1人あたり年平均で18着の衣服を購入し、12着の衣服を手放す。それに加えて、1年間に1回も着られていない服が1人あたり25 着もあるそうだ。
服がごみとして廃棄されると、その95%はそのまま焼却・埋め立て処分され、その量は年間で484,000トンにも及ぶ。これは、毎日、大型トラック約130台分の衣服を焼却・埋め立てしていることになるという。
服が資源として回収されれば、それだけ燃やされる衣服は減り、地球環境にやさしくなる。
#SUSTAINABLE FASHION、環境省がwebページを立ち上げ、「サステナブルファッション」を推奨する。
「1着の服を作るのに、約25kgのCO2を排出し、2300リットルもの水を使う」
環境省が公表している試算結果にそうある。
必要以上に作らなければ、それだけ地球環境への負荷は軽減され、脱炭素につながり、気候変動対策になる。
カーボンニュートラルが世界的な流れとなり、日本もその流れにのった。2050年に向けてCO2の排出量を減らし、最終的には全体で実質ゼロになるようにしていく。多くの産業がこれに賛同して、各々企業が2030年、2050年の目標を設定し、行動し始めた。そんなことが世の中の流れになった。
国内のファッション業界では、ユニクロや無印良品などグローバル市場を活躍する企業は感度が高く、それ以外は感度が低いという。感度が高い企業は、環境や人権問題を次重んじる欧米市場を気にし、それに対応する。こうしたことで問題を起こせば、ネガティブスクリー二ングの憂き目にあうという。
時代の写し鏡のように、時々のトレンドを表してきたファッション業界が、こと環境問題では、そのトレンドをリードできないことが不思議でならない。トレンドを生み出す人たちの中に、環境は意識高い系みたいな盲信があるのだろうか。
異常なほどの高温や尋常じゃない大雨など気候変動が身に迫る危機となり顕在化し、人々の心の中に将来に対する不安が芽生えたりする。世の中が「脱炭素」に動き出せば、なおさらその危機を意識せざるを得ない。
まだ行動を起こすには至らなくても関心を示す層を含めれば、半数以上が「サステナブルファッション」に関心を示していると環境省はいう。
ファッションが、今ある人々の心にある不安を少しでも和らげるようになればいいのかもしれない。それをどんなトレンドワードにすれば、いいのかわからないが、何も他の産業と同じように二酸化炭素削減ばかりを強調しなくてもよいのかもしれない。気づけば、そんな活動に参加していたみたいな自然な流れが出来上がればいいのかもしれない。
ポリエステルは衣服全体の6割に使用される主要原料と言われる。そのポリエステルのケミカルリサイクル技術のライセンスに向け、伊藤忠商事、帝人、日揮ホールディングスの3社が共同協議書を締結するという。伊藤忠商事によれば、繊維業界の幅広いネットワークを持つ伊藤忠商事の強みを活かし、廃棄されるポリエステル繊維製品を原料としたポリエステルのケミカルリサイクル技術の国内外へのライセンス展開や、コスト効率に優れたケミカルリサイクルシステムの構築を検討するという。
素材系も「サステナブルファッション」を後押しするようだ。
ファッション業界がそろそろ「サステナブル」をリードしてもいいのだろう。