製鉄会社JFEの「京浜高炉」が100年以上の歴史に幕を下ろし、高炉の火を消すという。
米中貿易摩擦や中国勢の台頭などによる鋼材需要減を受けて苦渋の構造改革に踏み切ると、 ニュースイッチはいう。コロナやサーキュラー・エコノミー、脱石炭など、様々な要因があってのことではなかろうか。
休止は時代の流れであり宿命。
「残念だが鉄づくりのDNAや培われた技術は他で生きるだろう」
創業者の悲願に国の銑鉄自給要請もあり1936年、最初の高炉が完成し、首都圏初の銑鋼一貫製鉄所として誕生した。
日本の高度経済成長の一翼を担い、最大級の広幅ステンレス・クラッド鋼板製造に成功したり製銑工程を省エネルギー化できる原料の実験プラントを立ち上げたりした。
「環境調和型製鉄所」として96年、使用済みプラスチックの高炉原料化などの環境リサイクル事業も始めた。 (出所:ニュースイッチ)
「コロナ後の新常態を見据え、日本鉄鋼業の競争力維持・強化には従来の概念にない、柔軟な発想が必要なのかもしれない」とニュースイッチは指摘する。
NKK日本鋼管という響きが懐かしい。会社員時代、NKK日本鋼管の薄板を伊藤忠商事と協力して採用した。管理購買に移行するのが目的だった。取引が始まった直後に、JFEが発足した。
NKKというと京浜工業地帯の中心のひとつとイメージがあった。京浜地区の高炉の火が消える、感慨深いものがある。もうそういう時代なのだと感じる。
Woven Planet モビリティの未来を切り拓く
7月末、「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社(TRI-AD)」が組織を再編し、社名を「Woven Planet Holdings」に変更した。
この新しくなった会社に、 トヨタ自動車の豊田章男社長が、豊田章男個人として投資するという。
トヨタイムズによれば、「人の役に立ち、地球全体のためになるモビリティ社会を切り拓いていく」のがTRI-ADの役割であったというが、そのスピードをあげるため、組織再編し「Woven Planet」になったという。
なぜ“Planet”とつけたのか…?
この惑星に住む人は、みんな地球人です。
同じ星に住むみんなの“共通のオポチュニティ”である未来に、なにか貢献できる器になって欲しいという想いで社名に“Planet”と入れさせていただきました。
誰かと対立するのでなく「ただ自分の強みを誰かの役に立たせたい」という想いで、各々が力を出し合えば、この会社は素晴らしいものになると思います。 (出所:トヨタイムズ)
「自動車には大気汚染や交通事故など負の側面がまだ多く残されている」。
「例えば、大気には国境がない。みんなの財産として地球を、どうしたらキレイに保てるかを考えないといけない」。
「事故ゼロやもっと環境に優しい持続可能なモビリティの実現は、メーカー同士で競争をするものではない」
豊田社長が、よく口にする言葉だとトヨタイムズはいう。
「誰かのために」 CASEという変革
CASEという言葉が登場し、自動車は100年に一度の変革期にあると言われ、その価値自体が大きく変わろうとしている。
そんな時代の中にあって、豊田社長は、トヨタ自動車を、このカタチのままで未来に渡してはいけないと考えているとトヨタイムズはいう。
トヨタ自動車の前身は豊田自動織機、章男さんの曾祖父佐吉が始めた。佐吉の息子喜一郎が、佐吉から継承した自動織機をモデルチェンジしたのがトヨタ自動車だ。
喜一郎も「誰かのために」という想いを強く持っていました。
彼の発想はもっと大きかった… 織機に留まらず、彼はもっと先の未来を見ていました。
“クルマ”をつくろうとしたのです。
彼にとって自動車は“未来そのもの”でした。
自動車は当時の生活を飛躍的に便利にするものです。しかし、喜一郎が自分たちの手で車を作ろうとすると、「絶対に成功しないだろう」と皆から止められました。
当時の車づくりはとてもお金がかかるものでした。喜一郎はそこに自分の私財を投じていたのです。
彼は幾多の困難を乗り越えてクルマを完成させました。しかし、会社はすぐには好転しませんでした…
「実は、今、僕がやろうとしていることも…それと同じだと思っています」と豊田章男氏は語ったようだ。
トヨタ自動車を新たなものに生まれ変わらせていくということであろうか。
スーパーシティとDXデジタルトランスフォーメーション
スーパーシティ、キャッシュレス決済、自動走行車両の導入、行政手続きのIT化など新しい生活様式をデジタルでつくり上げる取り組みだとJIJI.COMはいう。
今回の新型コロナウイルス感染で分かったことは、デジタル分野のインフラ整備が遅れていることだ。ここへの投資も必要で、景気対策にもなる。 (出所:JIJI.COM)
地方創生として、人工知能(AI)やビッグデータなどデジタル技術を活用した都市「スーパーシティ」になるしか自治体は生き残れないと、JIJI.COMは指摘する。
どれだけの企業が豊田社長のような大きな野心を抱いているのだろうか。
自分たちの利益を考えるだけでは有益なサービスにはならないし、長続きもしない。
北の街札幌の狸小路商店街では、ドラッグストアの撤退が相次いでいるという。
コロナによるインバウンド需要が蒸発したことによるようだ。
リアルエコノミーによれば、インバウンドの増加は、店舗の新陳代謝を促し、洋装店やパチンコ店などが閉店してはドラッグストアに切り替わっていったという。
狸小路商店街は、時代を反映して店舗の入れ替えが激しい商店街として知られる。
暖簾を守る老舗もあるが、その時々のニーズに対応して新陳代謝を続ける店舗も多く、そのことが140年を超えて札幌中心部の賑わいを支え続けた要因でもある。 (出所:リアルエコノミー)
コロナが時代の節目になっているようだ。
企業も自治体も変化することを求められているのだろう。
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