Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

総論賛成、各論反対 それでコロナと脱炭素は解決されるのか

 

 米ファイザー社製のワクチンを2度接種することにより、新型コロナウイルスによる死亡例が98.9%減少したとする調査結果がイスラエル保健省によって発表されたとJIJI.COMが伝える。

保健省の調査は、2月13日の時点で、その2週間前までに2度目の接種を終えた人々と、ワクチン未接種の人々を比較した結果という。発症率全体については95.8%低下した。 (出所:JIJI.COM)

www.jiji.com

 

遅れるワクチン調達

 希望を感じる反面、一方で、ワクチンの供給量が限定的と聞く。ファイザーの生産体制の問題とあるが、元々の手配に問題がなかったのだろうか。

 

 

 ブルームバーグによれば、先に開催されたG7の声明では、「新型コロナウイルス感染症に打ち勝つ世界の結束の証しとして、今夏に安全、安心な方法で東京五輪パラリンピックを開催するという日本の決意を支持する」との文言が盛り込まれたという。

 オリンピックとワクチン。もう少し賢くワクチンを調達することはできないのだろうか。

 

高額なコロナ関連アプリ

 3億円以上の費用をかけたコロナ接触追跡アプリ「COCOA」で不具合が生じている。その問題も解決されないまま、今度は、五輪観客向けの専用アプリ開発が進められているという。

 日刊ゲンダイデジタルによれば、「オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ(仮称)」と呼ばれ、内閣官房が調達を進めているそうだ。

 その開発費用は、運用・保守もあわせ、何と総額73億円という。

www.nikkan-gendai.com

 

 京都新聞によれば、「外国からの観客の健康管理が目的で訪日前から出国後まで持たせる」と内閣官房審議官が説明しているという。

気になるのは、入国客にワクチン接種を義務づけず、アプリで済ます動きがあることだ。

厚労省からは「アプリの機能が不十分なら、五輪後に感染爆発を招く。誰が責任を取るのか」という懸念の声が伝わってくる。

同省はCOCOAの機能不全を厳しく批判された。それだけに懸念には実感が伴うが、政府内では共有されないらしい。 (出所:京都新聞

www.kyoto-np.co.jp

 

 「COCOA」の費用でも十分に高いと感じてしまうが、それの20倍近い費用が掛かると聞くと驚愕するしかない。73億円の費用内訳を精査したのだろうか。アプリ開発に何人のエンジニアが投入されるのだろうか。

 デジタル化で労働生産性向上というが、まずはアプリ開発労働生産性改善から始めた方が良さそうだ。

 こうしたことが歪な社会構造が生みだす一端なのかもしれない。

 

 

 グリーンテックが環境破壊を生む矛盾

 「川が汚れてから住民気づく…太陽光発電巡りトラブル続発も」との記事を読売新聞が出す。

www.yomiuri.co.jp

  地球温暖化対策、「脱炭素化」に向けての切り札になるはずのグリーンテック「再生可能エネルギー」で環境破壊が進むという矛盾。なぜこんな事態になるのか。

 企業体質の問題なのだろうか。それとも、その企業を構成する人々の資質の問題なのだろうか。SDGsSDGs、仕事は仕事にならざるを得ない事情でもあるのだろうか。

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総論賛成、各論反対で脱炭素は進むのか

経団連はまた、水素燃料やCCSのような革命的な技術を開発するために必要な資金を企業から奪うことになるとして、炭素税にも反対している」と東洋経済オンラインは指摘する。

 
toyokeizai.net

 

 国が「脱炭素」を掲げれば、総論では賛成するが、各論では反対する。自分の懐は傷めないが、補助金があれば対応する。そんな姿が透ける。国もそれを許してしまうのだから、質が悪いということなのかもしれない。

 

 

 人はなぜにこうも愚かなことをするのだろうかと思うときがある。

 コロナもそうなのだろうが、事態が悪化してからでないと対処できない。モグラたたきでは根本解決にならない。

 もしかしたら、「ワクチン調達」にしろ、「脱炭素」の問題も根っこは同じところにあるのかもしれない。最悪の事態は想定されているのだろうか。

 シンガポールに駐在していたとき、現地スタッフがことあるたびに「失敗したらどうなる」と言っていたこと思い出す。担当者だからこそ見える、心配事もあったのかもしれない。当時は小うるさいと思うことの方が多かったが、その一言があれば、一時でも立ち止まり、考えを巡らすことになる。そういうときは失敗もせずにうまくいくことの多い。

 声をあげている人はいるのだろうか。イエスマンばかりでは危ういのかもしれない。危機感を少し感じる。国の行く末が心配になるときもある。