Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

危機とテクノロジー 地震、気候変動、コロナが変化を促しているのか

 

 2月13日に夜に福島沖を震源にした地震は広範囲に被害を及ぼしている。自然の大きな力を前にすると人間の力など弱々しい。作り上げたインフラが一瞬のうちに壊れてしまう。東北新幹線の高架橋の柱や電柱などが損傷し、復旧に10日間程度時間を要しそうだという。しかし、一方で科学がこうした原因を解明し、それが活かされより強靭なインフラに替わっていく。

 日経XTECHは、今回の地震では0.5秒以下の極短周期成分が卓越していたとその振動成分を分析した。

周期1秒以下の成分は、家具やブロック塀の転倒、屋根瓦のずれといった被害を招きやすい。

今回の地震では、東北新幹線の架線柱が傾くなどの被害が出ている。

一方で、最大震度6強を観測したものの、木造住宅の倒壊などにつながりやすい周期1~2秒の成分が比較的小さかったことが、被害を最小限に食い止めた理由の1つと考えられる。 (出所:日経XTECH)

xtech.nikkei.com

  時間を追うごとに被害状況が明らかになってくる。震度のわりに建物への被害は少ないようだ。

 被災された方々にお見舞い申し上げます。

 

 

変化する情報

 最近、ITやガジェット系のメディアの記事内容に変化があるようだ。

 日経XTECHの他にも、Engadgetが、「化石燃料からの大気汚染で2018年に約870万人が死亡との報告。従来の認識よりはるかに多数」との記事を出す。

それによれば、2018年には化石燃料の使用で引き起こされた大気汚染を原因とする死者がで全世界で800万人以上にのぼったことがわかったという。これは、バーミンガム大学、レスター大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、ハーバード大学による共同研究の結果によるという。

PM2.5として知られる有害な粒子状物質は、化石燃料の燃焼や山火事、自動車の排気ガスなどで大量に発生し、その細かさ故に肺や血液にまで侵入して、喘息や肺がん、冠状動脈姓心臓病といった慢性疾患や脳卒中などを引き起こす原因になります。 (出所:Engadget)

japanese.engadget.com

 この研究結果によると、北米東海岸、ヨーロッパ、東南アジアなど、化石燃料由来の大気汚染の度合いが激しい地域で、死亡率が高くなっていると指摘しているという。Engadgetは、PM2.5の吸引を少しでも防ごうと思えばN95やDS1以上の規格のマスクが望ましいという日本医師会の言葉を紹介し、また、新型コロナ対策もあわせて二重の意味で健康を守ることをおすすめしますという。

 

 

変わる産業

 英蘭系石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルが、2050年までに二酸化炭素排出をゼロにするとし従来目標を厳格化したとロイターが報じる。

  それによれば、新たな戦略では、バイオ燃料や水素などの低炭素事業の拡大を通じて排出量を抑える計画だが、短期的には石油やガスへの投資は継続するという。

世界最大規模の小売事業への依存を維持し、事業所を現在の4万6000カ所から5万5000カ所に増加。また、電気自動車の充電スタンドを6万カ所から50万カ所にする。 (出所:ロイター) 

jp.reuters.com

 

 シェルは今後4年で50万カ所に電気自動車(EV)充電ステーションを設置する計画だという。より鮮明に「脱石油」に向かうということでいいのであろうか。  

dsupplying.hatenablog.com

 

 

 Techcrunchは、このシェルの動きを充電インフラブームを示す最新の証拠だという。そして、ブームで投資家はこの業界に資金を注ぎ、需要に対応するのに必要な資本を求めて数社に上場を促しているという。記事はその事例を示す。 

jp.techcrunch.com

 

「石油・ガス企業から、そして従来のユーティリティから去るフライトがあります。他の機会に目を向けなければなりません。これは今後10年で最も大きな成長機会となるでしょう」と話すのは石油メジャーのBPとEV充電インフラを展開するFreeWireのCEOの言葉とTechcrunchは紹介する。

同社(FreeWire)の充電テクノロジーはファーストフード企業、郵便局、グローサリーストア、あるいは人々が足を運び20分間から1時間ほど過ごす場所であればどこにでも導入できる。米連邦政府が所有する車両をEVにするというバイデン政権の計画があり、郵便局は実際に充電ネットワークとなる大きな機会を手にしている。(出所:Techcrunch)

 ESGが地殻変動を引き起こす。便利さとニッチな市場を生み出すことを追求していたテクノロジーに投資していたリスクマネーも、ESG関連に目が向き始めているのだろうか。

「モビリティの電動化が魅力的だと我々が感じている理由の1つは、『もし』とか『どうやって』ではなく『いつ』だからです」と話す投資専門家の声も紹介する。 

 

 

テック系メディアが示すブームにも変化が起きる。地球温暖化や気候変動など危機への対応が急務だという動機もあろうが、それがまた大きな市場になっているという現実がそこにあるからなのだろうか。

 

  このコロナ危機への対応はどうなのであろうかと思うが、Techcrunchは、「Apple WatchPCR検査より1週間早く新型コロナの陽性診断予測可能、マウントサイナイ医科大学発表」と報じる。 

jp.techcrunch.com

 

 IT黎明期と異なり、今は社会課題がより明確になっている。課題解決できるテクノロジーをいちはやく社会実装させようとの動きが加速していくのかもしれない。

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

  

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