Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【脱炭素】CCS 二酸化炭素の地下貯留は「カーボンオフセット」にあらず

 

「実質ゼロLNG」、資源メジャーなどがCO2二酸化炭素を回収して地下に貯留するCCSを使って、カーボンニュートラル天然ガスとして売る方針と日本経済新聞が報じています。

 それによると、その手法は、海外ではうわべの対策と批判されており、脱炭素のルールの攻防は激しさを増しているといいます。

www.nikkei.com

 日本経済新聞によると、カタール国営石油会社は2027年完工のLNGプラントの増設工事で、年間220万トンのCO2を回収して地中に貯留するCCS設備を併設するそうです。

 ただ、CO2の排出枠の売買ルールを議論している国際的なタスクフォースで、「カーボンオフセット(相殺)」について話し合っているといいますが、CCSについては反対意見があるといいます。

 

資源メジャーなどは、規模が限られる植林だけでなくCCSの活用も狙っている。

ただ、この「カーボンオフセット(相殺)」が適切かを認証する民間機関では、CCSの手法はほとんど認められていないという。 (出所:日本経済新聞

 SBTiサイエンス・ベースド・ターゲッツ・イニシアチブなどは「植林などで大気から吸収した分だけを認めるべきだ」と強く主張しているそうです。

 過剰に放出されたものであろうがなかろうが、CO2は自然法則に則り処理されるのが筋のような気がします。

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 CCSによるCO2の地下貯留は人間のエゴが過ぎるような気がする。自分たちで過剰に作り出したものを、危機的な温暖化を理由に貯留することが道義に反するような気がしてなりませんい。その貯留したCO2は、未来永劫、害悪にならないと保証できるのでしょうか。

 

 

 三菱商事が、豪州にて原生林再生プロジェクトを通じたCO2の吸収と獲得されたカーボンクレジットの販売を手掛ける企業に資本参加するといいます。

 この企業が手掛ける原生林再生プロジェクトは、過去の伐採や過放牧によって消失した原生林の再生を促すものだそうです。 

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(写真:三菱商事

農家の牧畜プロセス見直し、改善を通じて原生林を再生し大気中のCO2を吸収・固着することで、豪州政府が公式に認証するカーボンクレジットを獲得・販売する事業です。エーアイカーボン社はポートフォリオの拡大を通じ、年間では最大約500万トン、2050年までに累計約1億トンのCO2吸収に貢献出来る見込みです。(出所:三菱商事

www.mitsubishicorp.com

 三菱商事は、同様な原生林再生プロジェクトを通して大気中のCO2を吸収し、地球規模の低・脱炭素社会の実現に貢献していきますといいます。また、今回の資本参画を足掛かりにして、競争力ある原生林再生プロジェクトのノウハウを獲得して、豪州や世界の他地域に同プロジェクトを拡大・展開、「低炭素社会への移行」、並びに「地域・コミュニティーとの共生」等を推進していくといいます。

 

 人の手によって破壊された自然を回復させ、それによってCO2循環を促すほうが道理にはかなっていないでしょうか。

 それでも不足する「カーボンオフセット」があるというのであれば、自然法則に反しない範囲で技術開発を行ない、CO2を何か別なものに転用すべきなのでしょう。

議論に参加する三井物産戦略研究所の本郷尚氏は「一部の参加者にとって化石燃料を使うことが『』で、科学的な議論になりにくい」と話す。 (出所:日本経済新聞

 これまでの化石燃料に頼る経済を「是」とする理由は何なのでしょうか。

 温暖化の主たる要因はそこにあったのではないでしょうか。話し合いを加速させるために、譲歩すべきはどちらの人たちなのでしょうか。自明のような気がします。