レジ袋が有料化されて1か月あまり経つ。
「今、私たちに求められているのは、レジ袋の次に何ができるかだ」
と朝日新聞は問いかける。
「プラスチック依存をできるだけやめる」
「そうした社会の実現には、メーカーや小売店、消費者などが一体となって取り組み、社会全体が変わる必要がある」と指摘する。
コロナ渦で、テイクアウト利用が増えたのだろうか、使い捨てプラスチックスも増加していると言われる。
そんな中、「サイエンス」誌に掲載された、「世界規模での対策が講じられない限り、2040年までに、陸上と海洋の両方で、推定13億トンのプラスチックスが存在することになる」という研究論文は衝撃的だった。
「リサイクルを増やし、生産を減らし、プラスチックを他の利用可能な材料で置き換える」
こうした行動がとられたとしても、今後20年間で、地球環境に新たに7億1千万トンものプラスチックス廃棄物が排出されるという。
汚れたプラスチックごみの輸出を法的に制限するバーゼル条約の改正案が採択され、2021年から運用され、「リサイクルに適さない汚れたプラスチックごみ」が規制対象となる。
プラスチックスによる海洋汚染の深刻化が背景にあったようだ。
バーゼル条約は国連環境計画(UNEP)が1989年に採択した法的拘束力のある国際条約で、有害廃棄物の国境を越えた移動を規制する。国内処理が原則で、輸出の際は相手国に事前通告して同意を得ることを義務付けている。
現在は医療廃棄物や廃油が対象で、プラスチックは一部を除き対象外となっている。 (出所:日本経済新聞)
今後は原則、(プラごみの)国内で処理する必要性が増し、自国でのリサイクルを促す可能性があると日本経済新聞は指摘する。
バーゼル条約に参加するニュージーランドもリサイクルについては対応に苦慮しているのだろうか。
リサイクルの可能性があるにもかかわらず、家庭用ペットボトルおよび容器の39%が埋立地に送られているという。
ニュージーランドでは、1世帯で年間17.6億個ものプラスチック容器を廃棄しているともいう。
リサイクルまたはゴミ箱に廃棄される最も一般的なアイテムは、ペットボトルなどの飲料ボトルで、世帯あたり年間188になるそうだ。
「私たちの社会が目指す2030年までの目標は、政府がまとめたプラスチック資源循環戦略にうたわれている」と朝日新聞はいう。
「使い捨てプラスチックを25%削減し、容器包装プラスチックの6割をリユース・リサイクルする――」。
プラスチックに依存した生活に慣れた私たちにとって高いハードルだ。
だが、目指す社会を描き、ライフスタイルを変える時期にきている。 (出所:朝日新聞)
「高い目標だが、目標を掲げなければ何も始まらない」と指摘する。
(資料出所:環境省公式サイト「「プラスチック資源循環戦略」の策定について」)
「なるべくプラスチックを遠ざけるライフスタイルを選ぶ人が増えている」と朝日新聞は言う。
高知県在住のある翻訳家の言葉を紹介する。
歯ブラシは竹製に、ひげそりは金属製の両刃カミソリに、スポンジはへちまに、食品保存はガラス容器になった。
買い物はエコバッグや容器持参で、なるべく個人商店に行く。そんな生活を家族で送っている。 (出所:朝日新聞)
「ゼロにこだわらず、楽しむことが大事。
我慢はせずに、できる範囲で減らそうと思えば可能性は広がる」。
そんな脱プラを、無理せず、まずは始めてみよう。
活動する人がひとり増えれば、その分だけプラごみが減っていく。
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