Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

食の脱炭素は進むのだろうか、菜食、地産地消、代替肉にポイント付与で推進か

今年の夏も、世界各地で異常気象が発生した。地球温暖化の影響が意識せざるを得ない。異常気象がおきれば、農作物の不作につながる。野菜高騰などはこれまで何度も経験してきた。こうしたことは何も国内ばかりではない。世界でも同様に異常気象による農作物への影響がある。

 米シカゴ商品取引所では今月に入り、小麦先物が年初来高値を更新したという。天候不順により、ロシアやカナダの生産量が減るとの予想が相場を押し上げたそうだ。大豆やコーヒー、砂糖相場なども高値圏で推移しているという。

 世界的な人口の爆発的増加、異常気象による不作の頻発化、そんなことを考慮すれば、食糧増産が今以上に求められることになっていくのだろうか。

 

「食」は世界全体の温室効果ガスの排出量の3分の1を占めるとされる。「脱炭素社会」には、この対策が喫緊の課題になっている。

 環境省が30日、食品メーカーなどとオンラインの意見交換会を開いたという。

 この席上、環境省が、菜食の普及や食品ロスの削減、農薬や化学肥料を使わない有機食材の利用といった取り組みを、来年度創設するポイント制度の対象にする方針を明らかにしたと共同通信は伝える。

nordot.app

畜産業で発生する温室効果ガスの削減に向け、菜食の普及を訴える小泉進次郎環境相は「今すぐ始められる脱炭素の行動が食だ。旬のものやビーガン(完全菜食主義者)向け食品などにポイントを付ける」と話した。地産地消や、季節の食材を消費する「旬産旬消」も制度の対象とする考えだ。(出所:共同通信

 これに対し大手スーパーからは、食材がどの程度環境に配慮しているのか表示してほしいというお客の意見を紹介したそうだ。 

 一方、堀内環境副大臣が持続可能で健康にもつながる食生活として、肉類に比べて温室効果ガスの排出量が少ないとされる大豆でできた代替肉を取り入れることなどの重要性を説明したという。代替肉もポイントの対象になるのだろうか。

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「新型コロナで代替肉へのシフトが加速か」と日本経済新聞はいう。

 世界の食肉産業がパンデミックでの工場の稼働停止、それに伴う価格上昇、新型コロナに感染した作業員の増加により、食肉の供給が不足する見通しを明らかにして批判を浴びたそうだ。こうした状況が植物肉各社に新たな商機をもたらす可能性があるという。

www.nikkei.com

代替肉の消費は、肉の消費にまつわる倫理的問題も軽減する。食肉産業はかねて生産慣習の背後にある倫理的な問題が懸念されてきた。(中略)

代替肉は汚染も軽減する。無菌環境の研究所で肉を培養すれば汚染が減り、肉の生産に抗生物質を使わずに済むようになる。そうすれば現行の食料生産バリューチェーンの世界的な健康問題を軽減する役割を果たせる。 (出所:日本経済新聞

 

 その代替肉の製造工程には、3Dプリンターが導入され、植物肉のビヨンドミートも導入しているそうだ。植物肉ばかりでなく、培養肉も同様に3Dプリンターの使用するようになっているという。

 東レによれば、イスラエルの培養肉スタートアップ企業 Aleph Farms は、牛から抽出した生きた細胞を 3D バイオプリンティングし、血管のような独自のシステム内で培養して成長、分化、相互作用させることで本物のステーキ肉のように筋肉や脂肪分を含む培養リブロース肉の開発に成功したという。2022 年頃までには、イスラエル国内で培養ステーキ肉の販売を目指しているそうだ。

 この先、代替肉がもっと一般化していくのかもしれない。

「食」とは難しいテーマだ。将来の食糧危機や代替肉への転換などを考慮すれば、農地の拡大が必要になっていきそうだ。しかし、今のままの状態で農業など一次産業を拡大させていけば、二酸化炭素の排出の拡大につながりかねない。有効な対策が求められるのだろうが、これといって明快な解もなそうだ。できることから一つひとつ積み重ねていくいかないのだろうか。