Up Cycle Circular’s diary

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【アフターコロナの脱炭素】欧米の物価高・インフレ、中国では仮想通貨が違法に

 

 まだ油断すべきではないのだろうが、コロナ渦から抜けつつあるのだろうか。ここ最近の欧米でのインフレ高進との報道を聞くとそんなことを感じる。

世界のインフレ急進が経済への目先のリスク-OECD最新見通し - Bloomberg

新型コロナのデルタ変異株を封じ込めるための新たな行動制限が一部地域で経済活動の足かせとなる一方で、サプライチェーン混乱と商品相場上昇が物価圧力を高める中、OECD日本以外の全ての主要7カ国(G7)の今年と来年のインフレ率予測を上方修正した。 (出所:ブルームバーグ

 ブルームバーグによれば、OECDは、ワクチン接種の急速な進展や家計貯蓄の急速な減少は需要を押し上げ、失業を減らす一方、目先のインフレ圧力を強める恐れがあると分析しているそうだ。

 ごく自然な流れなのだろう。新型コロナが収束に向かえば、消費が拡大する。ただ、その需要を満たすほどに供給が追いつかない。東南アジアでは感染の影響がまだあるようだ。

 

 

 ナイキのベトナム工場が閉鎖されてままだという。政府の命令によるものだそうだ。

ナイキ、通期売上高見通し引き下げ 年末商戦の生産に遅れも | ロイター

ベトナムではこれまでに10週間分の生産が失われており、完全な生産体制に戻るには数カ月を要する見通し (出所:ロイター)

 SDGsに熱心なナイキのスニーカーの供給が一時的に止まっても、急に困ることにはならない。それでも需要はあるというのだろう。それをベースに生産計画が立てられ、材料が手配され、商品は作られていく。その商品が店頭にならび、消費を喚起して、モノは売られていく。

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 止まっていた経済が動き出しことで、海上輸送が活発になる。急激な経済回復でコンテナとそれを運ぶ船が不足し、運賃が高騰する。旺盛な輸送需要に応えようと船会社は新造船に投資する。あるものは現状と同じ形式の船を発注し、またあるものは脱炭素を考慮し、LNG船を発注する。まだ水素船は少しばかり時期が早いのだろう。

 経済活動が弱まれば、二酸化炭素の排出が減じるかもしれないが、経済が活発化することで脱炭素が加速するともいえそうだ。

 

 

そんな中、中国がビットコインなどの仮想通貨を全面禁止にするそうだ。

中国人民銀、仮想通貨を全面禁止 「違法」と位置付け | ロイター

 ロイターによれば、中国人民銀行を含む中国の証券、銀行規制当局などの10機関が、暗号資産(仮想通貨)の取引と採掘(マイニング)を全面的に禁止すると発表したという。

 仮想通貨に関連する活動を「違法」と位置付け、海外の取引所が中国本土向けのサービスを提供することも禁止すると表明したそうだ。

仮想通貨のマイニング活動は中国の経済成長にほとんど貢献しない一方で、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)達成を阻害するとし、マイニングに必要な資金支援と電力供給を断ち切る (出所:ロイター)

暗号資産の全面禁止、中国当局を動かした「思想」 専門家はこうみる:朝日新聞デジタル

 この中国の動きを専門家は、「中国は今のところ暗号資産で国際的な主導権をとる国ではないので、市場の動揺も限定的だ」という。ただ、注目すべきは、この規制がほ他の国にも受け入れられるかどうかと指摘する。

 環境問題など世界的な規制のイニシアチブをとるのがうまい欧州などで、規制の動きが出始めたら大きなインパクトになるだろうという。

字幕:ビデオグラフィック「電力を大量消費するビットコイン」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 AFPによれば、ビットコイン関連の2021年の年間消費電力は、128テラワット時と推計されているといわれ、世界の総発電量の0.6%という。スウェーデンノルウェーでの消費電力とあまり変わらないともいわれる。また、採掘(マイニング)工場が特に多いのは中国(65%)で、米国(7.2%)やロシア(6.9%)にもあるそうだ。

 また、マネーロンダリングの温床ともみられてきた。

 

 

 ここ最近、中国は規制を強化している。経済を多少減速させてまで格差など様々なことの是正に力をいれているかのようにもみえる。当局の思惑は別として、表面だけをみれば、世界の流れに大きく矛盾することはないともいえそうだ。ついつい目先のことだけで物事を自分の都合のよいように考えてしまうが、いずれ世界一の経済大国になるといわれている国なのだから、要注意ということなのかもしれない。