Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【蓄電池のサプライチェーン】脱炭素と低コスト化、ニッケル確保に走るテスラ 

 

 今日もまた暑いといいます。日本各地で猛暑日になり、日本海側ではフェーン現象の影響もあって38℃予想の地点もあるといいます。猛暑もすっかり常態化し、驚かなくなったかわりに、ただうんざりするだけです。

 エアコンの室外機の音を聞いていると虚しさを感じるときがあります。熱中症対策でやむなしなのでしょうけど、電気を浪費しているように感じたりします。悪循環と思いつつも、仕方のないことと諦めざるを得ません。早く再生可能エネルギーが主たる電源になって欲しいものです。

 

 米テスラの発電・蓄電事業が成長しているといいます。その売上は前四半期比で62%増えているそうです。

 TechCrunchによれば、需要が供給を上回る状態だといいます。しかし、ここでも半導体不足が影響しているそうです。「この大幅な不足が解消されれば、家庭用蓄電池Powerwallの生産を大幅に増やすことができます」と、マスクCEOが語っているといいます。

jp.techcrunch.com

来年には、Powerwallを年100万台のペースにできるチャンスがあると思います、おそらく週に2万台のペースということです。繰り返しますが、セルの供給や半導体に依存します【略】

世界が持続可能なエネルギー生産に移行する中で、太陽光や風力が注目されていますが、その不安定さを考えると、安定した電気を供給するためにはバッテリーパックが必要なのです。そして、世界中の電力事業を見れば、膨大な量のバックアップバッテリーを必要としていることがわかります。 (出所:TechCrunch)

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(写真:テスラ)

 テスラは、バッテリーの増産に余念がなく、必要な原料であるリチウムの確保までに動いているといいます。
 TechCrunchによれば、英豪資源大手のBHPからニッケルの供給を受けるそうです。今後10年で需要の急増が見込まれている原材料の直接提供元を確保しようとしているといいます。

jp.techcrunch.com

環境に優しいニッケル供給源を見つけるのは容易ではない。現在の回収、精錬技術特有の問題も関係しているし、採掘会社が直接管理可能な問題もある。例えば世界最大の金属生産国であるインドネシアのニッケル採鉱事業は、石炭への依存と廃棄物処理技術に関して非難の的になっている。

BHPは同社の活動は世界最大級に持続可能だと謳っており、Teslaがパートナーとしてこの会社を選んだことはその事実を裏付けるものと見ることができる。同社は2021年2月に、あるニッケル精錬所の使用電力の50%が太陽エネルギー由来であると述べている。 (出所:TechCrunch)

 

 テスラの家庭用蓄電池パワーウォールは業界最安値で消費税抜きで100万円を切りますが、まだそれなりの価格です。その普及には低廉化が欠かせないのでしょうが、原料まで遡ってみれば、ここにもエネルギー問題が存在し、障壁になっているのでしょうか。

 国内では、金属リサイクル大手のエンビプロ・ホールディングスが、リチウムイオン電池から希少金属を回収する際のコスト削減に向け、日本原子力研究開発機構のスタートアップ企業と共同研究に取り組むそうです。

www.nikkei.com

 リサイクルした希少金属は現状では電池部品にはまだ利用されていないといいます。今後、精製方法を変えて研究することでリサイクル材の実用化、低価格化を目指すといいます。 

 温暖化対策に欠かせないカーボンニュートラルと脱炭素。理念先行で技術開発に時間のかかる大型案件に注目が集まるのでしょうが、こうした低コスト化にもっと期待が集まってもよさそうなものです。早い時期に普及すれば、温暖化に少しブレーキがかけることにつながるのではないでしょうか。