Up Cycle Circular’s diary

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話題の昆虫食を調べてみる コオロギとハエの幼虫

 

 食したことが無いわけではないが、昆虫食と聞くと、まだ抵抗感がある。イナゴに蜂の子、サソリなど口にしたことはあるが、昆虫を食することに何らかの偏見があるのかもしれない。

 昆虫食のニュースも増え、ブームと聞くと、少しばかり興味も沸く。

 「話題の昆虫食、コオロギ粉末でせんべい 味はえびせんべい、香ばしく」と伝える岐阜新聞の記事が目についた。

 記事は、岐阜県大垣市のキャナリィ21という会社がコオロギせんべいを今日8日から販売を始めることを伝える。

昆虫食が進んでいるタイから食用コオロギを輸入。国内で検査して粉末にしたものを使うことで、見た目でコオロギを使っていると分からなくした。製造はえびせんべいメーカーに委託しており、味はえびせんべいに似て香ばしい。1袋で35匹程度のコオロギを使う。

 コオロギはカルシウムが牛乳の約2倍あり、タンパク質も牛肉の約4倍と栄養価が高い。また育てやすくて環境負荷が小さく、味も癖がない。 (出所:岐阜新聞

www.gifu-np.co.jp

 無印良品のコオロギせんべいが人気とのニュースを目にしていたが、いよいよ地方企業でも商品発売するようになったかと思うと、少しばかり調べてみようかとの気持ちも沸く。 

 

 

 そのタイのコオロギ飼育について紹介する西日本新聞の古い記事(2016年)がある。それによれば、タイ国内にはコオロギ飼育場が2万カ所以上あり、年間生産量は約1500トンとある。

 「周辺の環境に悪影響を与えず、コストも手間もかからない」、水不足に苦しむ東北部などの稲作農家が、コオロギ飼育に乗り換えるケースも多く、大学も指導を始めているとその記事にはある。

www.nishinippon.co.jp

 国連食糧農業機関が2013年、世界の食糧難に対処するために「昆虫食」を勧めたことがタイでの普及を後押ししたと記事は説明する。

アフリカや中東から視察団がタイを訪問。唐揚げ用などのほか、栄養食品などに使用するパウダーに製品化され欧州連合(EU)や米国に輸出されることも増えた。

タイ政府は国産昆虫の信頼性を高めるため、コンケン大などと連携して年内をめどに食品としての安全基準を策定中。 (出所:西日本新聞

 「家族経営が多い飼育場の産業化を進めれば、世界の生産拠点になり得る」と話す大学教授の言葉を記事は紹介する。

 国外では昆虫食も食品産業化し、食としての安全にも配慮しているのかと納得できれば、機会があればコオロギにも挑戦してみようかとの気持ちも沸く。

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 ハエの幼虫を養鶏の餌にする、そんな事業を行なう「Better Origin」という英国の会社が300万ドル(約3億2000万円)の資金を調達したとTechcrunchが伝える。

 輸送用コンテナを使い、食品廃棄物を餌にしてハエの幼虫を飼育し、その幼虫を今度は鶏のエサにするという。

jp.techcrunch.com

 Techcrunchによれば、このプロセスには2つの効果があるという。

 飼料に使う大豆の使用を抑制することで、ブラジルのような国々で森林破壊や生息地の減少に関係することや、食糧と飼料の生産を分散化させ、食糧サプライチェーン食糧安保を守ることにあるという。

欧米経済は年間生産される食糧の約3分の1を廃棄しているが、平均すると、人口の増加に伴い、食糧の生産量を70%増やす必要がある。また、食糧廃棄物は、米国、中国に次いで、温室効果ガス(GHG)の排出量にすると第3位の原因でもある。 (出所:Techcrunch)

 

 

  調べてみれば、それなりの理由があって昆虫食の産業化が進む。単にタンパク質代替と思うと、ハードルの高さを感じてしまうが、食糧と飼料の分散化と聞くと納得感を得るところもある。

 姿形が見るとまだ遠慮したくなるが、せんべいなどで手軽にタンパク質補給ができると思えばいいのかもしれない。

 

forbesjapan.com