Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【安全・安心とウェルビーイング】デンソーの安心戦略に学ぶこれからの「快適空間」

 

 旅行代理店大手JTBの最終損益が過去最大の赤字1051億円になったという。足元、需要がないのだから致し方ないのだろう。新型コロナへの恨み節が聞こえてきそうだが、知恵を絞るしか手立てはなさそうだ。ダウンサイジングを続け、このまま需要回復を待っていればいいのだろうか。これまで謳歌してきた「この世の春」はもうないと想定すれば、新しいことにチャレンジすることもできたりするのだろう。そもそも旅は人々にとっての癒しの場。旅や移動のない娯楽などないはず。もっともっと真剣に今必要な娯楽を考えて欲しいなんて感じてしまう。

 

 

 5月、企業の業績発表と今後の計画などの発表が相次ぐ。二極化するK字経済ということなのだろう。製造業主導で経済は持ち直し、サービス業は苦しい状況が続く。それでも、世界全体でみても経済は回復基調だという。

 需要のない産業に新陳代謝は起きるのだろうか。現状を受け入れ、そこから脱しようとしない限り、次の成長はない。救済措置だけでは未来が描けないのかもしれない。将来を見通すことができないと人は不安を感じる。なまじ政府に期待するから、苦しい思いをするだけのだろう。そこにそれぞれの選択がある。

 社会課題がこれだけ明らかになったことがあったのだろうか。世の中の価値基準が大きく変わり、価値があると思われたものが、新しい物差しで見直され、消費の基準が変わっていく。

 偏っていた成長の機会がどの産業に等しくあるということなのかもしれない。SDGsをビジネスチャンスに変えなくても、顕在化した課題の解決を目指せば、SDGsが標榜する世界に近づいていくのかもしれない。今多くの人々がコロナ渦に苦しみ、気候変動によって激甚化する災害を憂い、ひと時の安息の時間を求めている。

 

 

「安心戦略」で、快適空間、心安らぐ快適な空間を創出することを目指すトヨタグループのデンソーは、大気中のウイルスを除去、有害物質の見える化技術を開発し、見えない空気への不安を解消することを目標にしているという。

 2025年までに、車室内空間に普及させ、公共空間にも製品の提供も目指すそうだ。

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(資料:デンソー

 そのデンソーは、2025年までに電力のカーボンニュートラル達成させ、2035年にはモノづくりの完全なカーボンニュートラル達成を目指すそうだ。

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(資料:デンソー

 人工光合成のような新技術などで、二酸化炭素CO₂を再エネルギー化、再資源化する技術開発に取り組み、これら技術によって、家庭や産業から排出されるCO₂、大気中のCO₂を、必要な場所でどこでも回収・再利用できるシステムを開発するという。

www.denso.com

 自動車だけにこだわるのではなく、今までに培ってきたコア技術を用いて、今ある課題にチャレンジし、その解決をビジネスに変えていこうとしているようだ。

 SDGsの何番目の目標に符合するなどと野暮なことをいうまでもないのかもしれない。課題がひとつ解決に向かえば、ひとつ不安が薄らいでいく。デンソーは「モビリティ・ウェルビーイング」という。

安全・安心、ウェルビーイング、そして、共感

 これらがこれからの社会に不可欠な要素になっていきそうだ。その視点から見えれば、解決しなければならない課題はまだまだ山ほどあるのだろう。

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 生き残るための商売ほど辛いものはないのかもしれない。視点を変えれば、できることはたくさんありそうだ。元々、仕事とは自分以外の他者のために行なうものだから。そして、その労働の対価が自分の利益になる。それは金銭であったり、ときに喜びや感動であったりする。

 援助を求めてものいいのだろう。ただ仕事をしていなければ、それは長続きしないだろう。人は、仕事とその人の人柄を信頼して援助をするものだから。 

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 JTBがオリンピックの公式観戦ツアーの販売を開始したそうだ。中には450万円もする華プランもあるそうだ。

dot.asahi.com

 「背に腹は代えられぬ」ということであろうか。切羽詰まると他を省みる暇などないのだろうか。