Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【気候変動サミット】「削減目標50%への挑戦」は企業など290社の声を聞入れたのか

 

 米国が主導した「気候変動サミット」が閉幕した。各国が新たな目標を公表した。米国は2030年までの温室ガス排出削減目標を50~52%に引き上げ、中国は石炭消費量を段階的に削減する方針を明らかにし、ブラジルはアマゾンの違法森林伐採根絶に言及した。

 日本は、2030年の温室効果ガスの排出量を46%削減(2013年比)する目標を示し、「50%の高みに向けて挑戦を続ける」とするとした。

 

 

 久々に世界が足並みを揃え、この問題に立ち向かっていこうと共有されたのだろうか。

同床異夢の協力」と日本経済新聞はいう。「米国は国際社会での指導力回復をめざし、中国は緊張緩和の足がかりにしたいとの思惑がある」と指摘する。

www.nikkei.com

呉越同舟」、仲の悪い米中も、気候変動という災難を前にすれば利害は一致し、協力することもできるということでもないのかと感じる。

 気候変動サミットも「大義」の捉えどころを変えれば、見解もそれぞれに異なる。思惑があって開催されたサミットであっても、表向きの「義」は気候変動問題の解決を目指すものであって、目標が明快だからこそ、表面上の協力を引き出すことができたりする。

 こういうときは深読みしてイデオロギー的な対立を助長する文章はあまり好ましくないように感じる。対立があっても、気候変動では協力関係を維持、切磋琢磨、競争し合って問題を解決してもらわなければ目標達成が困難になる。そうならないようにすることがサミットの目的でもあったのであろう。

 そうは言っても競争すれば、覇権争いが生じるのかもしれない。それをコントロールしていくのが政治的手腕ということなのだろう。

 今回は米国の呼びかけに応じて、中国が同じ舟に乗り込んだ。舟が小舟であれば、転覆させるような大きな争いは起きないものだ。出航前から、周りがとやかく口出しし、ことを大きくしたり、波風を荒立てないことのほうが賢明だろう。そうした方が問題解決に近づく。

 

 

 気候変動サミット開催前の19日、 JCI気候変動イニシアティブが「パリ協定を実現する野心的な2030年目標を日本でも」とのメッセージを公表した。政府に「45%を超え、50%削減へのチャレンジを」との書簡を送付したという。

  このメッセージには290団体(企業 208、自治体 22、その他団体・NGOなど 60)が賛同したそうだ。

japanclimate.org

 奇しくも、政府発表はJCIのメッセージに近い。JCIのロビー活動が功を奏したのだろうか。

 今回の気候変動サミットでの目標共有で、ようやくみながスタートラインに並んだということなのだろう。目標を達成し、地球温暖化を遅らすことが出来るか否かはそれぞれの国、そして、企業や個人のこれらからの努力によるのだろう。

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 JCIのメッセージに290もの団体が賛同していることは心強いことなのかもしれない。それぞれが共有された目標に向け、行動すれば自ずと目標達成に近づいていく。

 ただ残念なことに排出量が多い産業はこのメッセージに賛同していないようだ。

 

 

 コロナ対策も、気候変動と同じなのかもしれない。

同床異夢」、みながコロナを封じ込めたいと願うのだろうけど、それぞれがみている夢は違うのかもしれない。

呉越同舟」、様々な思惑と違った夢を描いていても、利害が一致、理解、共有できば、互いが協力できるもの。変に深読みして揚げ足取りをしてもあまり意味がないのかもしれない。いつまでも悪い状態が長引くばかりだ。

 明日25日から三度、緊急事態宣言体制となる。感染拡大は収束するのだろうか。