歴史的転換点というと大袈裟かもしれないが、ある一つの出来事で世の中の流れが突如に変化することがあったりする。
米ゲームストップの株価が米株式市場で乱高下しているという。不特定多数の個人投資家たちが、ヘッジファンドが空売りする銘柄を買い上げていたためだそうだ。
反乱 ヘッジファンド vs 個人投資家
「米株式市場を揺るがしている個人投資家の反乱劇」と、 日本経済新聞はいう。
この問題について、米国財務省は、「金融市場における最近のボラティリティー」について話し合うと声明で明らかにしたとブルームバーグが伝える。
イエレン氏にとって、ロビンフッド・マーケッツの株式取引プラットフォームを使った個人投資家によるゲームストップ株などの熱狂的な取引と、それに伴う混乱に対応する最初の正式な取り組みとなる。(出所:ブルームバーグ )
FRB議長時代には、市場との対話に長けているといわれたイエレン氏。この問題にどう対処するか注目される。
大義名分 ミャンマーとフェイスブック
ミャンマーで起きたクーデターも気がかりのひとつだ。
ロイターによれば、そのミャンマーでは、国民の半数がフェイスブックを利用するという。フェイスブックは過去数年間、国軍との間で緊張関係が続けてきたが、今回、さらに何らかの対応を迫られる重大な局面を迎えているという。
ミャンマーのフェイスブックは、ここ何年かは人権活動家や民主政党と連携し、軍の干渉を押し返していたという。これは、民族的憎悪をあおる投稿を制限してこなかったと国際的に猛批判されたことへの対応だったとロイターはいう。
ロイターが今週初めに確認したところ、選挙に不正があったと言い立てたページやアカウントは数十あった。
選挙不正の主張はクーデターの「大義名分」となっており、関連の投稿は総選挙前の昨年10月から始まり、選挙後も続いてきた。
クーデター直前の48時間を見ると、こうしたページの多くが軍の「介入」を求めていた。クーデター後は、同じページの投稿が、倒された政権の「不正」を追及したり、クーデターを正当化する内容などに代わっていた。いくつかのページは足並みをそろえ、スー・チー氏ら民主政治家や報道関係者、人権活動家などを批判したり脅迫する投稿を公開した。 (出所:ロイター)
フェイスブックは3日の接続遮断の直前、問題とみなした数十のアカウントを削除したとロイターはいう。
フェイスブックはこれまで、ミャンマーで過激な仏教徒系民族主義者や軍人らが、ロヒンギャへの暴力をあおるのに使われるのを看過してきたと国連調査団によって批判されていたという。この結果、フェイスブックはヘイトスピーチや偽情報の取り締まりに努めるようになり、民主派との連携を強めて、時には軍と対立することも辞さなかたという。
その結果、フェイスブックはミャンマー国民の暮らしの中心的な役回りを維持し、NLD政権は大きな政策発表を定期的にフェイスブックのページで行ってきた。 (出所:ロイター)
ロイターによると、フェイスブックはミャンマー問題を緊急案件として扱い、人工知能(AI)を駆使し、ヘイトスピーチと暴力扇動の規約違反に該当している可能性の高いコンテンツを制限しているという。
同じようなことは起きるものである。つい最近米国でトランプ氏のSNSアカウントの凍結騒ぎがあったばかりだ。SNSが民主主義の砦になっているかのようだ。ただAI駆使に多少心配もある。人間にとっても難しい道徳や倫理に関わる問題を正しく判断することはできるのだろうか。
対話
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の発言を巡る一連の報道を受け、スポーツ庁の室伏広治長官が、「われわれは全ての女性の味方であり、今後も女性が輝くことのできる環境づくりに真摯に取り組んでいく」とのコメントを発表したという。ブルームバーグによれば、森会長問題を受けてのことという。
ジェンダーの平等の理念を行動に移すことは、五輪・パラリンピック競技大会の開催国として、また、国際社会で認められる日本であるためにも、大変重要な取り組みであると認識しているとの見解を示した。 (出所:ブルームバーグ)
Twitter上では、 #DontBeSilent #GenderEquality #男女平等のタグのもと、森会長の辞任を求める署名が始まり、15万人に迫る勢いだという。
そんな中、自民党の参院幹事長が「余人をもって代えがたい。IOC(国際オリンピック委員会)との人脈、五輪に関する知見などを考えたら、この(開催)直前のタイミングで、森氏以外に誰か五輪開催を推進できる方はいるのだろうか」と述べたという。
衆愚政治となるべきではないが、民意を無視した発言はいかがなものであろうか。対話につながるような発言にならないのだろうか。
引き際 昭和の美学
JOC理事の柔道元世界女王の山口香氏が東スポのインタビューに答える。
今、森会長は五輪と一心同体ですよね。五輪に対して熱いお気持ちがあるのは分かりますが、一心同体になっているから五輪自体も悪い方向にいっている。大変恐縮ですけど、森会長が自ら外れていただければ、五輪はかすかに希望が残る。森会長にとって五輪は目の中に入れても痛くない子供のようなもの。その子供を守るために自分が身を引く。これが昭和世代の美学ではないでしょうか。 (出所:東スポ)
憎まれっ子世にはばかるような社会ではあってはならないような気がする。ただ力があるだけで跋扈するようなことがあれば歪んだ社会になってしまう。
そろそろパラダイムチェンジのときではなかろうか。