Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

悪化するコロナ渦、表面化する多くの社会矛盾

 

 ボクシング女子フェザー級で入江選手が金メダルを獲得しました。そのけれんみのない笑顔がとっても好印象。格闘技に似合わないその雰囲気で、さわやかな気分になります。

 一方、街中は相変わらずのコロナ。異様な陽性率の伸長に驚きます。発表されるデータはどれも急激な右肩上がりの傾向。ピークアウトはいつになるのかと気がかりです。

 

 コロナがそんな状況にあっても、世界の経済は回復傾向にあるようで、色々な素材が値上がりしているといいます。

 鉄鋼メーカが値上げに動き、10%の値上げに相当するトン当たり1万円のアップを要請しているそうです。

 ブルームバーグによれば、日本製鉄は自動車部品メーカー向けで、値上げを要請し、これに加え、今年10月出荷分から、直近の納入実績を基準として一定比率の供給量削減を要請しているといいます。そればかりでなく、値上げに合意できない場合は、追加措置として供給カットの幅を拡大し、合計で最大3割の削減を実施すると通知しているそうです。

夏ごろから自動車向けの需要が急激に回復した一方、鉄鋼生産に必要な鉄鉱石や石炭価格は大幅に上昇。(中略)足元でも鋼材需給は極めてタイトで国内外の一部顧客の受注を断っている状況が続いているとし、供給削減への理解を求めている。 (出所:ブルームバーグ

 今後の展開次第では、半導体不足などの影響を受ける自動車メーカー各社の製品供給力が一段と低下する可能性があると指摘します。

www.bloomberg.co.jp

 一方、トヨタが鋼板の調達方法を見直すといいます。

 鋼板の大口調達においては集中購買方式が採用され、量をまとめて価格交渉するのが一般的になっています。トヨタはその集中購買で管理自給方式を採用し、部品メーカ各社が決定された価格で自給できるようにしていたようですが、これを完全支給方式に変える方向との見方が有力となっているそうです。

 値上げや供給調整しようとする日本製鉄など鉄鋼メーカへの対抗措置なのでしょうか。 

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 中国においても、状況は同じようで、鋼板は値上がりし、供給不足に陥っているようで、関税を引き上げ、輸出を抑えることでその解消を図っているといいます。

www.nikkei.com

 中国当局は、二酸化炭素排出量の削減目的もあって、粗鋼の減産を進めたい思惑もあると日本経済新聞は指摘しています。

 

 ここ最近、つくづくコロナ渦なんだなと再認識しています。

 東京オリンピックの開催是非で世相が騒然とし、そこにコロナの再拡大を襲い掛かってきています。コロナで影響を受ける飲食店などの産業がある一方で、製造業を中心にした産業は、業績が好調だといいます。それを受けて材料系は値上がりし、生産調整しなければならない状況にあるといいます。材料系メーカの多くは二酸化炭素を多量に排出していることからすれば、過剰生産が止み、適量生産になれば脱炭素には貢献しそうです。しかし、こうした材料系の値上がりは誰が負担しなければなりません。

 様々な矛盾が表面化してきていると感じます。そうはいっても今は、まず新型コロナの収束が何よりも優先されて進められるべきなのでしょう。コロナ収束が遅れれば遅れほど、これら矛盾による悪影響が広がっていきそうな気がします。

 色々対策のようなことが報じられています。このままでコロナを収束させることはできるのでしょうか。