Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

多様性と調和、共生社会の実現と謳うパラリンピックと現実の社会

 

 パラリンピックが始まりました。メダルラッシュ再来。連日、パラアスリートたちが活躍しています。

多様性と調和。共生社会の実現

パラリンピックで掲げられる言葉はきれいごとにも聞こえる。

けれど、大きなきっかけと繰り返すうたい文句がなければ、社会は動かず、世間の関心は集まらないのも現実だ。 (出所:東京新聞

www.tokyo-np.co.jp

 パラリンピックだから、意識されることなのでしょうか。

 

 美容家電で国内シェアトップのパナソニックが7月、新しいヘアドライヤーを発表しました。産経新聞によれば、ブランド広告をダイバーシティー(多様性)を意識した表現に変えたといいます。

美容家電の広告はキャッチコピーも時代とともに変遷してきた。

平成4年以降、「きれいなおねえさんは、好きですか。」で若い女性を中心に認知度を高めたが、22年からは女性の社会進出に合わせ「忙しい人を、美しい人へ。」に。

今回のキャッチコピーは年齢、性別を問わず訴えかける「美しさは、私の中にある。」とした。 (出所:産経新聞

www.sankei.com

 こうした変化を少しづつ積み重ねていくことで、意識の変化につながっていくのでしょうか。

f:id:dsupplying:20210827105917p:plain

(写真:パナソニック

 ユニリーバは2020年3月、採用試験の際、提出される履歴書から性別欄を削除し、顔写真の添付と性別が類推できるファーストネームの記入も不要にしたそうです。

 日経ビジネスによると、「ジェンダーが理由で、個人のやりたいことや希望が実現できない現実があるのではないか。LUXとして何かできることはないか」、それが起点になり、幾度となく話し合いが行われ、履歴書の新しい様式が出来上がったといいます。

business.nikkei.com

 ユニリーバの活動に賛同する企業も増えているそうですが、多様性を標榜する企業がすべて、今すぐに履歴書の書式を変えていくことは難しいことなのかもしれません。

 目から入る容姿の違いという情報を適切に処理できなければ、その後の採用活動にも影響してしまうのではないでしょうか。

 

 職場が変わったとき、部下に障がいをもった方がいました。軽度に半身にまひがある人でした。記憶も薄れていますが、初めて面談したとき、症状とこちらで理解しておくべきことを確認した、その程度だった記憶があります。その他にも職場には障がいをもった方が何人かいました。何か特別な感情というものはありませんでした。配慮はするが、特別視するつもりもなく、ごく普通に、一緒に仕事をしていました。意識しすぎないように、無意識に心がけていただけなのかもしれません。

 ただこうした多様なる社会を受け入れることができない人もいるのではないでしょうか。

 海外駐在から帰任するとき、後任に指名された人は仕事は上手にこなし、それなりに人望がありましたが、海外はめっきり駄目で、国内で仕事しているときとはまるで別人になってしまいます。出張であれば、多少は我慢ができても、駐在となれば、そうはいきません。海外で強いられる長い時間を負担に感じるのかもしれません。

 様々な人種の人々、信奉する宗教の違い、食文化の差、その多様性を負担と思う人もいるのかもしれません。人それぞれ、背景に違いがあります。彼は赴任後半年もせずうつ病になってしまいました。その彼の姿を思い出すと、一様にして多様性を受けれるべきとは言い難いところもあります。彼の個性もまた多様性の一部であるし、受け入れるべきなのでしょう。

 何かを特別視するのではなく、理解に努め、少しだけ配慮する、自分以外への他者にそう振舞うことができれば、もう少し暮らしやすくなり、それが多様性を認め合う社会になっていくのではないでしょうか。