Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

老舗アパレルが取り組むサステナブルブランド「エコアルフ」の本気度は

 

 アディダスのマスクが人気のようだ。8月1日から始まった先行予約では既に完売となっている。

 このマスクは、アディダスのリサイクルポリエステル「PRIMEGREEN(プライムグリーン)」が使用されているという。プライムグリーンはバージンプラスチックスを含まない素材のことだ。

 

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(写真出所:アディダス公式サイト「BEHIND THE MASK: THE MAKING OF ADIDAS FACE COVERS」

 

 アディダスによると、2020年末までには、こうしたリサイクルポリエステルの使用が総量で50%以上になるという。また、2024年には、すべての製品で再生ポリエステルに移行していくという。

 

 

 

 こうしたリサイクル素材の利用が、「サスティナビリティ」や「エシカル」の名のもと、ファッション業界でも当たり前になっていくのだろうか。

 

 三陽商会が、「廃棄タイヤをリサイクル「ECOALF タイヤビーチサンダル」発売」と発表した。

 老舗アパレルとしては、少し異質なものを感じた。

 

タイヤは、廃棄するには高いコストがかかる為、埋め立てられるか、投棄され海底に沈められることも多く、環境問題の課題の一つとされています。

さらに廃棄されるタイヤは金属などの不純物が多く含まれている為、分別が難しくリサイクルが困難とされていますが、スペインのECOALF社は2年かけてそれらを取り除く技術を開発し、粉末にしたものを圧着剤を使わずに熱で加工しビーチサンダルの素材として再生利用できるようにしました。 (出所:三陽商会ニュースリリース

 

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 三陽商会の変化を見逃していたようだ。

 「ECOALF」の店舗を出店するとのニュースを見かけていたが、輸入販売だけなんだろうと勝手に思い込み、ろくろくニュースに目を通さなかった。

 

 昨年9月、三陽商会とスペインのエコアルフ リサイクルド ファブリックス(Ecoalf Recycled Fabrics, S.L)は、新会社「 エコアルフ・ジャパン」を設立した。

 10月には、このサステナブルブランド「エコアルフ(ECOALF)」の事業戦略説明会を開いた。これに合わせ、エコアルフ社の創業者のハビエル・ゴジェネーチェ氏が来日、WWD Japanのインタビューに答えていた。

 

 「三陽商会と日本で目指すゴールは?」と問われたバビエル氏は、

「まずは、僕たちのビジョンがクールだという感覚を根付かせたいね」と答える。

 

VISION「地球環境を無視した自然資源の活用をしない」

日本は伝統的なクラフトマンシップを大事にする文化がある。

渋谷の店は、「エコアルフ」の哲学と、日本の伝統が融合したお店にするって決めているんだ。僕たちのやっていることが今までにないことなんだから、今までにない空間を作るのさ。

グローバルでは、作って、売って、再利用するというサイクルを、完全にクローズなものにすることを目指していく。

自分たちが売った商品を100%回収するためには、もっと店を作って、回収のためのハブを作っていかなくてはいけないね。 (出所:WWD Japan)

 

 そのエコアルフのスローガンは、

「Because there is no planet B(地球に替わる惑星はないから)」

だという。

 

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「15年から販売しているフリースは、最近、家庭洗濯をする際にマイクロプラスチックゴミを排出してしまうことが分かったんだ」とWWD Japanのインタビューに答えるバビエル氏。

このフリースはトップ5に入る売れ筋品番だったんだけど、もう作るのをやめる。

ビジネスとしては賢くないかもしれないけれど、目先の売上よりも、大事にしなきゃいけないのは自分たちの哲学なんだ。(出所:WWD Japan)

 

 エコアルフでは、在庫するのは売れ筋の20%だけだといい、あとは売り切り御免で在庫を持たないという。日本のアパレル業界で発生する大量の在庫に驚いたようだ。

 

www.wwdjapan.com

 

 

 

 WWD Japanによれば、このスペインのサステナブルブランド「エコアルフ」は、09年に創業、ペットボトルやタイヤなどの廃棄ゴミから作るリサイクルファブリックを研究開発し、それらを使用したアパレルや雑貨などを製造・販売するという。

 

UPCYCLING THE OCEANS(アップサイクリング・オーシャン)

各地の漁師の協力を得て、漁網にかかった海洋ゴミを回収・分別・再生し、製品化するプロジェクトを進めているとWWDは紹介する。

 

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 このアップサイクリング・オーシャン・プロジェクトには地中海の多くの漁師・漁業組合が協力しているという。スペインでは3000人以上の漁師と提携し、タイでも海洋プラスチックの回収をスタートさせているという。その取り組みはタイ政府にも認められ、タイ観光庁と共に推進されている。

 

ecoalf.com

 


Ecoalf Upcycling the Oceans Spain (English)

 

現在はスペインをはじめドイツ、オーストリアなど欧米6カ国に直営店と卸事業を展開し、19年12月期の売上高は2000万ユーロ(日本円で約25億円)を予想するとWWD Japanは伝える。

 

「ECOALFは、単なる”Story telling” ブランドではなく、環境負荷低減のために自らアクションを起こす、“Story doing” ブランドです」と三陽商会はいう。

 

www.sanyo-shokai.co.jp

 

 

 

 日本でも「UPCYCLING THE OCEANS」の活動がスタートするという。千葉の天羽漁港との提携を進めているとc/net Japanが伝える。

 

「65万トンの放置された漁網が海底に眠っている」

活動には廃棄物の回収を行う漁師や、ゴミを移送する運送会社、ファブリック素材を作る紡績メーカーなど様々なパートナーが必要だ。

現在、ウェブサイトにてパートナーの募集を呼びかけており、今後は全国に活動の輪を広げる予定だ。

Ecoalfの「現地のゴミで作った服を現地で売る」という思想に則り、2021年には日本で回収したゴミによる商品化を目標としている。 (出所:c/net Japan)

 

ecoalf.jp

 

「将来的には日本国内で調達した素材で、日本企画の商品を作る仕組みを整えていきたい」と慎正宗エコアルフ・ジャパン社長の言葉をWWD Japanが紹介する。

 「新しい自然原料を使わなくても、服を作ることができるという考え方が新しい。ファッションという限られた範囲にとどまらず、日本人の消費行動そのものを変えられるよう、他とは圧倒的に差別化されたブランドにしたい」と慎社長が期待を寄せるという。

 

japan.cnet.com

 

 

 

 8月5日、消費者庁が、「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査報告書を公表した。

 調査期間は、2020年2月19日~25日、全国の15~65歳の一般消費者(2803サンプル)が調査対象。

 

エシカル消費」に興味を持つ人が59.1%と6割近くになったという。16年度に実施された前回調査に比べ1・6倍になっている。

 

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(資料出所:消費者庁公式サイト「エシカル消費(倫理的消費)に関する消費者意識調査報告書の概要について」

 

 エシカル消費につながる商品・サービスを購入しない理由は、「高価格であること」や「本当にエシカル消費につながるか分からない」ことが上位に挙がったという。

 

 消費者庁は「エシカル消費」について定義を行う。

 

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 (資料出所:消費者庁公式サイト「「倫理的消費(エシカル消費)」とは?」)

 

 どれだけの人がエシカルのことを理解しているのだろうか。

 

 消費者庁の定義によれば、アディダスのマスクや三陽商会の商品を購入すれば、エシカル消費といえそうだ。

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

forbesjapan.com

 

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