Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

毎秒トラック1台分の服が捨てられている 服のサスティナビリティを考える

 

 「繊維産業は、#世界最大の汚染産業の1つに数えられるんです」

と少しばかり過激な表現かなと思うツィートをグリーンピースジャパンが投稿する。

 そのスレッドには、「毎秒トラック1台分の衣類が、焼却あるいは埋め立て処分されています」と驚きの内容が書かれている。 

 

 さらに、「焼却処分されることで、埋立地から出る有害化学物質温室効果ガスにより、さらなる #環境汚染 の原因にもなっています」と指摘する。

「汚染」とは、広辞苑によれば、

①けがれに染まること。よごれ。しみ。

②細菌、有毒物質、放射性物質などによって、よごされること、また、よごすこと。

とある。 

 

 

 「衣食住」、生活に欠かすことのできない衣服が、現代の「汚染産業」のひとつといえるまでになってしまったことを残念に思う。

 捨てた衣服が埋立地に行けば、半永久的に残り、燃やせば、二酸化炭素が発生し、燃やし方によってはその他の有毒ガスも発生する。そう指摘されれば、「汚染産業」といわれても仕方がないのかもしれない。 

 政府が宣言した「2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を反故にするようなものだし、それが巡り巡って自分たちの生活の脅威になるのであれば、何が良くて、何が悪いのかさえもわからなくなる。

 グリーンピースは、まずは自分たちでできることとして、「新品を買う代わりに、古着を選ぶ」、「友達と服を交換する」など、いくつかのアイデアを提案し、業界には「サーキュラー・エコノミー」を推奨する。 

www.greenpeace.org

 

 

 ファッション業界も危機感を募らせ始めているのだろうか。WWD Japanが来月12月1日に、“サステナブルなファッションの未来を共につくる”と題した「WWDジャパン サステナビリティ サミット第1回」を開催するという。

 そのサミットの第3部では「服の廃棄物問題に対して若手研究者はどんな解決方法を考え未来を見ているのか?」をテーマにした対談も予定されているそうだ。WWD Japanによれば、この対談にユナイテッドアローズの栗野宏文上級顧問が登壇するという。 

www.wwdjapan.com

 

言い訳 ぬるま湯につかる 

 WWD Japanに「なぜ日本のファッション業界は遅れている」と問われた、その栗野氏は、「新しいものを作って買ってもらわなければ商売にならないよ」とか「エコ素材はコストが上がってしまう」とか、ネガティブ要素ばかりを考えているのが原因でしょう」と答える。

しかしそれらは言い訳に過ぎません

日本では世の中で新しいことに挑戦する時に「できない理由」を先に挙げる傾向がある。でも、それでは世の中は変わらない。この問題はやるかやらないかなんです。 (出所:WWD Japan)

 

 世界には成功先例がたくさんある。国内にだってユニクロのようなベストプラクティスがある。それにも関わず、できない理由ばかりを挙げる....

 言い訳は、そうした良い事例に対して目を閉じることであり、常に別の言い訳を準備することなのだろうか。それがまかり通れば、ぬるま湯につかっているのと同じこと。とどのつまり「茹でガエル」になるようなものだ。 

 

二者択一 シンプルに考える 

 WWD Japanは、栗野氏に「サステナビリティは企業活動を前進させるエンジンとなりうるか」との質問がぶつける。

捉え方次第でしょう。縛りがあると出来ないという人もいるでしょう。しかし、問題解決をすることで人々は進歩してきました。真剣に取り組めば必ず答えはあります。

出来るか出来ないかではなく、やるかやらないかです。 (出所:WWD Japan)

 

 結局は、できない理由をあげることは、単にやりたくないと言っているのに等しいということになる。

 

 

 できない理由が、「問題」とか「課題」であって、「問題」をひっくり返すと、それで解決に向かうし、成功につながる。問題は難しく定義しないことだ。

 

 「機会損失になると勘違いして実需以上に作るから、商品が余り在庫になる。在庫になるから無理に売る。それでも余るから廃棄する」。

 

f:id:dsupplying:20200920145503j:plain

 

 無駄を作らない、無理に売らない、作りすぎない、廃棄しない、まずこれらが徹底されれば、もっと素敵な服だって作ることができるのかもしれない。

 事実、ムダを徹底的に排除したトヨタは様々なデザインと色のクルマを多品種少量に作ることができるようになった。

 

不易流行 サステナビリティを流行にしない

 「もったいない」の精神がDNAに根付いている日本人は、その気になれば環境先進国になれると思いますと栗野氏はいう。

ただ、サステナビリティを流行りにしてはいけない

電気自動車に乗れば良い、オーガニック素材の服を着れば良い、ではなく暮らしの全てにおいて地球環境と結びついていることをみなが自覚して、努力することが大事です。 (出所:WWD Japan)

 

 努力というと少し重々しい。暮らしと自然は密接につながっていることを理解し気にかけ、正しい選択をするということなのかもしれない。それは仕事を含め日常生活全般について言えることなのだろう。

 そんな心構えが身につけば、2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会だって実現できることになるのだろう。

 

f:id:dsupplying:20201116123405j:plain