米国の人気スニーカブランド「オールバーズ」がIPO新規株式公開を目指しているという。
オールバーズといえば、サステナブルな企業としてのイメージが強い。素材には天然素材を使用し、シンプルなデザイン、カーボンフットプリントを公開し、同業のアディダスともコラボし新商品を発表する。そればかりでなく、Bコープ認証も取得している。
そんなサステナブルな企業がいよいよナスダックへの上場を目指すという。
ブルームバーグによれば、IPOの規模を1億ドル(約110億円)に設定しているそうで、IPO条件が決まれば変わる可能性があるという。今年6月のブルームバーグの報道では、20億ドル以上の評価額を目指しているといわれていた。
WWD Japanによれば、オールバーズは2016年の創業で、世界に27の直営店を構え、20年の売り上げの89%はECによるものだったそうだ。日本では20年1月に原宿に初出店し、21年6月に丸の内に2号店がオープンした。
ここ最近、ESG投資の翳りを伝えるニュースが増えているが、そんな中にあっては明るいニュースではないであろうか。 実際、どの程度の金額でIPOとなるのか興味が尽きない。
今後の伸びに期待が集まるESG投資だが、欧州では基準見直しで投資額が減少、各国で規制強化の動きが広がり、今後も伸びは減速しそうだと日本経済新聞は指摘する。
GPIF年金積立金管理運用独立行政法人の2020年度のESGの運用収益率は、選定した7つの指数のうち6指数で、ベースとなる親指数や市場平均を下回ったといい、コロナ禍の株価急落局面で強さを発揮したESG指数が、20年度のリバウンド局面で、やや出遅れたとブルームバーグが報じた。
そんな中、米インベスコのクリーンエネルギー関連のETF上場投資信託の一つを空売りする動きが強まっているという。
「サプライチェーンの問題などでかつての人気が衰え、値下がりを見込むポジションが積み上がっている」。
世界の太陽光発電業界は、運送費高騰や米中関係の緊張に起因するサプライチェーンの混乱など物流上の諸問題に直面している。今年はコストが急上昇し、消費者からの需要の減少と利益率低下に見舞われている企業にとってさらなる打撃となっている。(出所:ブルームバーグ)
期待してもよさそうな太陽光発電関連も、従来のように経済の論理でポジションが変化する。当たり前のことなのかもしれない。
コモディティ化してしまった現在のパネルに、技術革新が求められているということなのだろうか。
他方、従来のシリコン系太陽電池の1/100程度と非常に薄くでき、軽量で曲げることができる「ペロブスカイト太陽電池」に注目が集まっているという。
建物壁面や窓への設置も技術的には可能といわれ、従来に比べて、より安価に製造できることもメリットといわれている。
こうしたことから世界各国で、ペロブスカイト太陽電池が「シリコンに対抗しうるゲームチェンジャー」と位置づけられ、長期的にはシリコンと置き換えることを念頭に実用化を目指す動きが活発化。
例えば、米国では国立再生可能エネルギー研究所が中心となって「米国先進ペロブスカイト製造コンソーシアム」が設立されている。 (出所:Kabutan)
期待先行のESG投資との印象が拭えない。こうした新技術も既に織り込み済なのだろうか。期待が徐々に現実化されていく段階が近づいているような気がする。期待を裏切らずに実用化できるのだろうか。これからESG投資の真価も問われていくことになりそうだ。