Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

自然は甦る 「ごみをごみにしない」産廃処理会社からのメッセージ

 

  サーキュラー・エコノミーが定着するか否かを考えるとき、「静脈産業」の存在を抜いて考えることは出来ないだろう。重要な産業だが、なかなかスポットライトは当たらない。どちらと言えば、あまりいイメージがないのかもしれない。

 コトバンクによれば、「生産・消費活動から排出・廃棄される不要物を回収し、再生利用・再資源化したり適正に処分したりする産業」のことを静脈産業と呼ぶ。具体的には廃棄物処理業とリサイクル業をさすことが多いという。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

 朝日新聞の記事が目にとまった。埼玉県三芳町で産業廃棄物を処理する会社「石坂産業」を紹介する。聞いたことのある名前だった。どこかのNPO法人が紹介していたように記憶する。一度ホームページにアクセスしたことはあった。少しばかりびっくりページだった。そのときはただそれだけで終わってしまい、詳しく調べることもしなかった。

 

 

 

 産業廃棄物を98%リサイクルする石坂産業の将来構想

 技術開発に巨額の投資をし、産業廃棄物のリサイクル率を98%に引き上げたという石坂産業。近くの里山の保護活動にも取り組み、年間4万人が訪れていると朝日新聞は紹介する。

海中のゴミが問題になっていますが、土の中の方が深刻です。よくもまあ、人間は、こんなにゴミを埋めてきたものです

 石坂産業は今、こんなミッションを掲げています。「ゴミをゴミにしない社会をつくる!

 けれど、リサイクル率を上げるだけでは達成できません。「カギになるのは、モノをつくる段階からゴミにしないデザイン設計です」と(社長の)石坂さん。

 生産者や利用者、産廃業者らがバラバラに活動しても、「ゴミをゴミにしない社会」はつくれません。 (出所:朝日新聞

  

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 その石坂産業がスマートプラント化を進めるという。将来的にはローカル5Gを軸に資源リサイクルのデジタル化とSDGsを推進するという。

 最初に取り組むのは、トラックで搬入される廃棄物の自動容積計測。従来、属人的作業であったものを、レーザーセンサを用いた自動容積推定技術を活用、スピードアップさせる。将来的には映像解析を組み合わせることで遠隔・自動化を実現させるという。

 また、ローカル5Gを活用した重機による廃材処理作業の遠隔操縦や自律運転、プラント処理の映像監視などを今後すすめていくそうだ。

 テクノロジーの何のために利用されるのだろうか。それは従業員のためということなのだろうか。

 

 

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ishizaka-group.co.jp

 

 

 

「自然と美しく生きる」 地表資源の再生によるエネルギー供給産業へ

 石坂産業の公式サイトに、社長のメッセージが寄せらている。「私たちの事業は、これまでの「地下資源エネルギー活用」から、「地表資源の再生によるエネルギー供給産業」へと変貌することを目指します」という。また、従業員に向けてなのか、「共に働く皆様には、同じ想いを通じて本質、価値、そして挑戦する情熱を共有するとともに、『場』と『機会』をつくり、個の成長と発想により、新たな技術革新を生み出し、社会に必要とされる企業へと導くように努めます」と語る。

 

自然と美しく生きる

世界では多くの環境問題が取り上げられています。人が生きることも自然環境とのバランスです。古代から人は自然からの恩恵で生かされ、感謝や畏敬の心を大切にしてきました。現代の便利な社会ではそれらが失われつつあります。一方で、里山と共に生きる私たちの工場には、年間数万人が世界各国から見学に訪れてくださいます。持続可能な社会にとって、廃棄物の在り方はどうあるべきかが世界中で問われています。 (出所:石坂産業公式サイト)

 

ishizaka-group.co.jp

 

 石坂産業は廃棄物処理事業の他に、いくつかのプロジェクトを推し進める。そのひとつに「三富今昔村」という活動がある。

 

自然に感謝する心と、モノを大切にする心を。

ところが私たちの大量生産、大量消費の便利な時代は、里山の有り難みをすっかり忘れ、いつの間にかこの“ヤマ”も、ゴミが散乱する林になっていました。「このままではいけない。大切なことを忘れてはいけない」私たちは三富の森を再生させるために、不法投棄されたゴミを拾うことからはじめました。その結果、少しずつ生物たちが戻りはじめ、2012年にはJHEP認証“AAA”を取得。生物多様性の高い里山に復元することができました。

人と自然と技術の共生へ

この三富今昔村が“ともに自然を守り、ともに里山の新しい価値を生み出しながら、多世代で交流し、ともに学ぶ場”になることを願っています。気候変動、生物多様性、廃棄物のあり方について、一緒になって100年先を考えつづけていく。そうして、地球の“持続可能性への知恵”が集まる場となり、一人ひとりが「今日、自分にできることは何か」を考え、一つひとつ行動を起こしていく機会になれたら、大変うれしく思います。 (出所:三富今昔村公式サイト)

 

santome-community.com

 

 石坂産業にあるべき企業の姿を見た気がした。

 事業内容や里山保護のことはもちろんのことだが、従業員に対する配慮に感銘する。

 こうした企業が増えて欲しい、そう感じる。

 

 

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