

 

 「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と喩えられた、元WBAWBC統一世界ヘビー級チャンピオン モハメド・アリのことを話題にするどこかのラジオ番組であった。

 アリが、イスラム教に改宗する前の名が「カシアス・クレイ」であったことを知った。そのことに興味を持ってアリのことを少しばかり調べてみた記憶がある。

 それまでのアリのイメージは、アントニオ猪木と「格闘技世界一決定戦」で戦い、あまり良いイメージがなかった。

 

www.huffingtonpost.jp

 

 アリが亡くなられたときに、オバマ大統領がアリのことを「最も偉大な人物だった。それ以外に表現のしようがない」といったという。

 記憶がだいぶ薄れているが、そのときも追悼の気持ちもあってか、アリの功績をもう一度確認したような記憶がある。

 

オバマ大統領はさらに続けた。「彼はかつてこう言った。“俺がアメリカだ。認めないかもしれないが俺は皆の味方だ。黒人で、自信家で、うぬぼれ屋の俺を受け入れてみろ。俺には俺の名前があり、宗教があり、目標がある。俺のやり方を受け入れろ"、と。私は成長するにつれ、アリの本来の姿を理解できるようになった。アリはリング上のファイターとしてだけでなく、世の中の正しいことのために闘った。彼は我々のために闘ったのだ」

「彼は厳しい時代の中、キング牧師ネルソン・マンデラらと共に行動を起こし、誰も言い出せなかったことを代弁した。

彼のリング外での闘いのせいでタイトルを剥奪され、世間的な立場を失ったこともあった。あらゆる方面に敵を作り、罵られ、刑務所送りにされそうにすらなった。

しかしアリは自分の信念を貫いた。

そして、我々が生きる今の自由なアメリカは彼の貢献による所が大きい」 (出所:RollingStone)

  

rollingstonejapan.com

 

 

 

  バンクシーが、蝋燭の火によって燃えるアメリカ国旗(星条旗)と、その下にある黒い人物の肖像の新作をインスタグラムで発表したという。その投稿には、テキストを残し、美術手帖は非常に珍しいことだと指摘する。

 

www.instagram.com

 

 バンクシーは新作に添えたコメントで「最初は黙ってこの問題について黒人の声に耳を傾けるべきだと思った」としたうえで、「でも、なぜ私はそうするのか? これは彼らの問題ではなく、私の問題なのに」と自問した。人種差別の構造を、集合住宅で水道管が壊れ、階下の部屋に水浸し被害が出ることにたとえながら、「有色人種の人たちは、システムのせいでつまずいている。それは白人のシステムだ。欠陥のあるシステムが彼らの生活を悲惨なものにしているが、それを直すのは彼らの仕事ではない。上の階の部屋には入れてもらえないからだ」とつづった。
 「もし白人がそれを直さないならば、誰かが上の階に来てドアを蹴飛ばさなければならないだろう」と結び、事件への抗議行動への支持を暗に表明している。 (出所:朝日新聞

 

digital.asahi.com

 

 大学生だった頃であろうか、島崎藤村の「破戒」を読んだ。ものすごく刺激を受けた。あらすじを書けるほどではないけど、「差別」について、考えされた記憶が残っている。

 主人公である丑松から「差別」される側のことを考えたのかもしれない。

 自分自身が、いじめられる側からいじめる側になったことを思い出し、その理由を必死に考えた記憶が残っている。

 こうした問題を解消するために、こうしたらよいというような明確なアイディアを得るにはまだ至っていない。簡単に解決できることができない、「むずかしい問題」に位置付けてしまっているのかもしれない。

 

 テクノロジーでこうした問題を解決できれば、「やさしい問題」にすることができるのはと考えた時期もあるが、しかし、いつも「むずかしい問題」に戻ってしまう。 

あくまで、いじめや喫煙など規則を破るという行為に対する管理は、人間の社会性、道徳、リーダーシップなどと関連した教育問題として捉える必要があり、学生と教師、学生と学生、学生と親、学生と地域社会など、人間対人間のやりとりで解決されうるべき問題だ。

目標とするのは、「自覚」を促すことである。

おそらく、いかに高精度な検知システム(未来的には教育用やコミュニケーションロボット)が介入したとしても、その自覚は生まれないはずで、最終的に向き合うのは人間の役割となるはずである。 (出所:Forbes)

 

forbesjapan.com

  

 そんな積み重ねがあったからなのであろうか、SDGsアジェンダ全文と目標を読んだときに、すごく惹かれたのかもしれない。

 

 「差別」「平等」「多様性」「人権」

 

 「むずかしい問題」であるからこそ、みなが目標として共有することが大切なことなんだろうと考えているのかもしれない。

 そうすれば、「むずかしい問題」も「やさしい問題」に置き換えることができると思っているのかもしれない。

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

 

「参考文書」

bijutsutecho.com

 

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