スズキとダイハツが、トヨタが推進する、軽商用自動車事業におけるCASE普及に向けての「Commercial Japan Partnership」プロジェクトに参画するといいます。
「Commercial Japan Partnership」とは、いすゞと日野自動車、トヨタのそれぞれの強みを組合せ、CASEの社会実装・普及を加速させ、輸送業における課題解決やカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目標に、今年4月に立ち上げられたといいます。
「Commercial Japan Partnership」にスズキ・ダイハツが加わり、協業体制を軽自動車まで拡大することで、トラックから軽商用車まで一気通貫での物流効率化、また、軽自動車の電動化、安全技術の普及に向けた取り組みを推進していくとトヨタはいいます。
Commercial Japan Partnership協業による主な目標
・物流の大動脈(トラック物流)から毛細血管(軽商用車)までつながるコネクティッド基盤構築による物流効率化
・安心安全に寄与する先進安全技術の商用車~軽自動車までの普及拡大
・サステナブルな普及を目指す良品廉価な軽自動車の電動化に向けた技術協力
(出所:トヨタ自動車)
まるで、トヨタ1社で国内の自動車業界におけるカーボンニュートラル達成と産業の発展を担っているように感じてしまいます。
中国製や海外製EV商用車が徐々に浸透し始めているといいます。そうしたこと危機感も背景にあるのでしょうか。
クルマの電動化には蓄電池が欠かせません。トヨタはパナソニックと車載用電池で協業し、プライムプラネットエナジー&ソリューションズがその事業を担い、自社向け蓄電池ばかりでなく、他社EV向け蓄電池も供給しているといいます。
ブルームバーグによれば、この会社では2025年までに最大7割の原価低減に取り組むといいます。
自動車メーカーがEV電気自動車へのシフトを強化する中、コスト面でも中国や韓国メーカーの優位に立つため、効率化目標を大幅に引き上げるそうです。
開発や生産準備工程に加えて設備投資の削減、自社とサプライヤーの生産現場の効率化の4分野での取り組みを進め、22年までに電池の原価を40-50%削減することを見込んでいる。さらに25年までに生産性を22年比で倍にするなど新たな目標を設定して65-70%の原価低減を目指すとしている。 (出所:ブルームバーグ)
トヨタは5月、電動車の世界販売が30年に約800万台になるとの見通しを示し、その内、ゼロエミッション車であるEVとFCV燃料電池車は200万台になると公表しています。
主流をHVハイブリッド車においてようで、欧米の流れと逆行していそうです。今後、国ごとの規制や政策に合わせ、適宜対応していくことになっていくのでしょうか。
自動車メーカーの方向性がはっきりするのは24ー25年ごろとみており、大事なのは「ベースでしっかり稼げるビジネスにしていくこと」。 (出所:ブルームバーグ)
プライムプラネットは、兵庫県内数カ所と中国・大連の生産拠点があり、22年からは徳島でもHV用蓄電池年産50万台分の生産を始めるといいます。
海外の競合他社は、規模を確保しコスト低減に取り組み、プライムプラネットはまずは効率化を推進してコスト競争力を高めるようです。それは重要部品の国内生産維持の流れにもつながっていくのでしょうか。
グローバル化の反動と地政学もあるのでしょうけれども、脱炭素など経済価値が転換されていく中で、国内生産が注目されていいのかもしれません。もう付加価値を海外に流出させることもないのでしょう。