Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

停滞する経済に、資源や部品が不足する矛盾と1回使っただけのアルミカップまでリサイクルするサッカークラブ

 

 世界でもデルタ株の感染が続いている。米国では、5日付の新規感染者数の7日間平均が16万人にもおよぶ。欧州でも東南アジアでも日本と同程度で感染が続いているようだ。

 国内のコロナもようやくピークアウトしたようにみえるが、まだまだ油断はできないそうにもないが、コロナが少し落ちつき始めると、また経済対策の話になる。

「デルタ変異株の感染拡大による経済回復の遅れが顕著になってきた」とブルームバーグもいう。

 世界の経済活動が以前の状態に完全に戻ったわけでもないはずなのに、資源や半導体などの部品が不足する。コンテナも不足になり、それを運ぶ船も不足で物流が目詰まりを起こしているという。理屈はあるのだろうけれども、何か矛盾を感じる。

 悪循環に陥っていないだろうか。もしかして、コロナ前よりかえって物が増えていないだろうか。焦らず、もう少しスローであってもよさそうなものだ。

 みなが気候危機というようになり、その対策が求められているのに、違う方向に進んでいるように見えてしまう。パラリンピックの感動もつかの間、SDGsはいったいどこにいったのだろうかと感じることもある。

 

 

 アフリカ ギニアでクーデターの情報が流れると、早速、ロンドンのアルミの取引価格が2011年以来の高値になったという。ギニアはアルミの原料であるボーキサイトの主要生産国で、世界有数の埋蔵量があるとされる。これまでも高値で取引されていただけに、影響が心配される。

 アルミ缶のスクラップ、アルミ缶プレスの価格も高騰しているという。約13年ぶりに200円/kg台に乗せたそうだ。LMEロンドンのアルミ相場高騰の影響に加え、需要も旺盛なため、価格上昇の勢いが止まらないと日刊産業新聞はいう。

 一時、ペットボトル代替として、リサイクルしやすいアルミ缶に注目が集まったが、この価格動向を見ると、その転換は厳しいのかもしれない。

 そんな中、サッカーの名古屋グランパスが8月、「鯱の大祭典2021」を開催、そこで、再生アルミ原料で生産した「環境配慮型アルミカップ」で飲料を提供したという。

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(写真:名古屋グランパス

nagoya-grampus.jp

 名古屋グランパスによれば、使用済みのアルミカップは回収され、アルミ原料にリサイクルし、再びアルミカップに生まれ変わるという。

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(資料:豊田通商

 そもそもカップをアルミ製にする必要はあったのだろうか。

環境負荷低減を目的に、限りある資源を循環して利活用する「循環型社会」の実現に取り組んでまいります」とグランパスは説明する。

 環境負荷低減目的なら、何も1回使用しただけでリサイクルせず、洗浄して使用した方が負荷が低いそうに思うが、そうではないのだろうか。この取り組みを、グランパスSDGsアクションと呼ぶそうだ。

 

 

 もう少し工夫があってもいいのではないだろうか。マイカップの持参を呼び掛けるとか、作ったカップを回収せずに、貸与して次回来場に持参してくださいとお願いしてみるとか、試してみる方法はいくつもあるように思うが、そうできない理由があるのだろうか。新たなスキームを検討することは手間かもしれないが、そうした創意工夫がなければ環境負荷を低減することはできないはずである。

 この取り組みもアルミ缶の販売に変えたと思えば、いいのかもしれない。そう思えば、紙コップやプラカップの削減につながるということなのだろうけれども.....

 手間をかけずに安易な方法を選択しているだけでは、何も変わらないということなのだろう。この活動は継続されていくのだろうか。それとも次回は何か新しい取り組みが加わるのだろうか。