Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【近づく気候変動サミット】求められる野心的な温室効果ガス削減目標 その実現可能性と科学的根拠は

 

 コロナの感染拡大が続く。遠目で見ていた変異株の脅威にさらされている。やはり慣れなのだろうか。それともワクチン接種が始まった安心感なのか。1波、2波、3波と繰り返すたびに波が大きくなった。4波はどこまで大きくなるのだろうか。

 波を繰り返すたびに「大丈夫だった」という実績が、コロナへの恐怖を薄めていくのだろうか。コロナを他人事と感じる人が増えたいうのであれば、この結果にうなずける。結局、人の心理に変化がなければ、抑えることは出来ないということなのだろう。

 科学的根拠、エビデンスにもとづいた対策ではないと見抜かれてしまえば、説得力はなくなる。3度目の緊急事態宣言の発出で、変化はあるのだろうか。休業要請を含め、かなり厳しい措置を検討しているそうだ。

 

 

 「気候変動サミット」がバイデン米大統領の主催で4月22日に開かれるという。

 NDC温室効果ガス削減目標をこのサミットを節目に判断するそうだ。26%だった削減目標を45%(2013年比)に引き上げることを検討しているとの報道もある。

 このサミットで具体的な削減目標の公表はあるのだろうか。  

 2050年カーボンニュートラルと整合的で、世界の物作りを支える国として、次なる成長戦略にふさわしい野心的な目標とすることで、世界の脱炭素化のリーダーシップをとっていきたい。(出所:NHK

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 このサミット後の6月にはG7が開催され、ここでも脱炭素が主要議題になる見込みだという。そして、11月にはCOP26が英グラスゴーで開催になる。

 様々な人々が、それぞれの立場で目標はこうあるべきと発信する。

 

 

 サステナブル・ブランドジャパンは「欧米に並ぶ気候変動のリーダー国になるために、2030年の温室効果ガス削減目標を最低50%以上に」という。

www.sustainablebrands.jp

 国のNDC温室効果ガス削減目標を60%以上(2013年度比)への引き上げと脱原発・脱石炭を求めるのは、「ピースフル クライメイト ストライキ」。オンラインで平和的な抗議を行なっている。

www.p-c-s.tokyo

 この活動は、女性が主体となって気候危機を考えるためのストライキ、2021年4月17日(土)~4月23日(金)の7日間開催され、 水原希子さん、二階堂ふみさんらも参加している。


www.youtube.com

 

 26%だった目標を45%に引き上げればアグレッシブとは言えそうだが、国連がすでに、45%(2010年比)減少させる必要があるといっているという(参考:サステナブル・ブランドジャパン)。

 そうであるなら、45%ではコンサバな数値に見えてしまうかもしれない。ストレッチした数字を目標にすれば、野心的に見えるかもしれないが、実現可能性は遠退き、目標達成を求められる企業はモチベーションを低下させるかもしれない。「どうせ、できるはずがないと...」

 落としどころを見つけるの骨の折れる作業だ。みなが納得できる落着点を見出し、これならできると思わせることも肝要なのだろう。45%からどれだけストレッチするかということになるのだろうか。

 

 

「CO2を原料とする完全リサイクル可能なカーボンニュートラルコンクリートの基礎的製造技術を開発」と東京大学工学部が発表した。

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(資料:東京大学工学部)

研究チームは空気中のCO2を溶かした水に砕いた廃棄コンクリートを入れることで、コンクリートの粒子の間に炭酸カルシウムが析出し、再び強度を高めて再生できることを見つけた。

現状の強度ではまだ建築物などには使えないが、炭酸カルシウムの析出を改善することで2025年に通常のコンクリートと同程度の強度を達成し、30年に再生コンクリート製の低層建築物を建てることをめざす。 (出所:日本経済新聞

www.t.u-tokyo.ac.jp

 セメントは製造時に大量のCO2を排出し、人為的な排出量の5%にのぼるといわれ、地球温暖化対策が急務と言われる産業のひとつだ。

 日本経済新聞によれば、再生コンクリートは1立方メートルあたり124キログラムのCO2を原料として使うという。50年に従来のセメントやコンクリートを半分置き換えた場合、年間で2000万トンのCO2排出を削減できるのに加え、空気中のCO2を620万トン利用できるという。

www.nikkei.com

 

 国のNDC温室効果ガス削減目標は何%となるのだろうか。その説明と科学的根拠が気になる。みなが納得、理解できれば、その実現可能性も高まるのだろう。

 未知のウイルスとの戦いはKKD(経験と勘と度胸)を強いられるのかもしれないが、様々な技術開発が進む脱炭素であれば、煙に巻くこと無くみなが納得できる説明ができるのではなかろうか。