Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

アイリスオーヤマが販売を始めた【JIS規格認証のマスク】とは

 

 三菱電機の工場のISO9001が認証停止になり、住友ゴム工業加古川工場でも一部製品におけるISO9001が取り消しになったといいます。企業の不祥事が続いています。

 ISOは国際的な品質認証で、国内にはJIS規格があります。

 国内の品質規格であるJISに違反するケースも発生しています。日軽金の名古屋工場のアルミ板製品がJISで規定された試験内容とは異なる試験を長年実施していたとして認証取り消しになる事態も起きました。品質認証に対する企業の姿勢が問われているのでしょう。

 そんな中、今や欠かすことができなくなった「マスク」にJIS(日本産業規格)が6月に制定されたといいます。

 経済産業省によれば、日本にはマスクに対する公的な規格・基準は整備されていなかったといいます。現下の状況を鑑み、試験方法の標準化を図り、一定の性能要件以上のマスクを国内で流通させる観点から、JIS規格を制定したそうです。

 

 

アイリスオーヤマがJIS規格に適合したマスクを販売開始

 新しいマスクのJIS規格に適合したマスクを アイリスオーヤマが9月2日から販売を始めたといいます。

f:id:dsupplying:20210903105721p:plain

(資料:アイリスオーヤマ

 マスクのJIS規格、JIS T9001の一般用と医療用クラスⅠに適合するマスクのようです。

 JIS規格に適合した国産「ナノエアーマスク」は、特殊ナノファイバー加工の中間層を使用することで口元の温度上昇が従来品と比較して約半分に抑えられるため、蒸れによる不快感を緩和するため、息がしやすくなるといいます。

 アイリスオーヤマが販売する医療用クラスⅠに適合するマスクは、いわゆる「サージカルマスク」と呼んでもよいものなのでしょうか。少し気になります。

f:id:dsupplying:20210903112847p:plain

(資料:アイリスオーヤマ

www.irisohyama.co.jp

 アイリスオーヤマが認証を受けたマスクのJIS規格とは何でしょうか?

マスクに関するJIS(日本産業規格)のポイント 

形状や材質は問わない

 制定されたマスクのJIS規格のポイントは、「規定された試験方法により試験を行い、捕集機能、圧力損失、安全・衛生項目等の性能要件を満たしていれば、材質、形状は限定しない」といいます。

 

規格適合審査は必須

 また、規格の適合性の審査は、日本衛生材料工業連合会(JHPIA)が関係する機関と連携し行い、適合したマスクには、JHPIAが発行する認証番号等を表示することができるそうです。

www.jhpia.or.jp

マスクの品質規格JISの概要

2種の規格で構成

 今回のマスクの品質規格は、JIS T9001(医療用及び一般用マスクの性能要件及び試験方法)と、 JIS T9002(感染対策医療用マスクの性能要件及び試験方法) からなり、JIS T9001は、微小粒子や飛まつ等の体内への侵入を防御・空気中への飛散を防止することを目的とした、医療用・一般用マスクについての規格、JIS T9002は医療施設において感染症にり患している患者等に対し、手術、治療又は接近する医療従事者などが使用するマスクについての規格と厚生労働省は説明しています。

www.mhlw.go.jp

規格適合に求められる性能

 経済産業省によれば、

JIS T9001における医療用マスクは、一般医療、介護などに従事する方々が使用するマスクについて規定しています。医療用マスクに必要な捕集機能、人工血液バリア性について、クラスⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つにクラス分類し、また、共通の圧力損失(通気性)、安全・衛生項目を規定しています。

 一般用マスクは、一般消費者が使用するマスクで、4つの捕集機能(微粒子状物質バクテリアを含む飛まつ、ウイルスを含む飛まつ、花粉粒子)と圧力損失(通気性)、安全・衛生項目を規定しています。

 

JIS T9002の感染対策医療用マスクは、感染対策に従事する医療従事者の方々が使用するマスクについて規定しています。人工血液バリア性等の付加性能の有無でタイプⅠ、Ⅱに分類し、性能要件とその試験法に加えて、安全・衛生面も考慮して規定しています。 

www.meti.go.jp

 仔細はJISの規格書にて確認すべきですが、以下ガイドラインがJHPIAから公表されています。

マスクのJISについて、及び日衛連が計画するJIS適合性審査について
「JIS T9001 医療用マスク、一般用マスク」 (JHPIA)

医療用マスク、一般用マスクのJIS 適合申請用表示・広告ガイドライン (JHPIA)

 販売されるマスクの性能は、商品に表示される内容によって判別できそうです。

f:id:dsupplying:20210903113042p:plain

(資料:アイリスオーヤマ

ミニチュアベアリングメーカがマスクを販売

 ミニチュアベアリングなどを生産する部品メーカのミネベアミツミがマスクを生産、販売しているといいます。

 このコロナ渦にあって、元々は社員とその家族に配る分だけでも自社で製造しようということがきっかけで、マスク生産を始めたといいます。

このマスクに使われているフィルターは、VFE(ウイルス飛沫ろ過効率)、PFE(微小粒子ろ過効率)、BFE(細菌ろ過効率)がともに高く、ウイルス飛沫も微小粒子も細菌も99%以上カットできる。これは、PM2.5のカットも可能な性能だ。この数値は、ミネベアミツミが米国のネルソン研究所に試験を依頼して得たものだという。(出所: IT mediaニュース)

f:id:dsupplying:20210903114603p:plain

(写真:ミネベアミツミ

 IT mediaニュースによれば、ミネベアミツミはマスク工業会にも加入し、現在策定中のマスクのJIS規格にも医療用規格で申請中だといいます。

www.itmedia.co.jp

「マスクは身近にありながら、性能の違いやメーカーごとの違いなどが分かりにくい製品」、それだけにJIS規格の策定はユーザーにとって助かる話とIT mediaニュースは指摘します。

 

 まだ大量に買い込んだ在庫があるので、マスクの新品を購入する予定はないのですが、JIS認証のマスクには興味を持ちます。

 ミネベアミツミとなる前のミネベア社とミツミ電機との前々職のときには取引があり、少しばかり愛着もあります。ミネベアの工場を訪問する機会はなかったのですが、ミツミの工場は何か所も訪問していました。どちらの会社も真面目といえば真面目な会社です。

 ミネベアミツミから発売されているマスクは3種あって、国内製とタイ製で価格が1000円も異なるそうです。使っている素材も製法も同じであるといいますが、工賃の差なのでしょうか。あえて価格差をつけなくても良さそうなものです。これがミネベアミツミの真面目なところなのでしょうか。部品メーカーらしいなんて感じてしまいました。