Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【終わらない不条理】コロナワクチンの特許放棄に期待できるか

 

 ゴールデンウイークが明けてもコロナばかりである。ニュースを見てはため息をつく。感染が拡大し、緊急事態宣言が延長、地域も拡大するようだ。

 不条理を感じずにはいられない。不条理を英語では「absurd」といい、ラテン語の「不協和」を意味する「absurdus」が語源になっているという。

 まさに「今」を表す言葉として適当なのかもしれない。達観すれば、Wikipediaがいうように不条理とは高度な滑稽なのだろう。

 

 

不条理とは通常の予測を外れた行動または思想であり、不条理な推論とは非論理的な推論である。 (出所:Wikipedia

 ものごとが進むたびに人々の調和が強化されれば、難しい問題を解決することができるのかもしれない。調和はやすらぎを与えてくれる。少しばかりの忍耐と妥協があれば、調和できうるかもしれないが、エゴが優先されれば不協和になる。わかっているが、うまくコントロールできない。それが不条理ということなのかもしれない。

 フランスの作家、アルベール・カミュが「ペスト」という小説でも、「自分たちは結局何もコントロールできない、人生の不条理は避けられない」ということが描かれているそうだ(参考:Wikipedia)。その小説は伝染病のペストを題材にしている。

 

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 結局、集団免疫を獲得する以外、感染症はなくならないのだろうか。しかし、ワクチン接種は緩慢のまま、いつまで待たされるのだろうか。

 目を世界に転じれば、もっと状況は深刻のようだ。インドでは医療用酸素が不足し、ニュースは悲惨さを伝える。国内では、大阪の重症患者用の病床使用率が100%を超えたという。その原因を探れば色々な問題があるのだろうが、今このとき、適切な医療を受けられない人がいる。

 一部地域でワクチン接種が進んでも、ウイルスが蔓延する地域があれば、感染拡大のリスクはなくならない。それは国内外を問わないのだろう。

 

 

 WTO世界貿易機関では新型コロナワクチン特許の一時放棄の提案があったという。ロイターによれば、ワクチン不足を背景に、100を超える国から特許放棄を求める声が高まってるそうだ。

 ワクチン接種が進む、米国はこれを支持すると表明し、一方、ドイツは、米国の呼び掛けに全面的に反対しているという。

 AFPによれば、「知的財産保護はイノベーションの源泉であり、今後もそうであり続けなければならない」と独政府報道官が述べたという。ワクチン開発大手ビオンテックの存在があるようだ。

 ファイザーのCEOは「増産を阻む主な要因は特許ではない」と主張し、「問題は、自社で建設可能な施設以外に、世界に(ワクチンを生産できる)施設がないことだ」と述べたそうだ。www.afpbb.com

 

 どの主張も論理、筋はあるのかもしれない。 

特許放棄の支持派は、特許の制限緩和により低コストのジェネリックワクチン生産が進み、ワクチン普及に苦慮する途上国を支援できると主張。

反対派は、製薬会社の新治療法開発に対するインセンティブが損なわれかねないと反論している。 (出所:AFP BB NEWS)

 この問題にどういう結論を出すことができるのだろうか。どこかで調和が生まれれば変化があるかもしれない。

 SDGsの理念には「誰ひとり取り残さない」とある。多くの企業がSDGsを唱えるようになったのに、さらに多くの人が取り残されているように感じる。理想と現実が違うから理念があり、目標が生まれる。 まだまだコロナ渦は長引きそうだ。

 

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