セブンイレブンが、横浜市内で走行するペットボトル回収車にユーグレナの「バイオディーゼル燃料」を採用するという。
バイオディーゼル燃料も他の化石燃料同様、燃料の燃焼段階ではCO2を排出するが、原料となるミドリムシが成長過程で、光合成によりCO2を吸収しているため、実質的にはCO2排出量がプラスマイナスゼロとなり、カーボンニュートラルを実現できるとユーグレナはいう。
(資料:ユーグレナ)
スコープ 3でのCO2削減を目指すセブンイレブン
セブンイレブンはスコープ 3、サプライチェーン全体でのCO2削減に取り組んでいるという。スコープ 3とは、自社排出量以外の、原材料・商品の調達、配送、商品使用、廃棄過程から出る温室効果ガスの排出量のことを指すとセブンイレブンは説明する。
日本経済新聞によれば、横浜市内のセブンイレブン53店舗にペットボトル回収機が設置されているという。この全てのペットボトルをバイオ燃料を導入した回収車1台で集めるそうだ。
協力会社が行う回収作業であっても、それはスコープ 3の対象に含まれる。こうした企業の努力があって、2050年のカーボンニュートラル実現に一歩近づく。
グリーンピースジャパンが、セブンイレブンが発表した新しい環境目標「2050年までに、二酸化炭素 排出を実質ゼロ」を概説する。
セブン&アイは、2050年までに #二酸化炭素 排出を実質ゼロという環境目標を発表しました👏
— グリーンピース・ジャパン (@GreenpeaceJP) 2020年11月28日
店舗運営から発生した電力消費を太陽光パネルや発光ダイオード照明にし、省エネへ切り替えたり、トヨダ自動車と協力し、水素燃料電池トラックを実験するなど様々な取組みをしています。
さらに...↓ pic.twitter.com/YU9ZTpcFOv
グリーンピース・ジャパンによれば、米セブンも、電気自動車の充電設備を配置するなどの消費者に環境を配慮したサービスの提供も予定しているという。
一方、「環境目標を作ったとはいえ、実現はまだこれからです」と指摘し、「消費者である私たちも日常の中でできることから省エネに取り組んでいきましょう」という。
カーボンニュートラルを実現するためには、CO2の排出量を森林などが吸収するCO2の吸収する量でオフセットさせる必要がある。省エネすることで、必要なエネルギー量が減じ、さらにCO2の排出量が抑制できれば、CO2吸収量の方を大きくすることもできるのかもしれない。
省エネと住宅の脱炭素化
日刊スポーツによれば、小泉進次郎環境相が26日、日本記者クラブで講演、「脱炭素は世界最大の成長産業だ。脱炭素に向けた技術競争など、これほど世界一丸となって向かっている分野はない。この分野で稼がないで日本は将来どの分野で稼ぐのか。脱炭素社会とは、環境を犠牲にすることがない経済社会を構築することだ」と述べたという。
その中で、コロナで在宅時間が長くなっていることをあげ、「住宅の脱炭素化」、省エネ家電への買い替えや住宅の断熱リフォームなどを紹介したという。
カーボンニュートラル、脱炭素というと、CO2排出量の多いエネルギー業界や鉄鋼産業の話かと思いがちだが、日々の生活にも密接に関係しているようだ。
今までに身に着けてきた省エネや節電、脱プラやゼロ・ウェイストの知恵がカーボンニュートラルの手助けになるのかもしれない。こうしたことが、もしかしたら、政府の成長戦略を後押しすることなるのかもしれない。
また、コロナの感染者が増加、連日、過去最高を更新するようになってきた。つい心配になったり、不安を感じたりする。
ユーグレナ社長の出雲氏の「苦しいときほど、誰かのために」との言葉を紹介する日経ビジネスの記事が目にとまった。『嫌われる勇気』の著者岸見一郎氏との対談記事だ。
「今ならば感染症の蔓延(まんえん)のために、つらい思いをしている人がいるでしょう」と岸見氏はいい、「特に子どもたち、若い人たちには、この世界や人生にはいろいろな苦しみがあるけれど、だからといって絶望しないでほしい」と続ける。そして、「そういう局面で人々が、どうすれば希望を見いだせるか」と語りかける。
もしも自分の周囲の人たちは怖い人だと思ってしまったら、他者に援助を求めようという気持ちは持てないし、さらには他者に貢献しようという気持ちも持てないからです。
他者に貢献しようという気持ちを持てなければ、苦難の中で希望を持つことができません。
苦難の中で希望を持つにはどうするかというと、自分が他者の役に立てているという感覚を持つこと、貢献感を持つということだと思います。 (出所:日経ビジネス)
こうした心構えが持てれば、自然にコロナは収束していくのかもしれない。そして、その先のカーボンニュートラル、脱炭素社会も実現できるのかもしれない。
「関連文書」
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