Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【脱炭素】気候変動対策と脱資源の主導権争い

 

 EU欧州連合2035年以降の域内の新車を、排ガスを一切出さないゼロエミッション車に全面的に切り替えることを提案する方針だといいます。

 ブルームバーグによると、欧州委員会は、30年からは新車の排ガスを今年の水準から65%削減し、35年からは100%削減することを義務づける計画だといいます。

www.bloomberg.co.jp

 こうした環境基準の厳格化は、各国政府に自動車充電インフラの強化を求める規則で補完されるそうです。

 ゼロエミッション、廃棄物を一切出さないということ。「emission」とは、放出物、排出物を意味する英語で、煙突からのばい煙や自動車からの排気ガスなど大気中に排出される大気汚染物質を意味します。

 EUは、EVやFCVに傾注し、e-fuel、バイオエタノールなどにCO2などのエミッションなどを伴うものは許さずとの姿勢なのでしょうか。

 

 

 原油価格が高騰しています。1バレル=US$75を超えているそうです。

 脱炭素には追い風になりそうですが、足下では経済への悪影響が心配されているようです。

jp.reuters.com

  原油価格の高騰は、クリーンエネルギーへの移行を迫られているエクソンロイヤル・ダッチ・シェルなどの石油大手にも追い風のようで、風力や太陽エネルギーなどに投資できる軍資金が増えるだろうとロイターは指摘します。

米エネルギー省は最近の報告書で、プラグインハイブリッド車の維持費が1マイル当たり0.06ドルと、内燃エンジン車の同0.10ドルを下回っていると指摘した。油価が上がればこの構図に拍車が掛かるだろう。(出所:ロイター)

 

 石油価格の上昇はクリーンエネルギーの追い風になりそうだとロイターはいいます。

 価格上昇の悪影響抜きで、脱炭素を志向するライフスタイルへの転換のインセンティブになるのでしょうか。

f:id:dsupplying:20210711152104j:plain

 

「資源争奪の世界史」を日経スタイルが紹介しています。

  資源国や石油メジャーが石油や天然ガスといった資源をコントロールすることで世界の主導権を握ったように、エネルギー転換においては、石炭をはじめとする従来型の化石燃料依存から脱却する技術を制する者が主導権を握ることになる。
(引用:「資源争奪の世界史」149ページ via日経スタイル)

 再生可能エネルギー、地理的な差はありますが地球上の誰もが等しく使えるエネルギーです。

 サーキュラーエコノミー循環型社会、新たな資源採掘を最小化し、今あるものを再利用する経済社会を目指します。

 つい最近まではその資源の権益を守るために争いを続けていました。利用する資源を変えることで争いがなくなるのであれば、それを推進しない理由はないように感じます。

 

 

 化石燃料に頼らない脱炭素社会の推進は、電化の推進とも言われます。まだ国内には乗り遅れている企業も多数あるようです。

 ブルームバーグによると、日本銀行が次の金融政策決定会合で、気候変動対応投融資を支援する新たな資金供給制度の骨子を公表するといいます。金融機関の利用残高に応じてプラス金利を付利することを通じて、日本経済のグリーン化を後押しする仕組みになるとの見方が出ているそうです。

www.bloomberg.co.jp

 欧州ではすでに中央銀行が気候問題への取り組みを主導いているといいます。一方で、中央銀行が特定分野に肩入れしたり、権限が際限なく拡大し、政府との責任の所在が曖昧になってしまうことを懸念もあるといいます。

 深刻になった気候変動の問題が未来が描けないなら、こうしたことも許されるのではないのでしょうか。これまでの画一的な経済の概念を改めていくべきではないかとも感じます。