サンフランシスコの異様な光景をAFPが伝える。
米西部で発生した山火事で、空が濃い煙で覆われオレンジ色に染まっているという。
AFPによれば、オレゴン州の知事が、州内で少なくとも五つの町が「事実上壊滅」したとショッキングな発表をしたという。
(知事の)ブラウン氏は、「率直に言って、建物と人命の両方にかなりの損失が出る見通しだ」「わが州史上最大の山火事による人命と財産の損失となる可能性がある」と述べた。 (出所:AFP BB NEWS)
ディストピア あまりネガティブなことばかり言いたくないが、これが現実かと思うと驚愕するばかりである。
ウーバー 2040年の「ゼロエミッション」を宣言
そんな中、ライドシェアの米ウーバーが、2040年までに「ゼロエミッション」を達成すると宣言したという。
私たちの故郷のカリフォルニア州全体で猛威を振るう火事は、気候危機の緊急性を憂鬱に思い起こさせます。
「いつものビジネスに戻る代わりに、Uberはこの瞬間を環境への影響を減らす機会として捉えています。気候変動の課題にさらに積極的に取り組むことは、世界最大のモビリティプラットフォームとしての私たちの責任です。私たちは、都市をより良く構築し、環境にやさしい回復を推進するために私たちの役割を果たしたいと考えています」
と、CEOのダラ・コスロシャヒ氏は、「Driving a Green Recovery (グリーン・リカバリーの推進)」と題するニュースレターの中で述べた。
毎年繰り返される大規模な山火事を目の当たりにした率直な思いなのだろうか。
850億円 ドライバーのEVシフトを支援
Techcrunchによると、ウーバーは2025年までに契約ドライバーの車を電気自動車に切り替えさせるための専用の予算として8億ドル(約850億円)を確保する計画だという。
事業展開している米国、カナダ、ヨーロッパの各都市での移動を100パーセント電動化する目標を定め、マイクロモビリティー事業の電動化にもさらなる投資を行う予定だという。
さらに、企業活動全体から排出される二酸化炭素も含め、2030年までには完全にゼロエミッションにするとUberは話している。
予定通りに進めば、Uberの事業は、パリ協定が目標に定めた2050年より10年前倒しで必要な条件を満たすことになる。 (出所:TechCrunch)
Techcrunchは、「電気自動車への移行の勘定を乗客に押しつけるのは、あまりいいやり方とは思えない面もあるが、これらの取り組みはすべて、カーボンフットプリントを減らすための、まだまだ長い道のりを進もうとするUberの前向きな一歩だ」と指摘する。
Uberは、ウーバーを利用した場合のカーボンフットプリントが、平均的な乗車人数の個人用自動車よりも依然として高いと前出ニュースレターで公言した。
信用を手に入れる
ウーバーに何か変化が起きているように感じた。
ライドシェアはエポックと感じた。岩盤規制を壊し、便利さや効率の良さから何か新しい時代が到来するのではと思った。
しかし、その後、欧米のあちこちで様々な障害に出くわし、歪みが噴き出す。
今回、ウーバーが公表した文書をみると、これまでに発覚した様々な問題を真摯に受け止め、それを糧にして新たにスタートを切るように感じられる。
あっと驚かせようなビジネスモデルやテクノロジーを追うばかりでなく、今あるビジネスを現在の環境やルールに適合させることも、業界のリーダーになっていくためには必要なことなのだろう。
それによって、さらに信頼という金銭では変えることのできないものが手に入るのかもしれない。
「信用は細い糸のようなもので、ひとたび切れると継ぐことは不可能に近い」
(出所:ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 キングスレイ・ウォード 城山三郎訳)
国内では、ウーバーイーツの配達員のマナーが悪いようである。何事もルールは守らなければならない。
些細なことも積み重なれば、信用を棄損することになるかもしれない。