Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

コロナと共に生き、SDGs達成度ランキングをアップさせていくために

 

 新型コロナの感染拡大を境にして、様々な問題が顕在化した。その中で、気になることと言えば、一向に収まらない感染拡大はもちろんのこと、経済活動への影響や米中にみる政治的対立、米国のBLM運動や香港でのデモ活動などなど。

 ビフォーコロナから変化しているのかもしれない。以前から問題視されていた気候変動やSDGsの優先度が下がったということはないのだろうけれども、何か違った見え方になってきているように感じたりもしている。 

 コロナは、気候変動をはじめとする諸問題よりもはるかに生活に直結していたし、自身の行動で、感染拡大の抑止に役立てることもわかった。自身が感染しないようにすれば、自身が属するコミュニティ、そして、社会での感染拡大の抑止にもつながっていく。

 日々の営み、何気ない日常が、コロナによって脅かされて、かけがえのないものだったと改めて気づいた。行動自粛を経験して、自分の中でほんとうに大切なものや必要なものが何かにも気づいたりした。

 

 

 

 以前は政治不信もあってか、ノンポリでいたかったが、このコロナで、つくづくと政治的リーダーシップの重要性を身に染みて感じては、そうもいかないのかなと思うようになった。

 ニュージーランドやドイツでのコロナ対策の成功事例があり、一方で、米国や中国の対応はどうだったのだろうかと考えされた。

 国政不在であっても、ビジネスの自律性をもってすれば、解決できる問題も多くあるのでは考えていたが、給付金の委託に関わる電通問題や楽天PCR検査キット販売問題、ビジョンファンドの巨額損失の問題をみると、厳しい現実もありそうだと感じたりもした。一足飛びのゴールはないにしても、あまりにも露骨な利益至上主義にまだ残っていそうだと感じる。国政が長きにわたり経済第一優先の政策をとってきたのだから、そうなったことも当たり前のかもしれない。

 政府も経団連も、国連の持続可能な開発目標「SDGs」を重要な施策とするが、国際的には、なかなか評価されない。これにも、国政の経済第一優先が影響しているのかもしれない。

 昨年6月に発行された「Sustainable Development Report 2019 」で、日本は15位と健闘したが、目標毎の評価結果がそれを表しているのだろう。

目標4「教育」、目標9「イノベーション」ではグリーン評価(SDG Acheived)だったが、他の目標についてはイエロー評価(Challenges remain)以下の結果になっていた。

 目標5「ジェンダー平等」、目標12「責任ある消費と生産」、目標13「気候変動」、目標17「パートナーシップ」では、一番低いレッド評価だったという。

 改善度評価では、目標10「人や国の不平等」では、大きく後退を示すレッド評価になっていたとSustainable Japanが伝えていた。

 

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 各国の国連持続可能な開発目標(SDGs)達成状況を分析したレポート「Sustainable Development Report 2019 / SDG Index and Dashboards」はドイツのベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が2016年から発行してきているもの。今年で4回目。162カ国について分析したという。 

 

sustainablejapan.jp

 

 

 

 先日、経団連は、二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指す「チャレンジ・ゼロ」構想を公表したが、それより遥か前2017年に、企業行動憲章を改定し、「Society 5.0の実現を通じたSDGsの達成」に向け行動すると公表していた。

 SDGs達成に向け、民間セクターの創造性とイノベーションの発揮が求められているとする。

会員企業は、持続可能な社会の実現が企業の発展の基盤であることを認識し、広く社会に有用で新たな付加価値および雇用の創造、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した経営の推進により、社会的責任への取り組みを進める。

また、自社のみならず、グループ企業、サプライチェーンに対しても行動変革を促すとともに、多様な組織との協働を通じて、Society 5.0の実現、SDGsの達成に向けて行動する。 (出所:経団連公式サイト)

 

www.keidanren.or.jp

 

 「SDG Index and Dashboards Report」で、目標9「イノベーション」で高評価を得られたのはこうした背景があるからなのかもしれない。しかし、その一方で、目標4「教育」以外は、要改善であることが確認されている。

 こうした現実を鑑みれば、経団連が標榜したイノベーションが、SDGs的にはあまり効果が見込めそうない「技術革新」であるともいえそうだ。

 

 今こうしてコロナの時代になり、様々な問題が顕在化してくると、日々の生活に根差し、これからの暮らしに直結する改革が必要になっているように思う。

 それは、経団連や政府が標榜する「イノベーション=技術革新」ではないように思えてならない。もっと社会をよりよくしていく方向に転換することはできないのだろうか。

 

 政府SDGs推進本部が掲げた「SDGsアクションプラン2020」では、「ビジネスとイノベーションSDGsと連動する「Society 5.0」の推進~」の他に、

SDGsを原動力とした地方創生,強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり

SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

がポイントに上がる。

 「SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント」に掲げることは、今求められることに関連することも多いように感じる。産業界を含め、第一優先として、取り扱む必要があるのではなかろうか。

 

次世代・女性のエンパワーメント
働き方改革の着実な実施
▶ あらゆる分野における女性の活躍推進
ダイバーシティバリアフリーの推進
▶「次世代のSDGs推進プラットフォーム」の内外での活動を支援。

「人づくり」の中核としての保健,教育
東京オリンピックパラリンピックを通じたスポーツSDGsの推進。
▶ 新学習指導要領を踏まえた持続可能な開発のための教育(ESD)の推進。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進
▶ 東京栄養サミット2020の開催,食育の推進。

(出所:SDGs推進本部「SDGsアクションプラン2020~2030年の目標達成に向けた「行動の10年」の始まり~」

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

dsupplying.hatenablog.com

 

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