Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

多様性 ダイバーシティ&インクルージョン 寛容さと差別

 

 失言をきっかけにした問題が波紋を広げる。ボランティアを辞退する人が増え、このことを政治家が発言すれば、それがまたニュースになる。

 大会趣旨に反した発言し世間から反発をうけたのだから、組織トップとして責任をとり、組織運営を後任に託す。それで幕引きかと思ったが、なかなかそうはいかないようだ。

 朝日新聞は、大会のスポンサー企業が組織委に苦言が呈していると報じる。スポンサー企業に取材し、その声を集めたようだ。東京海上日動火災保険やP&Gの声を具体的に紹介する。

 

  日本生命朝日新聞の取材に「発言は女性蔑視ともとらえられ、男女平等がうたわれている五輪・パラリンピックの精神に反する表現で大変遺憾。組織委に対しても伝えた」と答えた。 (出所:朝日新聞) 

www.asahi.com

 

「日本社会にはそういう本音があるような気がする。それがぱっと出てしまったかもしれない」と話すのは中西経団連会長。その言葉を毎日新聞が報じる。

日本社会は「女性と男性を分けて考える習性が強い。我々の会社(中西氏が会長を務める日立製作所)でもダイバーシティー(多様性)の話をすると、ついつい女性と男性を分けて考えてしまう。私自身も、(そのような考えが)ないかといえばそうじゃないだろう」と述べた。その上で「女性や男性を前提に発言したり考えたりする時代ではない。ダイバーシティーを意識した組織運営や人事をやっていくべきだ」と語った。 (出所:毎日新聞

mainichi.jp

 中西会長の言葉は今の社会の縮図のようなものなのだろうか。

 

 

 多様性について意識するようになったのは、海外から帰任して何年か経ったあと、課長候補を選定する際に発言したときのことだった。何も意識せずにある女性の名前を挙げたときに、その場の雰囲気が変り、周りから諭された。「あ、そうなんだ」と、その時から意識するようになった。

 赴任していた海外の職場では、ローカルがトップを務め、自分の職場でも日本人を除けば、ローカルの女性がトップだった。職場は女性の方が男性よりも多かった。それは赴任したマレーシア、シンガポールどちらでも同じだった。

 インド系マレー人の女性が仕切る会議は多少緊張して出席する。責務を全うしようとするその真剣な姿勢に引き込まれたのかもしれない。中華系マレー人、マレー系マレー人、日本人、人種は雑多、話す言葉も雑多。すると彼女が少し苛立って「English please」という。そんなことがあたりまえの情景だった。人種とか性差なんか意識したこともなかったし、みなが協力して仕事を完遂することを彼女の態度から学んだのかもしれない。

f:id:dsupplying:20210209101244j:plain

 マレーシアやシンガポールで暮らしていると自分がマイノリティであることに気づくが、マイノリティであると感じることはあまりなかった。

 色々な人種がいる国柄なのかもしれない。

 あるとき、多様な国シンガポールで、インド系かマレー系シンガポール人に、何も意識せずに「何人ですか」と質問してしまい、怪訝そうな顔をされ「シンガポール人」と答えた人のことを思い出す。外見からの印象で質問してしまったのだが、人種に関わりなくシンガポール人であることに誇りを持っているのかなと感じた。

 

 

  ダイバーシティインクルージョンという言葉を聞くことが多くなり、この社会に生きていく中で私たちは、「多様なあり方がたしかに存在していること」を無視できなくなったとAMPは指摘する。

 2020年も幾度となく、性の多様性やジェンダーの問題、外国人に関する偏見や無理解、差別的な発言が原因で多くの人が傷ついたという。
ampmedia.jp

 

組織は、同じ方向を向いて成果を出すために結成されている。

個人が会社を居場所だと思っていきいき働けていれば、個人の業績は上がっていく。ひいては、会社の業績もアップする。つまり組織へのエンゲージメントを変えれば、チームが出す結果をも変える可能性がある。どれだけ優秀なメンバーでも、居場所ではない組織には、必要以上に貢献しない。ポジティブな気持ちで結果を出せる人を増やすというのが、組織を作る立場の人間の使命だと私は感じている。 (出所:AMP)

 マレーシアで一緒に働いたあのインド系マレー人女性のことを思い出す。

 AMPの記事筆者は、「そのために、ダイバーシティインクルージョンについて考える必要があるのは、むしろ少人数で、誰一人掛けては困る組織なのではないか」という。

ダイバーシティインクルージョン」、難しいテーマであるが理解を深めるときが来ているような気がする。

 

 

 いつだっか、テレビでインドネシア人女性を紹介する番組をたまたま見かけ、そのまま見てしまった。

 登場したのはウンミ・ロシダさん。イスラム教徒。息子たちは給食があるが宗教上たべられないものがあるためウンミさんが毎日お弁当を作っているという。

学校の給食と同じ見た目になるように、想像で似たようなものを作るウンミさん。息子たちのために8年間作り続けているという。

その理由は、食べるものが違うことでいじめられないようにするためだという。人と違うことが日本では受け入れられなかった経験を何度も体験したという。 (出所:TVでた蔵)

datazoo.jp

 マレーシアペナンでの暮らしを少しばかり思い出したりもした。

 

「関連文書」 

dsupplying.hatenablog.com

 

dsupplying.hatenablog.com

 

dsupplying.hatenablog.com