Up Cycle Circular’s diary

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【サステナブルな紙素材】SONYらしい新たなパッケージ「オリジナルブレンドマテリアル」

 

 ソニー、言わずと知れた日本を代表する電機メーカ。昨年の利益が1兆円を超え、長く続いた不調から立ち直ったようだ。そのソニーからの発信情報に目がとまるようになった。

 昨年、EV電気自動車を開発していると聞いては驚き、ここ最近では、世界的な半導体不足がさかんに報道される中、新たな半導体工場を建設するのではと囁かれている。そればかりではない。ハードウェア製品も次々と発表し、業務用ドローンも自社開発し、販売を始めるそうだ。

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(写真:ソニー

 数年前までは業績悪化や構造改革のニュースばかりだったが大きく様変わりしてきた。SONYらしさが戻ってきたのだろうか。

 

 

 新商品「完全ワイヤレス型ヘッドホン WF-1000XM4」の発表が6月9日にあった。これに合わせて、サステナブルな紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」も発表された。その新しい素材は、新たらしいヘッドホンのパッケージに採用されているという。

オリジナルブレンドマテリアル」、ソニーが独自開発した紙素材だという。SONYらしさのこだわりがあるようだ。

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(写真:ソニー

 その新しい紙素材は、産地を特定した「竹」や「さとうきび」、「市場回収したリサイクルペーパー」を原料にしているという。

「竹」は、必要な分を選定し伐採、竹山全体を持続可能な育成サイクルにすることで 、自然への影響を軽減しているという。また、使用する竹は、中国 貴州の3つの山で栽培しているものに限定、山に生息するパンダの餌となる竹とは異なる種類の竹を原料にしているそうだ。

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(画像:ソニー

さとうきび」は砂糖を生成する過程で残る搾りかすを使用し、タイ、ナコーンサワン半径100km圏内の畑で栽培されたさとうきびの搾りかすに限定しているという。

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 竹やさとうきびに、リサイクルペーパーを組み合わせることで、強度をもたせ、また、リサイクルペーパーの風合いを活かすことで、ムダな着色をせずに、そのまま提供することにしたという。 この素材は、一切プラスチックスを含まない。それ故、分別することなく、リサイクルに出すことが可能だという。 

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(写真:ソニー

 自律型ロボット「aibo」は、ペットボトルのリサイクル材を用いたフェルト素材のみで作られたパッケージを採用されている。

 これにも独自のプロセスを採用し、ペットボトル由来のリサイクル材使用率を50%にまで引き上げることができたという。 

 

 ソニーも2050年のカーボンゼロを目指す。それに向け、環境計画「Road to Zero」を策定、推進する。製品のライフサイクル全体を通じた達成を目標にしている。

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  2040年には全世界で電力を再生可能エネルギー由来に切り替え、原材料や部品の調達先や製造委託先には、温室効果ガス排出の削減を促している。

 そればかりでなく、CVCコーポレートベンチャーキャピタルSony Innovation Fundでは、2021年6月からESG評価プロセスを導入し、投資先のESGへの取組を支援するプログラムを開始したという。

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 今までAppleの環境活動の先進性に目を奪われていた。改めてソニーの環境への取り組みを確認してみると、SONYらしさを感じる。その取り組みにこそ、今国内が抱える問題点が凝縮されているのかもしれないと感じたりもする。

 ソニー、グローバル企業との印象があるが、仕事の進め方については意外に日本らしさ、保守的なところを残していたりする。環境活動の推進役を担う調達の現場がどうなっているか、少しばかり気になる。目標達成に向け頑張って欲しいものだ。

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(写真:ソニー