Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

過熱する「脱炭素」と右肩上がりの二酸化炭素濃度

 

 「日本付近の二酸化炭素濃度、増加は止まらず」、2020年も二酸化炭素CO2の観測史上最高を更新しましたと気象庁が発表した。

 気象庁は、陸上、洋上及び上空で二酸化炭素濃度の観測を続けているそうだ。

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(資料:気象庁

 新型コロナ感染拡大の影響により、2020年の世界の人為起源の二酸化炭素排出量は、前年に比べ減少したことがグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)で報告されているが、その減少量は大気中の二酸化炭素濃度の自然の変動の範囲内であり、大気中の二酸化炭素濃度の観測データからは検出できなかった気象庁は指摘する。

www.jma.go.jp

 社会経済活動により排出された二酸化炭素の約半分は陸域や海洋に吸収され、年々の増加量は自然の変動に大きく影響されるそうだ。

 

 

 Ember(エンバー)が世界の電力需給に関する最新レポートを発表したという。それによると、日本の気候変動対策は先進20カ国のリーダーとは言いがたい結果となったとBusiness Insiderが指摘する。

コロナ禍で風力・太陽光発電の活用が進み、「脱石炭」が歴史的な勢いで加速している。

ただし、先進国のなかで日本の歩みは遅く、中国は世界の潮流に逆行している……という最新の調査結果が明らかになった。 (出所:Business Insider)

www.businessinsider.jp

 2020年末時点で化石資源由来の発電燃料が世界の総発電量に占める割合は61%、原子力再生可能エネルギーなどそれ以外の割合は39%になっているという。

 2015年との比較では、世界の石炭火力発電の減少幅はわずかマイナス0.8%にとどまり、化石資源由来のガス燃料(天然ガスなど)発電は11%増えた。 (出所:Business Insider)

 新型コロナの世界的流行による行動制限などの影響を受け、世界の電力需要はリーマンショック後の2009年以来、12年ぶりに減少を記録したが、下げ幅は前年比マイナス0.1%、微減にとどまっているそうだ。

 

 

 

 Business Insiderによれば、先進20カ国のうち、石炭火力発電を大幅に減らした「トップ5」は、アメリカ、ユーロ圏、インド、ドイツ、韓国。いずれも国内における電力需要の低下が影響したという。日本は12位だったそうだ。

 また、パリ協定の目標達成に向けた取り組みの状況をあらわす指標として、総発電量に占める風力・太陽光発電の割合をみると、先進20カ国の「トップ5」はドイツ(33%)、イギリス(28%)、ユーロ圏、オーストラリア、イタリア。日本は10.1%で9位だという。

(自動車など)電動化のトレンドが強まり、電力需要も増加に向かうことは確実であり、このままだと化石燃料による発電が増えていくとBusiness Insiderは指摘する。 

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 ドイツでは、稼働開始から80年余りたった旧石炭火力発電所を爆破解体したようだ。その動画をAFPが伝える。

ドイツでは石炭火力による発電が同国のエネルギー全体の4分の1を占めているが、2038年までに石炭による発電を中止することが決まっている。 (出所:AFP BB  NEWS)

www.afpbb.com

 時代の変わり目、そんなことを感じる光景だ。

 

 

 温室効果ガス実質ゼロへ。「電化」を加速させ、電源の「脱炭素化」と一体で進める必要があると産経新聞はいう。

www.sankei.com

 大手商社が「脱炭素ビジネス」に力を入れ、動きを活発させているとNHKは報じる。

「脱炭素」が国是となり、過熱、熱狂のようにすら感じる。

 いつになったら右肩上がりの日本の二酸化炭素濃度はピークアウトするのだろうか。 政策や企業努力による長期的な活動が必要なことは言うまでもないが、それと同時に日々の改善も必要になっていないだろうか。

 「省エネ」や「緑化」、「自然回復」なら今すぐに誰にでもできそうな気がする。こうしたことを続けることがこれから先の助けにもなりそうだ。